太田述正コラム#10478(2019.4.7)
<皆さんとディスカッション(続x4035)>

<太田>(ツイッターより)

 「米紙、日本の消費増税をやゆ 「安倍首相は景気悪化を決心」…」
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E7%B1%B3%E7%B4%99%E3%80%81%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%B6%88%E8%B2%BB%E5%A2%97%E7%A8%8E%E3%82%92%E3%82%84%E3%82%86-%E3%80%8C%E5%AE%89%E5%80%8D%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%81%AF%E6%99%AF%E6%B0%97%E6%82%AA%E5%8C%96%E3%82%92%E6%B1%BA%E5%BF%83%E3%80%8D/ar-BBVFm3r?li=BBfTvMA&ocid=spartanntp
 「岩田・前日銀副総裁 デフレ脱却に向け「増税は凍結すべきだ」と訴え…」
https://mainichi.jp/articles/20190406/k00/00m/020/170000c
 まさに雑音。
 そもそも、消費増税を先送りにしたのが誤り。
 経済成長をさせたいのなら、モード転換しかないさ。

 「中国の砂漠に「仮想・横須賀基地」 ミサイル実験場か…」
https://www.asahi.com/articles/ASM3Y5SG0M3YUHBI01X.html?iref=comtop_8_01
 これも習ちゃんの日本へのプレゼントだろ。
 金王朝も原子力空母のいる横須賀にミサイルの照準を合わせているはず。
 反原発を称える、日本の「右」・・横須賀が地盤の小泉元首相!・・や「左」のインチキさに吐き気が。

<HH>

  –郵便受領確認–

 太田さん、おはようございます。
 忘れ物の送付ありがとうございました。無事に受領いたしました。
 お手間をとらせて恐縮でしたが、一方でメルマガ一回分のネタになる<(未公開(太田)>とは少し驚きというか怪我の功名でお役に立てたのかもしれません。
 ところでアジア解放までは得心できてもアメリカ占領による究極のソ連無力化計画については中々得心できないことについてはかねてから申し上げてきましたが、最近の未公開原稿の内容と先月「経済学者たちの日米開戦」を読了し確かにその考えもありえそうだと思い始めています。
 この本は少し前に書評から太田さんにダメ本らく印を押されましたし、この本自体の結論に関しては同意です。行動経済学や社会心理学の理論を用いて、確実なジリ貧と一発逆転要素のあるがドカ貧の可能性が高い場合は心理的に後者を選びがちであるということから開戦決定に至る政治決定がなされたとしていますが、世論形成としてそういう心理状態を利用することがあったかもしれませんけど政策決定として納得できるものではありません。
 むしろこの本を読んで参考になったのは、様々な経済研究が行われ戦争の行方に関するシュミレーションは計数的に日本の継戦能力と勝敗に関わる前提条件を正確に推測する報告が複数上がり、政策決定に当たる官僚、就中、陸軍官僚はそれらを認識していたこと。特に後者に関しては独ソ戦におけるドイツの勝利が決定的に重要で、そしてそのドイツの継戦能力を見通しは結論として悲観的であること、これらを事実として共有し認識できていたことです。
 これらの情報分析結果から官僚的な思考で言えば対米開戦に関しては悲観的な見通ししか出てこない。にもかかわらず開戦に踏み切ったのは対英戦争ではある程度の勝算がありアジア解放に関しては可能性を十分見込めたこと、一方、対ソ連でいえば、万が一つ、ドイツがソ連に勝てばそれもよし、恐らくそうならないだろう。その場合はアメリカに日本は勝てない。むしろ負けることでアメリカを日本に引きずり込んで対ソ防衛にあたらせるというのは悪い考えではない、そういう考えが脳裏に残っていた中で読んだ、杉山らがゾルゲを泳がしていた説はかなり信憑性を持っているように思います。
 一方で、オフ会で言及した松谷誠
< https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E8%B0%B7%E8%AA%A0 >
の年譜を見ると彼の帝国陸軍時代の軌跡は正に杉山元の懐刀。その彼の主張は共産国家としての日本もありうる、ですから、杉山元としては欧州および米国の非人間性に絶望しマルクス主義の本来的な人間主義性に賭けて戦後のドミノ理論を先取りした形で共産国家同盟によるアジア解放を考えていた可能性も否定できないかな、そんな考えも頭をよぎったりします。ちなみにこの松谷誠を知ったのは「経済学者たちの日米開戦」の典拠からで、引用元は同じ新潮選書の「主戦か講和かー帝国陸軍の秘密終戦工作」という書物。こんどはこれを読もうかと考えて今、取り寄せ中です。
 ともあれ昭和戦前史を巡る思索は個人的には父方が台湾からの引揚者という事情で、幼少期から祖父母たちよりアジアを巡る当時の風景を聞かされていたことと、その背景にある日本のアジア展開の正当性を信じたいというような心情も相まって、まだしばらく続けていきたいと考えています。
 日々のメルマガおよび次回のオフ会を楽しみにしております。

