太田述正コラム#1404(2006.9.11)
<北朝鮮「併合」間近の中共?(続)>

 (06/08/11 10:30:31 ?? 06/09/10 23:59:59の太田HPへの訪問者数は、24,597人であり、今年に入ってからの最低記録でした。(HPへの累計訪問者数は、80万人を突破しました。) 他方、太田ブログの方は、上記とほぼ同じ一ヶ月間の訪問者数は4,853人であり、こちらも前月の5,388人より大幅に低下しました。合計すると、月間訪問者数は29,450人と、3万人(一日1,000人ペース)を切ってしまいました。(ちなみに、先月は35,248人でした。)レバント紛争が収束に向かっており、国内外でめぼしい動きがなかったためでしょうか。ただ、読者数は現在、無料読者が576(HP)+683(まぐまぐ)+78(E-Magazine)=1337名、有料読者は127名で、計1,464名であり、前月の1,463人と同水準を保つことができています。(HP上の読者の幽霊メルアドあぶりだし問題はさわっていません。))

1 支那側の攻勢補論

 中共の吉林省の白頭山(支那名長白山)のふもとに、最近、「唐渤海国朝貢道」と銘打たれた石碑が建てられたことが、韓国人によって確認されました。渤海は唐の臣従国家(Vassal state)である、というのです、
 また、この石碑の裏面には、渤海は唐に朝貢するためにこの道をつくった、と記されています。
 これに対し、韓国においては、支那の歴代王朝は、他国との貿易を朝貢関係(tribute-investiture relationship)と擬制して行うことを通例としていたことから、渤海との貿易も朝貢貿易として行っただけのことであり、渤海は自らを支那と対等な独立国家と考えていた、という批判の声があがっています。
(以上、
http://english.chosun.com/w21data/html/news/200609/200609110003.html
(9月11日アクセス)による。)

2 及び腰の韓国政府補論

 高句麗・渤海(渤海は高句麗の継承国家を自認していた)問題を扱う高句麗財団を吸収して発足した北東アジア歴史財団は、政治と学術研究が渾然一体となった組織であること、しかも、理事長も事務総長の有力候補も支那通ではなく(注1)、この財団の狙いがもっぱら日本による歴史歪曲を追及することにあると考えられることに対し、韓国内で批判が高まっています
(特に断っていない限り
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/09/08/20060908000046.html
(9月9日アクセス)による)。

 (注1)昨年3月、ノ・ムヒョン大統領は「歴史歪曲・・、独島・・問題について総合政策の樹立と研究のための政府出資機構を設立せよ」との指示を下した。あえて独島の名前だけをあげていることから、これは主に日本をターゲットとした機構だと解釈された(
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/09/09/20060909000026.html
。9月10日アクセス)。
 また、今月1日に就任した同財団理事長は日本の近代史を専攻した人物であるし、事務総長候補に名前が上がっている前駐シンガポール大使も、在日韓国大使館の参事官や公使を務めた人物だ。

3 ノ・ムヒョン大統領の対中「抗議」

 ノ大統領は、中共当局が推進している東北工程を一度も公の場で批判したことがなく、彼の東北工程関連の発言といえば、2004年8月末に中国・人民政治協商会議の賈慶林主席と会った席で、「最近、この問題(歴史歪曲)が両国間の論争の種になっていることは大変遺憾だ」と言及したことがあるだけです(
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/09/09/20060909000028.html
。9月10日アクセス)。
 そのノ大統領が、アジア欧州会合(ASEM)出席のためフィンランドを訪問中の10日、中共の温家宝首相と会談し、中国の「東北工程」について、「韓中関係に否定的な影響を及ぼしうるものなので、中国政府が韓国政府との合意に従って必要な措置を講じてほしい」と要請しました。
 これに対して温首相は、「両国間の(2年前の)合意事項を尊重する。政府レベルで必要な措置を講じていく」と答え、中国社会科学院に対しても「韓中関係に否定的な影響を及ぼすことのないように、きちんと対処するよう指示した」と述べたのですが、予定になかったにもかかわらずこの会談が中共側からもちかけられたとされていること、このやりとりについては、事前に韓中両国間で実務的な調整が図られたとされていること、会談のメインが北朝鮮の核開発およびミサイル問題、6カ国協議などであったと考えられていること、からすれば、東北工程については、中共当局による韓国世論向けガス抜きにノ大統領が受動的に一枚噛まされた、と見るべきでしょう。
(以上、
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/09/11/20060911000015.html
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/09/11/20060911000007.html
(どちらも9月11日アクセス)による。)