太田述正コラム#10172(2018.11.5)
<皆さんとディスカッション(続x3882)>

<太田>(ツイッターより)

 「母校の早稲田大に…原稿…蔵書やレコードなどの…寄贈を決めた作家、村上春樹さんの記者会見冒頭のあいさつ…」
https://mainichi.jp/articles/20181105/k00/00m/040/037000c
 こりゃ、早稲田大学のためにも、(子供のいない)村上氏ご本人のためにも大変いいことだね。
 彼、同世代人だけに、私自身のことを色々考えさせられてしまったよ。

 「…「元徴用工」の判決に対し、韓国の…首相は「司法府の判断を尊重する」と<だけ>述べた。…
 <そもそも、>多くの韓国人は…司法が独立していると…思っていない…。」
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/230558/110200034/?n_cid=nbpnbo_mlpum
 これは「多くの韓国人」が正しい。
 Judicial independenceは国民(議会/大統領)意思の貫徹ということ。

<太田>

 補足しておく。
 「司法権の独立」について、日本じゃこういう説明がなされている。↓
https://kotobank.jp/word/%E5%8F%B8%E6%B3%95%E6%A8%A9%E3%81%AE%E7%8B%AC%E7%AB%8B-840688
 しかし、Judicial independenceのウィキペディアには、起源は、イギリスにおける1701年のAct of Settlement(王位継承法)、とある。
https://en.wikipedia.org/wiki/Judicial_independence
 イギリス王位継承者に求められる要件の一つがJudicial independenceを認めることであり、裁判官をクビにできるのは議会だけだよ、とした。
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/230558/110200034/?n_cid=nbpnbo_mlpum
 要するに、議会に国の主権があることを王位継承者は認めなければならないってハナシの一環だったワケ。
 で、前から私が指摘していることだが、当時、議会(上院)が最高裁だった。
 ちゅうことは、裁判官は、議会・・それは国民の代表者達の会議体だ・・意思を判決に反映させるべき存在なんだよってことなのね。

 なお、慰安婦問題とも共通するが、朝鮮と支那とじゃ「強制性」の有無一つとっても事情が異なるってことを忘れないようにしよう。↓

 「日中、強制連行基金年内にも設立 被害者と三菱マテリアル・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018110401001642.html

 また、ツィートで引用したコラムの中で、本件への北朝鮮への煮え切らない姿勢への言及があるが、確かに、下掲の記事からもそれを感じるね。↓

 「強制徴用巡る共同討論会を来年開催 南北団体が合意・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/11/04/2018110402565.html

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 体操女子の米国人(黒人)優勝者のことも少しは報道しなくっちゃ。↓

 「羽生、世界初の4回転トーループ―3回転半着氷!今季世界最高297・12点で優勝・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/15547301/

 こりゃご立派。↓

 「伊藤美誠が優勝、世界1位の中国・朱雨玲を圧倒・・・」
https://www.yomiuri.co.jp/sports/etc/20181104-OYT1T50083.html?from=ytop_photo

 ロールケーキ大好き人間のこの私が知らなかったなんて・・。↓

 「1番ウマいのはどれか? コンビニ3社の「スプーンで食べるロールケーキ」食べ比べてみた ・・・」
http://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/1%E7%95%AA%E3%82%A6%E3%83%9E%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%82%8C%E3%81%8B%EF%BC%9F-%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%93%E3%83%8B3%E7%A4%BE%E3%81%AE%E3%80%8C%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%A7%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%82%8B%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%80%8D%E9%A3%9F%E3%81%B9%E6%AF%94%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%81%9F/ar-BBPkZH0?li=BBfTjut&ocid=ientp#page=2

 その通りなんだけど、私が、かつて開陳した理由とこの記事の筆者が言わんとする理由とは違うんだろな。(有料記事なんで、そこんところが読めない。)↓

 「冷戦末期、INF条約締結へ道筋をつけた陰の立役者は、じつは日本だった。・・・」
https://mainichi.jp/articles/20181105/ddm/002/070/074000c

 私が習ちゃんだったら、同じ宗教政策をとるね。
 敬虔なアブラハム系諸宗教信徒達中、ユダヤ教徒は放置し、キリスト教徒は監視しつつ余り近寄らないようにする、だけでいいけど、イスラム教徒は隔離するか「治療」して世俗化させる必要がある。↓