<太田>

 名前だけ知っていた松谷誠について、自身、調べたことがないので、以下述べることは直感に基づく取敢えずの、想像を交えた所感です。

一、マルクス主義とマルクス・レーニン主義は似て非なるものである。
二、毛沢東が信奉していたのはマルクス主義であったのに対し、松谷の「信奉」していたのはマルクス・レーニン主義である。
三、松谷は能吏型の人間であり、杉山元を始めとする杉山構想実行者達等に重宝されたが、彼には杉山構想の全貌は明かされていない。
四、陸軍内の、しかも、優秀な若手幹部達の間に、マルクス・レーニン主義「信奉」者達が少なからず存在した。
五、三田村武夫(ひいては、近衛文麿、吉田茂、岸信介ら)の誤った帝国陸軍観(コラム#10448)は、松谷等と接触することによって形成された。
六、杉山が、松谷を(鈴木貫太郎首相に差し出すことまでして)使い続けたのは、ソ連に対英米戦の仲介をやらせるというバカバカしい話に陸軍が乗っているように見せかける効果があったから。
七、しかし、松谷自身はマルクス・レーニン主義を信奉などしておらず、杉山らから、そう装えと指示され、信奉者を演じていただけ。
八、松谷を、第一次冷戦の真っただ中に、対ソ最前線であったところの、陸上自衛隊の(西部方面総監や)北部方面総監に就けた
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E8%B0%B7%E8%AA%A0 上掲
当時の日本政府、就中、私の先輩の防衛官僚たる人事担当局長達と事務次官達は、七を松谷から明かされて知っていたからこそ、安んじてそうすることができた。

 この私の所感中の四~七の正否を検証していただけるとありがたいですね。

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 検察もダダ洩れリークを続け、一生懸命。↓

 「ゴーン前会長、友人側へ不正送金指示 ルノー出身役員に・・・」
https://digital.asahi.com/articles/ASM465FL5M46UTIL00H.html?rm=510
 「ゴーン前会長送金「不要な支出」 中東日産、奨励金余る・・・」
https://www.asahi.com/articles/ASM462T3GM46UTIL002.html?iref=comtop_list_gold_n08
 「ゴーン前会長「報奨金」装い資金還流か オマーン販売代理店幹部、周囲に「私が触れない金」・・・」
https://mainichi.jp/articles/20190406/k00/00m/040/203000c
 「「社長号」購入に関与か…ゴーン被告の妻は出国・・・」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190407-OYT1T50065/

 フランス政府が泣きついてメーキングしたっぽいな。↓

 「河野外相、仏外相に「何かあれば言って」 再逮捕を受け・・・」
https://www.asahi.com/articles/ASM467D1KM46UTFK007.html?iref=comtop_latestnews_03

 佳子さん、フツーの日本国民になりたいのなら、そうはっきり言わなくっちゃ。
 言ってないのに、こんなコラムで持ち上げるのはおかしいだろー。↓

 「姉の結婚にエールを送る”佳子の乱”の意味・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/16279395/

 おや、そうだったの。↓

 「独り勝ちは本物か キリンビールの変革・・・」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43268200T00C19A4H11A00/

 柳美里の小説・・邦題不明・・の翻訳の書評が。↓

 Tokyo Ueno Station by Yu Miri review – haunting novel of life after death・・・
https://www.theguardian.com/books/2019/apr/03/tokyo-ueno-station-yu-miri-review

 見てるだけで楽しいが・・。↓

 The Pokemon card artist ‘taking the border off the artwork’・・・
https://www.bbc.com/news/world-us-canada-47826919

 よくこんな日本ネタを見つけて来るもんだ。↓

 Why I turned my scars into artwork・・・
https://www.bbc.com/news/av/world-us-canada-47589193/why-i-turned-my-scars-into-artwork

 米軍の地位協定が、日本とのものが他の先進諸国のものよりも米軍に有利になっている部分があるとすれば、その理由が窺える。
 さぞかし、ゴーンやフランス政府も同意見だろうて。
 野蛮人達め。↓

