太田述正コラム#12947(2022.8.21)
<皆さんとディスカッション(続x5267)>

<OF>

 貴兄からの返事を受け取りましたが、私は「タラ・レバ論」の類とは思いません。
 第一に、林利勝氏の動画講義「幻の日本勝利計画秋丸機関の最終報告書と裏切り者の正体」・・・によると、陸軍シンクタンク秋丸機関は日本の叡智を結集し、何度も緻密な戦争シミュレーションも行い乍ら、昭和16年7月に完成させた最終報告書の基本的骨子には『米国との戦争は極力避ける』とし、特に海洋国家アメリカが優位な太平洋での戦争は避けることを謳っています。
 その結果導かれた大東亜戦争戦略は、「南進して」石油を獲り、アジアを独立させて、「西進して」大英帝国の内海であるインド洋の海上輸送ルートを遮断して英国陥落を目指すことです。この戦略は昭和16年11月15日に「対英米蘭蒋戦争終末促進の腹案」という最終的国家戦争戦略として提案され、大本営政府連絡会議で議論し、天皇陛下も臨席されて、承認され決定しました。従ってこの戦略はいい加減なものではありません。

⇒当初立てた戦略が実行に移された結果、少なくとも、部分的に手直しされることがあるのは当然でしょう。(太田)

 第二に、大東亜戦争戦略は英米にも読み取られ、チャーチル首相は『日本軍が南進して石油を取り、大東亜共栄圏を築き、さらに西進すれば英国を封鎖陥落させられる』と考え、ルーズベルト大統領に手紙で『このまま日本の主力が南に下りて行って西へ行くということになってしまうとイギリスは負けてしまうので、何とかアメリカの方から策を打って日本を引きつけてくれないか。日本を太平洋の方へ誘導してくれないか』と書いてルーズベルトに善処を依頼しました。一方、チャーチルやウェデマイヤー将軍を含め、欧米の将軍や有力政治家たちは、インド洋を制圧した日本が、ドイツと必然的に中近東で合流してスエズ運河も獲得すると言う定石、この定石通りやれば枢軸が勝つ戦争だ、と見破っていました。この事から、インド洋が制圧されても他の支援ルートがあり得るといくら主張されても、インド洋の海上輸送ルートの遮断は英国にとっては死活問題であることには変わりなく、チャーチル首相も手紙ではっきりと認めています。

⇒日本が対英だけ開戦をした場合の話をされているのか、対英米開戦をした場合の話をされているのか、定かではありませんが、それはともかくとして、日本が対英「米」開戦をしたことを受け、米国が「日本を太平洋の方へ誘導してくれ」たおかげで、英国は助かったわけですよね。
 私が「タラ・レバ」論だと言ったのは、それでもなお、日本がその「誘導」に乗らなかっ「タラ」的な議論のことを指しています。
 日本がその「誘導」に乗らない選択肢などなかったでしょ、と私は指摘しているのですよ。(太田)

 第三に、アメリカの国際金融資本家グループ(共産党系ユダヤ人多し)によって作られたOffice of Strategic Services(OSS)の対日本計画はこの連合国が負けるという運命を打破する為に知恵を絞っていろんな策謀を仕込みました。
(1)日本の敗戦を志向していた近衛文麿首相と風見章・尾崎秀実・蝋山政道・有沢広巳等の共産主義者の側近、松本重治・白洲次郎等の国際金融資本家の手下、山本五十六・米内光政・永野修身等の一握りの海軍トップを抱き込み、
(2)ABCD包囲網で日本を破綻寸前の窮地に陥れ、
(3)山本五十六等が大東亜戦争戦略から大きく逸脱し、陸海軍参謀本部や大本営が反対し、初めから負ける戦争と分かっていた、「真珠湾攻撃」を了承もなく実施させた動機として恐らく『日本の敗戦後に天皇は残すとの密約』を与え(皇居、京都、奈良、伊勢神宮等主要神社神宮への爆撃なし)、