 「在日ウイグル人、募る不安 親族が再教育施設に・・・」
https://mainichi.jp/articles/20181105/k00/00m/030/104000c

 ニューカレドニア独立住民投票否決。
 杉山元がいなかったら、印パは分からないけど、マレーシア、シンガポール、インドネシアは永久に独立してなかったんじゃないかな。↓

 New Caledonians vote in plebiscite to stay part of France・・・
http://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2018/11/05/2003703620

 それ、イスラエルってんだけど、やっぱ、ユダヤ教は変ってるね。↓

 What’s the Only Country in the World Where Men Claim They’re More Religious Than Women? ・・・
https://www.haaretz.com/israel-news/the-only-country-in-the-world-where-men-claim-they-re-more-religious-than-women-1.6616864

 トランプは、ちゃんと、中東から米軍を撤退させてきてるんだね。
 あと一声、欧州と極東からも撤退させるんだよ。↓

 Military officials are expressing alarm that a shrinking U.S. military presence in the Middle East has undermined their ability to respond to Iranian threats just as the Trump administration’s imposition of oil sanctions increases the potential for confrontation.・・・
https://www.washingtonpost.com/world/national-security/military-officials-alarmed-about-shrinking-military-footprint-in-middle-east-as-administration-pressures-iran/2018/11/03/44e599f4-b152-4fdc-938e-744fa5e3d6fe_story.html?utm_term=.9021c4d858d7

 米中冷戦にワシントンポストまで社説で加担してどーすんのよ。
 エシュロン止めさせてからそういうこと言ってくれよな。↓

 The U.S. must take action to stop Chinese industrial espionage・・・
https://www.washingtonpost.com/opinions/the-us-must-take-action-to-stop-chinese-industrial-espionage/2018/11/04/66ccd5a6-ded2-11e8-b3f0-62607289efee_story.html?utm_term=.5aed8da4b396