 「米海兵隊が、沖縄で新たに任務に就く隊員向けに作った1998年の「指示書」で、・・・「日本の法と、それが執行される方法は、アメリカの水準では厳しい」と記述。違法行為の場合、裁判にかけるかどうかを「決めるまでに長い時間をかけることで悪名高い」としていた。「日本の警察」の項目では「騒ぎを起こすようにみえた場合、警官はためらわず警棒で殴る」「逮捕や身体検査で抵抗すると殴られることになりやすい」などと記していた。」
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%89%8B%E7%B6%9A%E3%81%8D%E3%81%AF%E3%80%8C%E6%82%AA%E5%90%8D%E9%AB%98%E3%81%84%E3%80%8D-%E7%B1%B3%E6%B5%B7%E5%85%B5%E9%9A%8A%E3%81%AE%E6%96%87%E6%9B%B8%E3%81%AB%E8%A8%98%E8%BC%89/ar-BBVG7Uj?li=BBfTvMA&ocid=spartanntp

 そりゃ、トランプじゃなく、野蛮中の野蛮、失敗国家の米国の意思だろが。
 なら、徹底して、早く国連を脱退しなっての。↓

 Why does the Trump administration hate the International Criminal Court so much?・・・
https://www.washingtonpost.com/world/2019/04/05/why-does-trump-administration-hate-international-criminal-court-so-much/?utm_term=.eb8422340f60

 早く、個人主義/資本主義、は悪だってところまで踏み込みなさいよ。
 (ま、ムリだろうが・・。)↓

 Our individualistic culture inflames the ego and numbs the spirit. Failure teaches・・・
https://www.nytimes.com/2019/04/06/opinion/sunday/moral-revolution-david-brooks.html?login=email&auth=login-email

 まさに、大坂なおみが野蛮の米国籍を選ぶか文明の日本籍を選ぶか、が問われている。↓

 Will Naomi Osaka Pick Japanese Citizenship or American? Her Deadline to Choose Is Looming・・・
https://www.nytimes.com/2019/04/06/world/asia/naomi-osaka-citizenship.html

 ここは、まだ行ってないなあ。↓

 「紺碧の海と空に映える城塞 マルタ共和国・バレッタ・・・」
https://www.asahi.com/and_travel/20190401/70033/?iref=comtop_list_andtravel_n03

 アングロサクソンの時代が終わろうとしとるんじゃよ。↓

 Pop stars once had to sing in English to win global fame. Now Spanish and other languages are taking over・・・
https://www.theguardian.com/music/2019/apr/06/latin-spanish-pop-takes-over-from-english-language

 どうでもいいってばどうでもいいが・・。↓

 Researchers believe a famed Polish general who fought in the American Revolutionary war may have been a woman or possibly intersex.・・・
https://www.theguardian.com/us-news/2019/apr/06/casimir-pulaski-polish-general-woman-intersex