⇒近衛ないし近衛グループに当時の日本の国策を動かす力など全くありませんでしたし、帝国海軍については少しはあったけれど、何と言っても帝国陸軍と帝国陸軍等がかねてから誘導してきた世論が日本の当時の国策を動かしていたのです。(私の関連コラム群のタイトル・日付省略)(太田)

(4)スティムソン米国陸軍長官が戦後の回顧録で『真珠湾攻撃がなければ、対日・三国同盟に関してアメリカ国論は二分・分裂・対立し、非戦または参戦まで1年以上かかった』と発言している事等から、真珠湾攻撃は、ルーズベルト大統領の不戦選挙公約とアメリカ世論の反戦機運を引っ繰り返し、アメリカの本格的な参戦を正当化させ、それによって軍需品や各種兵器の大量生産体制作りと連合国への軍事支援活動によって、大恐慌以降落ち込んでいたアメリカ経済の活性化と回復を図り、
(5)大東亜戦争戦略(南進して西進)の敢行を阻んで、英米に有利になるように、ミッドウェイ海戦、ガダルカナル島の攻防等の長引く戦闘で、日本の軍事戦力を太平洋の奥深く引き摺り込んで徹底的に消耗させ、西進に十分戦力を注ぎ込めない様に計り、大東亜戦争はインド洋制圧まで事が進まず道半ばで挫折させ、

⇒帝国陸軍が帝国海軍の協力を得て南方作戦を遂行する場合に、米国領のフィリピンについてもその戦略的位置一つとっても占領対象にせざるをえず、だからこそ、日本は対英のみ開戦ではなく対英米開戦をせざるをえなかったわけであり、そうなると、太平洋所在の米海軍兵力を対象にする攻撃を開戦と同時に行わなければならないところ、真珠湾攻撃は、(帝国海軍が決めたわけですが、)その一環として軍事的には合理的な判断の下でなされたと言えるでしょう。(太田)

(6)他方終戦後にOSSの下部組織であるGHQが、世界最古の国家の伝統と精神性の破壊のために、思想・メディア・教育を反日侮蔑に向けて統制し、反日自虐史観の植え付けで、日本人から尊厳、自尊心を尽く奪い、自前憲法を押し付けて米国に隷属させて、最終的には共産化への解体を企んだ(田中英道著「OSS日本計画」参照)。

⇒この話は、今回、関係はありますまい。(太田)

 最後ですが,下記の二つのYouTubeプログラムは林千勝の秋丸機関研究を良く纏めて作られていますので良かったらご覧下さい。
・【山本五十六の正体】本当は勝てた戦争を「ぶっ壊した!男たち」※秋丸機関と真珠湾攻撃「林千勝先生の研究」《前編・第1部》》《永久保存版》
https://youtu.be/W6AAX6UL2fM
・【山本五十六の正体 二】本当は勝てた戦争を「ぶっ壊した!男たち」※秋丸機関と真珠湾攻撃「林千勝先生の研究」《後編・第2部》《永久保存版》
https://youtu.be/bx2kUqinvLM