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <レコードチャイナより。
 私(日本人)、お腹をひっこめたいんだが・・。↓>
 「・・・新浪体育の中国版ツイッター・微博(ウェイボー)アカウントは、日本人に太っている人が少ない理由について分析した動画を紹介した。
動画は英語で構成されており、「世界各国の平均肥満率は15~30%の間だが、日本はわずか3.6%だ」と紹介。太っている日本人が少ない理由として「食事の量ではなく質を追求すること」「公共の交通が発達していてよく歩くため、自然と運動していること」「お茶をよく飲むこと」「箸で食べるため量が少なくなりゆっくり食べるようになること」「(何かをしながらではなく)食事中は食べることに集中すること」の5つを挙げている。
 これに対し、中国のネットユーザーからは「確かに日本人は食べる量が少ない。中国人は食べ過ぎ」「(日本では)肉は高いし、魚は食べても太らないからね。毎回の食事量はほんの少しだし」「結局のところ、日本は低欲望社会だからだろう」などのコメントが寄せられた。
 一方で、「箸を使うというのは違うと思う。中国人も箸で食べるが、食べるのがゆっくりにはならない」「これは西洋人の視点だ」と言う反論もあった。また、「日本人だっていいものを食べたいと思っているよ。でも、あの値段を見たら食欲が失せる」「中国は美食が多すぎる。都市ごとにご当地美食があって我慢できなくなる」などの意見もあった。」
https://news.infoseek.co.jp/article/recordchina_RC_658359/
 <ここからは、サーチナより。
 あーそーかい。↓>
 「・・・今日頭条はこのほど、「中国経済の成長は日本の援助に依存したものではなく、中国の努力によって成し遂げられた」と主張する記事を掲載した。
 ODAが始まった1979年当時の中国は、工業化を進めるためにインフラの建設費用や技術、人材の育成を必要としていた。それゆえ記事は、「ODAによる無償資金協力、円借款、技術協力を受けたことは大きな助けになった」と指摘。しかし、現在の中国経済は国内総生産(GDP)では日本を上回って世界第2位となっており、「引き続き日本からの支援を受けるのは理にかなわない」と指摘した。
 また、かつて日本からの支援を受けた上海の「宝鋼鋼鉄集団」は、2000年に入ってから世界の鉄鋼メーカーで上位になるほどの成長を遂げたと主張、今や中国の技術や経済力は日本と遜色ないとし、その中国に対して日本が支援を続けることに対して「日本でもODAの停止を叫ぶ声が強まっていた」と論じた。
 一方で記事は、日本が中国に対して行った援助は中国全体の発展からするとごく一部に過ぎないと主張した。たとえば、上海の宝鋼鋼鉄集団が日本の支援を受け、日本人技師らと計画した製鋼工場は、規模としては中型で一部の需要を満たすのみに過ぎないと主張したほか、40年間に日本が供与した金額と、現在の中国の鉄鋼生産量を比較しても「日本の援助は大きな影響を与えたと言える金額ではない」と主張し、「中国経済の成長は日本に依存したものではなく、中国の努力によって成し遂げられたものである」と主張した。
 そして、「ODAが終了して初めて、中国と日本が本当の意味で対等な関係を築けるとし、決して決裂ではない」と伝え、日本に対する感謝は示さずとも良いとの見方を示した。」
http://news.searchina.net/id/1670479
 <同じ題材でもこちらは殊勝。↓>
 「・・・今日頭条はこのほど、「中国が特に医療面で日本から受けてきた支援」について紹介する記事を掲載した。
 ODAには「無償資金協力」と、「有償資金協力(円借款)」、そして、「技術協力」に分けることができるが、記事は、生活に密着した教育や医療といった分野の多くは「無償資金協力」によって行われてきたと紹介。記事によると、中国に提供された無償資金協力は主に医療支援に使われたといい、1981年に北京に建設された日中友好病院は中国でも有名だ。日中友好病院は約164億円の無償資金協力のもと建設され、ポリオや結核のワクチンも日本から提供されたと紹介した。
 また、その後も継続して日本からポリオと結核のワクチンや関連設備のための無償資金協力を受けたことを説明。ワクチンは感染病をコントロールすることができる簡単で効果的な方法だが、ワクチンを管理された状態で輸送保管しなければならないゆえに、ODAによって中国内陸部の貧しい地域にも積極的な援助が行われたことの価値は大きいと論じた。
 さらに、2001年には16億円分の結核ワクチンの提供だけではなく、中国内陸部の陜西省の人民医院で生じていた医療器材の不足を補うために13億円以上が無償資金協力のもと供与されたと指摘した。
 そして、日本の援助が徐々に技術協力へと移行され、日本から経験豊富な医療スタッフが派遣されたり、中国人スタッフが日本で研修したりする制度によって「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える」方法によって、中国国内の需要を自前で賄えるよう長期的な体制を整えることができたと論じた。」
http://news.searchina.net/id/1670507
 <加油。↓>
 「中国で日本料理店を開いた元留学生、日本料理ブームもあって成功収める・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1670480
 <使いまわし記事。↓>
 「なぜ日本人は無料で中国人は有料なんだ! 中国国内の観光キャンペーンに不満・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1670481
 <定番。↓>