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <縄文性/匠追求/平和志向・環境との共棲、とルーツは同じなんよ。↓>
 「・・・中国メディアの捜狐<は、>・・・日本では珍しくない「家業を継ぐ」という伝統的な習慣も受け入れがたいと主張。中国人から見ると「非常に保守的な考え方で、事業が成功しているならまだしも、負債があっても受け継いで守ろうとする価値観や人生観は、中国人とは大きく異なる」と指摘した。」
http://news.searchina.net/id/1677552?page=1
 <ウム。↓>
 「・・・今日頭条・・・記事が列挙したのは、「茶道、書道、剣道、弓道、盆栽、花道」などは中国から日本へと伝えらえた文化であると主張した。それぞれ中国に残されているものとは異なる部分があるが、それは「時を経て日本で更なる昇華を遂げているからで、精神性が重視されている基盤は中国と通じている」と指摘した。
 中国でも近年、「茶芸、書法、剣術、射礼、盆景、花芸」は自分を磨き、精神力を高めることにつながるとして注目を集めている。しかし、日本では長年幅広い年齢層の人びとが習いごとや生涯続ける鍛錬としてこれらの伝統文化を学び続けていることが中国人としては驚きだという。そして、日本に伝わってから独自の進化を遂げ、確立された「中国発の文化」は今や中国人すら魅了する要素があると分析した。」
http://news.searchina.net/id/1677553?page=1
 <はーそーかい。↓>
 「「草津温泉隊」に「讃岐釜玉隊」・・・日本のサッカークラブ名がユニークすぎる!・・・中国メディア・東方網・・・」
http://news.searchina.net/id/1677554?page=1
 <定番と言えば定番だが、力作。↓>
 「・・・今日頭条は3日、日本の小学校に娘を通わせている中国人の観点から、日本の小学校教育を紹介する記事を掲載した。
 記事はまず、日本に対して「きれい、高い民度、団体意識」というイメージがあると紹介。自分の娘が日本の小学校に通うようになってから、中国の教育との違いを肌で感じ、日本がきれいで民度が高く団体意識が高い理由が分かったそうだ。
 たとえば「運動会」が中国とは違うと紹介。中国ではクラス対抗だが、日本では全学年の生徒を2つに分けて対抗する。そのため、負けても誰かのせいにする雰囲気にはならず、上級生と下級生との交流が生まれる利点もあると称賛した。これは集団登下校にも言えることだが、下級生の面倒を見ることで上級生には自然と責任感が生まれ、下級生の模範になろうとする気持ちが芽生えるようだと感心している。
 さらには、日本の小学校には「体育の時間」が多いとも紹介した。中国の小学校ではほとんどないプールの授業があるほか、持久走や冬に薄着で運動する時間が最初は可哀そうに感じたそうだ。しかしそのおかげで、筆者の子どもは風邪を引きにくくなったといい、さらに「忍耐力と意志力」も付くと称賛した。
 最後に、日本では「障がいを持つ子ども」が差別されないとも紹介。中国では健常者と同じ学校に通うこと自体考えられなかったという筆者。日本では学校行事に普通に参加し、身体に障がいを持つ子が他の子と同じように持久走に参加しているのを見たときは驚いたそうだが、蚊帳の外にされるどころか、全校生の声援を受けて完走したのは「忘れられない出来事」だったという。音楽会には特別支援学級の子どもたちもそれぞれの形で全員が参加し、最後には割れんばかりの拍手を受けていたことにも感動した、と感想を述べている。」
http://news.searchina.net/id/1677555?page=1
 <同じく日本の小学校モノ。↓>
 「中国メディア・東方網・・・記事は・・・「大阪の小学校では環境について学ぶカリキュラムが設定されており、4年生になるとごみ処理場にいって実践学習を行うことになっている。このため舞洲の処理上には見学用コースが設計されており、処理プロセスを身近に体感することでごみ分類への積極性とリサイクル意識の向上につながっているのだ」と説明・・・」
http://news.searchina.net/id/1677557?page=1
 <ハイ、その通り。経産省が方針転換したのよ。↓>
 「・・・今日頭条は・・・日本の一帯一路への態度が変わったとする記事を掲載し、その理由と今後の日本に期待する点を示している。
 記事はまず、一帯一路が提唱されたばかりの最初の2年間、日本は否定的な態度を取っていたと指摘。日本が中国を政治的ライバルと見ていたことや、米国のリバランス政策に追随する形で、自らもインド太平洋戦略を進めていたためと分析している。
 しかし、その後に日本は「態度を変えた」とし、その理由について分析した。記事によると、転換点は2017年で、安倍首相は国際交流会議において、一帯一路に協力の意向を示し、突然の方向転換に見える発言をした。なぜ急に「態度を変えた」のだろうか。記事は、安倍政権は「あくまで仕方なく」かじ取りを迫られたとしている。
 記事は、アベノミクスが一定の成果を収めたものの、緩やかな成長にとどまっており打開策が必要になったことや、米国ファーストを掲げるトランプ政権に失望したこと、米国の一帯一路に対する立場がはっきりしたことなど複数の要素が加わったと分析している。いずれにしても、一帯一路で成果を出した「中国の魅力に気が付いたのだろう」と主張している。
 また、日本は当初は冷淡な態度を取っていたにしても、今は一帯一路への協力に前向きであり、これは「双方にとってチャンス」だと日本の心変わりを歓迎している。そして、中国の一帯一路、日本のインド太平洋政策の妥協点を見つければ、関係する第三国を含めて「3カ国ともウィンウィンの関係」になれる、と日本の協力を求めた。」
http://news.searchina.net/id/1677556?page=1
 <日本人ってフシギだよねえ。↓>
 「日本人の韓国旅行好きは、中国人をはるかに超えていた!・・・中国メディア・東方網・・・」
http://news.searchina.net/id/1677558?page=1
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太田述正コラム#10479(2019.4.7)
<ディビット・バーガミニ『天皇の陰謀』を読む(その25)>

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