<太田>

 送っていただいたPDF資料や、上掲のユーチューブ動画群をチェックさせていただいた上で、明日、更にコメントさせていただくかもしれませんが、とりあえず。

<太田>

 安倍問題。↓

 <萩生田ゴキブリと統一教会の麗しいご関係。↓>
 「「VIP対応で萩生田さんはされてますね。司会の人が教会員に対して萩生田議員が来るので盛大にお迎えしましょうと言って拍手でお迎えする。私たちからすると萩生田議員が来たということって教祖が来たぐらいのお迎え度合いだった」
そして、萩生田氏は登壇する際、向かって左側にある文鮮明氏と韓鶴子氏の写真に対し、・・・「ご父母様という教祖の写真があるんですけど、そこに敬礼していました」
 「自民党が政権取らないと、日本がもう滅ぶ的な話は、神様の計画で自民党が担っているみたいな感じで、それは教会長的な方が言うのですけれど。(萩生田氏は)それに便乗して、あなたたちの信仰で、日本の未来がかかっているから死ぬ気でこの自民党を復活させてほしいだとか、自民党を応援してほしいと言われていた。萩生田さんはその『ご父母様』と言うのですけれど、教祖のこと。私(萩生田氏)もご父母様の願いを果たせるように頑張るから、皆さんも一緒に頑張りましょう。一緒に日本を神様の国にしましょうみたいな、そういう風に言っているから、萩生田議員が政界に必要だと(信者は)思っている。そうやって言ってくれるから。自民党を応援するっていうよりは、神様の計画を達成するためにやりますという教会員が多かった。教会員はそのためにやっていたと思います」
 イラストにはカメラ、録画禁止という記述もある。通常、説教の場面は録画するが、萩生田議員や政治家が来たときは録画禁止の指示が出ていたという。
 「教会員と政治家の間でもその関係性を公開するというのが絶対的タブーだった。統一教会員もそれはわかっている話。自民党と繋がりがあるということは、私達からは絶対言ってはいけない」・・・
 これは旧統一教会から青年部の若手信者らに送られたメールだ。送信の日付けは2011年5月20日。
 「第7回目は政界より萩生田光一氏(前衆議院議員、前文部科学大臣政務官)をお招きし、講演をいただきます」
 青年指導者フォーラムとは何か。旧統一教会の田中富広会長が当時事務局長をつとめていた平和大使協議会のホームページにはこう書かれている。
 「各界の専門分野で活躍される平和大使の皆さまを講師陣として迎え」
 萩生田議員は、平和大使としてフォーラムに招かれたのだろうか?信者に送信されたメールには、翌日開催される講演会の案内も添付されていた。
講演会の案内日時:5月21日
テーマ:良き国造りは人づくりから・日本再生を目指して!
講師:萩生田光一氏
 さらに、この日のフォーラムについて記された平和大使協議会のブログがネット上に残されていた。参加者の集合写真には第7回青年指導者フォーラムとある。前議員として名前は記されていないが、写真には萩生田氏とみられる男性の姿が。・・・
 旧統一教会の元信者
 「主に私は電話がけと決起大会とかのスタッフで、誘導したり案内したりとか。ウグイス嬢とかも教会員がやっていました。(選挙の)ポスターを貼る、はがすのは青年部の男性の仕事」
 さらに選挙支援については、萩生田氏の選挙事務所に出入りしていた人物にも聞いた。
 「2012年の衆議院選のときに、旧統一教会の関連団体『国際勝共連合』に所属する50代くらいの男性が手伝いに来ていました。2014年の選挙でも、国際勝共連合の若い男性と女性が萩生田氏の事務所に常駐していました」・・・」」
https://news.livedoor.com/article/detail/22709852/
 <それにしても、長命のゴキブリだねえ。↓>
 「・・・1991年に萩生田さんが八王子市議になった時から、(同氏は)教団と親しかった。30年間関わっていたと。(それで)信者たちが怒って言い始めているんです・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/af8cf18580fb47006de4df6a7d0b5439a2cb1078
 <ゴキブリ、少なくとも一匹は駆除へ?↓>