 「日本の小学生が安心して自分たちだけで帰宅できるのは、地域社会が安全を守っているからだ!・・・中国メディア・東方網・・・」
http://news.searchina.net/id/1670482
 <これもだ。↓>
 「日本を旅行したら、街が恐ろしいほどキレイだった どうしてこんなことができるのか・・・中国メディア・東方網・・・」
http://news.searchina.net/id/1670489
 <定番だが力作。↓>
 「中国メディア・東方網・・・記事は、「日本人の物事に対する態度は非常に慎重であり、その態度は日本のグルメの中にも持ち込まれている。日本人は非常に生食が好きであるほか、味だけではなく視覚的な部分も追求するのである」と紹介した。
 そのうえで、繊細な味わいを持つ生食の1つとして馬肉の刺身を取り上げ「みんな馬肉はおいしくないと思うかもしれない。確かに口に含むといささか硬い印象を覚えるのだが、噛めば噛むほど馬肉の爽やかな香りを味わうことができる。なぜなら、馬肉の肉質が非常に繊細であり、噛むことによって溶けてきた脂肪と相混じって甘みを感じることができるのだ」と説明している。
 また、一年中おいしく食べることができるという北海道・厚岸産のカキを紹介。「厚岸は年間を通じて温度が比較的低く、ここで育った生ガキは身が締まっていて品質も非常に優れている。どうして品質が優れているかと言えば、生ガキを養殖するのに3年もの時間をかけているからだ。手間暇かけて育てた牡蠣の上にレモン汁を垂らしてそのまま口に持って行けば、つるっとした食感をが楽しめるとともに、海鮮特有の生臭さがちっともないのだ」と伝えた。
 記事は、日本人が生食を好むのは、日本人の文化に関係していると指摘。日本人は食べ物の加工技術を最小限に抑え、食材を可能な限り自然に近い味で食べようとし、「料理しないこと」こそ最高の料理という考えがあるのだとしている。また、火を通して食べるよりも栄養が多いことも、日本で生食が好まれる理由であると解説した。」
http://news.searchina.net/id/1670484
 <こいつは新話題。↓>
 「・・・今日頭条は・・・日本人が冬を乗り越える「神器」として、「こたつ」を紹介する記事を掲載した。最近では、中国の生活習慣にも合うような新しい商品が出ているという。
 記事の中国人筆者は、日本のアニメやドラマで見たこたつが忘れられないと紹介している。冬の寒い日に、家族がこたつに集まり一緒に食事をしたりくつろいだり、時には寝落ちしてしまったりする光景が印象的で、「こたつというものは、一度入ると離れられなくなるようだ」と感じたことを伝えている。
 「机に布団を掛けたものがそんなに暖かいのか」興味を持った筆者は、中国のネットショップで探してみたそうだ。足の短い机は畳に直接座る日本人の生活に合わせたもので、全く同じものはなかったそうだが、ある日本のメーカーが出している中国人の生活にマッチした商品を見つけたそうだ。
 中国では机と椅子の生活なので、冬は集中暖房のない地域だと座っていて非常に寒い。この商品は、机の下にマグネットで取り付けられる薄いヒーターによって足元を暖めるというものだ。暖かいがやけどをするほどではなく、取り付けも簡単だと紹介している。机に布をかぶせれば、日本のこたつ同様足元全体を暖めてくれるので、体がポカポカになると伝えた。」
http://news.searchina.net/id/1670485
 <前にも書いたが、私、ラーメンだけは苦手でねえ。↓>
 「中国の蘭州ラーメンが日本で人気! だが値段が中国よりはるかに高い・・・中国メディアの快資訊・・・」
http://news.searchina.net/id/1670514
 <韓国を狩り出して習ちゃんが米国に、心配するな、と言っている。↓>
 「日本と中国と韓国がもし「1つの国」になったら・・・韓国ネット上で議論・・・中国メディアの一点資訊・・・
 日中韓の間に存在する溝はあまりにも巨大・・・」
http://news.searchina.net/id/1670522
 <こちらは、習ちゃんの気持ちを素直に表現。↓>
 「・・・今日頭条はこのほど、通貨スワップの再開は日中両国が金融分野における協力をさらに緊密化させるうえでのシンボルだと指摘しつつ、中国は日本以外の国とも通貨スワップ協定を結んでおり、これによって人民元の国際化がさらに進むことになると期待を示す記事を掲載した。
 記事は、日本と中国が「有事の際に円と人民元を相互に融通し合う」通貨スワップ協定が再開されたことは、人民元は日本銀行にとっての外貨準備の1つと見なされたようなものであると主張。そして、これは人民元の地位を日本が認めたのと同等の意味を持つものだと主張した。
 続けて、中国は2017年6月までにカザフスタンやスイス、ブラジル、英国など多くの国・地域と通貨スワップ協定を締結しており、中国が今回、日本との通貨スワップ協定を再開したことは「人民元の国際化および自由化にとって重要な意味を持つ」と指摘した。
 続けて、通貨スワップ協定は「米ドル依存からの脱却」の手段でもあり、米国で今後行われる利上げを背景としたドル高のリスクを回避し、貿易の為替リスクを低減するうえでも有益であると主張。中国にとって通貨スワップ協定は「百利あって一害なし」の存在であると伝えている。」
http://news.searchina.net/id/1670524
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太田述正コラム#10173(2018.11.5)
<吉田裕『日本軍兵士–アジア・太平洋戦争の現実』を読む(その3)>

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