 「萩生田氏が旧統一教会と「関係断ち切る」明言せず 公明党が激怒!連立・選挙協力の軋轢に・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E8%90%A9%E7%94%9F%E7%94%B0%E6%B0%8F%E3%81%8C%E6%97%A7%E7%B5%B1%E4%B8%80%E6%95%99%E4%BC%9A%E3%81%A8-%E9%96%A2%E4%BF%82%E6%96%AD%E3%81%A1%E5%88%87%E3%82%8B-%E6%98%8E%E8%A8%80%E3%81%9B%E3%81%9A-%E5%85%AC%E6%98%8E%E5%85%9A%E3%81%8C%E6%BF%80%E6%80%92-%E9%80%A3%E7%AB%8B-%E9%81%B8%E6%8C%99%E5%8D%94%E5%8A%9B%E3%81%AE%E8%BB%8B%E8%BD%A2%E3%81%AB/ar-AA10RMz5?cvid=ec2816a50bb246b3b044d652849667dc
 <こういう記事に騙されちゃダメだぜ。「主流」中のかつての最強の経世会の源流は岸信介の弟の佐藤栄作の佐藤派であり、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E6%88%90%E7%A0%94%E7%A9%B6%E4%BC%9A
これだって、岸カルトそのものの一環なんだからね。↓>
 「・・・安倍家と旧統一教会の接点は岸信介氏から始まるが、派閥としての関係に広げたのは自民党幹事長や外相を務めた安倍晋太郎氏だった。安倍氏の生い立ちと安倍家の政治的系譜を描いた『安倍晋三 沈黙の仮面』の著者で政治ジャーナリストの野上忠興氏が語る。「晋太郎さんはポスト中曽根の総裁選で当時の最大派閥・経世会を率いていたライバルの竹下登氏に敗れた。それからは『(総理になるには)やはり数だ』と口癖のように語り、派閥拡大のために新人発掘と選挙応援に力を入れた。しかし、当時は自民党の主要な支持基盤である建設業界票や郵政票、農業票は経世会がガッチリ握り、財界の名門企業は伝統的に宏池会(当時は宮沢派)支持だったから、傍流の清和会は支持基盤が少なかった。 そうしたなかで子分を増やすためには無理な票集めが必要になり、岸さん以来の関係があった旧統一教会の政治団体、国際勝共連合の集票力を大いに頼みにしなければならなかった。その支援もあって、晋太郎さんは1990年の総選挙で派閥の新人を20人以上当選させて勢力を増やしたが、翌年、志半ばで病で亡くなった」この1990年総選挙で初当選したのが晋太郎氏の元秘書で、安倍晋三氏の大学の先輩でもある古屋圭司・元拉致担当相だ。古屋氏はかつて旧統一教会との関係について、〈故・安倍晋太郎氏の紹介で、セミナー、集会に参加。初選挙時、雑用係5人を受け入れた〉(『週刊現代』1999年2月27日号)と説明している。
 改めて古屋氏に聞いた。「選挙のお手伝いは記憶していますが、セミナー、集会の方の記憶はない。しかし、当時取材に答えているということは、記憶がないとはいえ、事実でしょう。その後は協力などを受けてはいません」(事務所回答) 元建設官僚で自民党参院幹事長を務めた脇雅史・元参院議員が旧統一教会に頼る「議員心理」をこう語る。「岸さん以来の清和会の主要メンバーが統一教会と親密だったのだから、清和会の議員の面々が関係を結んでいくのは自然でしょう。親分から、統一教会関連の集会に『顔を出しておけ』と言われたら、子分が行かないわけにはいかない。とくに比例代表の候補は、『この団体の票をつけてやる』と言われることは多い。 私は建設業界の支援を受けていたから、『その票はいりません』と断わることができたが、いろんな分野の票をもらっている人は、統一教会の票を回すと言われたら『お願いします』となる」 岸氏から始まった旧統一教会と安倍・岸家の絆は、晋太郎氏の代に派閥との組織的協力関係に発展した。 清和会は晋太郎氏の死後、2000年の森喜朗内閣誕生で福田赳夫内閣以来25年ぶりに政権を奪回。そして森首相の退陣後に登場した異色の総理、小泉純一郎・首相の時代に旧竹下派を追い落として最大派閥の座を奪った。」
https://news.yahoo.co.jp/articles/661b3e16683419898f282bf2624a452608a4333a
 <だから、その通り↓なんだけど、朝日を含む「左」ジャーナリズム、ひいては「左」全体が、岸カルトに利用され、踊らされ、事実上協力してきたことまで追及しなきゃアカンのだが、脳死日本にはそんなことはもはや到底不可能。↓>
 「・・・安倍の地元である山口県下関市は、教団の創設者・文鮮明が早大留学のために日本に来て、初めて足を踏み入れた“聖地”である。父・晋太郎の時代から仕えた筆頭秘書が教団の担当で、信者たちも事務所に出入りしていたそうだ。
 国葬よりも、安倍家3代の解明が急務だ・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E6%97%A7%E7%B5%B1%E4%B8%80%E6%95%99%E4%BC%9A%E3%81%8C%E7%8F%BE%E5%9C%A8%E3%82%82%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%AE%8B%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E7%90%86%E7%94%B1-35%E5%B9%B4%E5%89%8D%E3%81%AB%E3%81%AF%E7%AD%91%E7%B4%AB%E5%93%B2%E4%B9%9F%E3%81%AE-%E6%9C%9D%E6%97%A5%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AB-%E3%81%8C%E5%BE%B9%E5%BA%95%E8%BF%BD%E5%8F%8A-%E5%85%83%E6%9C%A8%E6%98%8C%E5%BD%A6/ar-AA10SQMP?ocid=msedgntp&cvid=99c18a7893ab4492b8e6ea08001be616
 <こういった見方も、繰り返しになるが、一種の論点ずらしなのであり、岸カルトにあっては、岸信介時代から、基本的にずっと変わってない、と見た方がいいのさ。↓>
 「・・・旧統一教会は安倍氏の祖父の岸信介元首相と関係を築き、安倍氏自身ともつながりがあったようだ。自民党は政権復帰する2012年より前の野党時代、宗教団体の票をより頼りにするようになったのだろう。農協などの従来の支持勢力の弱体化も背景にあった。二度と野党に転落したくない思いから選挙で票を取ることが、最重要課題になっていたのだ。・・・
 先輩議員は旧ソ連や左翼に対抗するためには危うさを抱える勢力さえも抱き込もうとしたが、冷戦構造の崩壊後に緊張感を失った。小選挙区制度への移行に伴い後輩議員は集票運動に忙殺され、誰を味方にするとどんなリスクがあるのか、想像できなくなっていたのだろう。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/40b1f96dba2ccf232811c6cecd9b6eba41179c97
 <同じく。↓>
 「・・・小泉首相は政権につくと「構造改革」を掲げ、公共事業費を大幅に削減、道路公団や郵便、郵貯、簡保の郵政3事業を民営化し、地方自治体への補助金をカットした。これら小泉改革の標的にされたのは、建設業界、特定郵便局長会などいずれも清和会と敵対していた当時の最大派閥・旧経世会が利権を持つ業界ばかりだ。
 その手法はまさに政敵の粛清だった。自民党内の造反で郵政民営化法案が参院で否決されると、小泉氏は衆院を解散して反対派議員に刺客候補を立てて落選させ、当選した議員には離党を強要して排除した。
 元建設官僚で自民党参院幹事長を務めた脇雅史・元参院議員(旧経世会OB)が言う。
 「小泉さんは権力闘争は得意だが、キチンとした政策論がないまま人気取りで改革を進めた。例えば、公共事業にしても骨太の方針でいきなり公共事業不要論に持っていった。その結果、本来必要な事業までいらないと印象づけられ、日本の公共事業、インフラは世界的に見ても遅れてしまった。最近になって国土強靭化で再びインフラ強化に取り組んでいるが、まだ遅れを取り戻せていない。小泉さんの改革はあくまで権力闘争の道具で、経世会を弱体化させ、清和会を強くする発想でしかなかった」
 清和会OBの伊藤公介・元国土庁長官が振り返る。
 「小泉さんの“自民党をぶっ壊す”という言葉は、結果的に経世会をぶっ壊すということになった。小泉さんがやろうとしたのは、自民党の支持基盤である各種団体の陳情を聞き、数の力で政治をする経世会の派閥政治の手法を変えることだったが、郵政民営化で経世会が弱体化してかわりに清和会が数を握ると、その清和会が数の力で政治を支配するようになっていった」
 旧経世会との権力闘争に勝利した清和会は党内のヘゲモニーを握ったが、小泉改革は建設業界、郵政、農業票など自民党の伝統的支持基盤そのものを弱体化させ、高い支持率を誇った小泉氏が退陣すると、基礎票を失った自民党の力は急速に衰えて民主党への政権交代を招く。
 そして民主党政権の失政で安倍氏が首相に返り咲いたとき、自民党の支持基盤はすでにガタガタになっていた。安倍氏の生い立ちと安倍家の政治的系譜を描いた『安倍晋三 沈黙の仮面』の著者で政治ジャーナリストの野上忠興氏が語る。
 「安倍元首相は再登板してから国政選挙で6連勝したが、実は、自民党の得票総数はほとんど増えていない。かつての自民党の伝統的支持基盤が戻っていないことを示している。それでも選挙に勝ったのは野党が分裂、弱体化した結果です。安倍政権は壊れてしまった支持基盤を補うために、選挙で旧統一教会の集票力に頼らざるを得なかった。父の晋太郎氏と同じことをしたわけです」・・・」
https://news.livedoor.com/article/detail/22711252/
 <なお、こう↓いうレベルの話は、岸カルトや自民党のみならず、ほぼ全政治屋共通。↓>
 「・・・世論の盛り上がりを受けて政治の力で旧統一教会を解散してしまうと、「他の宗教ともズブズブだぞ」という指摘が相次いで、自民党として収拾がつかなくなってしまう恐れがあるのだ。 
 「こういう社会のムードなので誰も言いませんが、宗教にのめり込んで一家が崩壊するとか、神様やバチをちらつかせて商売をするなんて問題は、旧統一教会に限っただけの話ではありません。どこの宗教団体とまでは言えませんが、信者に対して仏罰が下ると脅して、献金・集金活動に従事させているようなところもある。一方で自民党としては、選挙になると、そういう熱心な信者がいる宗教団体を“票田”としているので、この問題をあまり深く掘り下げたくない」(・・・自民党国会議員)・・・」
https://biz-journal.jp/2022/08/post_312844.html
 <ケセラセラ。↓>
 「岸田首相、リセット狙い裏目に 旧統一教会問題、強まる逆風・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/8ddfd34aac4506371e9f0f46e11508f6570a9b59
 <やるねえ。↓>
 「・・・招待されてもいないのに、パーティー会場に押しかけて飲み食いし、迷惑行為に及ぶ人物を“パーティー・クラッシャー”と呼ぶという。 「統一教会の広報担当者は有名ホテルのロビーをうろつき、ホテルのその日の催しを見て、大使館主催のパーティーに勝手に来ていました。大使と握手やハグしている写真や動画を連れの女性に撮らせ、SNSにアップするのです。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/d40311431440e412a213adf4330271ca6607c285
 <だから↓、韓国の主要メディアも、もっと取り上げなさい!>
 「・・・韓国CBS ソン・ジュヨル記者 「旧統一教会が感じている危機意識は(創始者の)文鮮明が亡くなった時よりも深刻なようです。(教団)内部の人もそう話していました。一般的に韓国では、旧統一教会は、お金をたくさん持っている宗教だと認識されています。(安倍元総理の)銃撃事件を通して「お金は日本の信者たちから流れ込んでいた」と知られるようになり、韓国国民に「うさん臭い」と思わせるきっかけになりました」 さらに、このデモは日本へ向けたメッセージの方が強いとも言います。 ■韓国CBS ソン・ジュヨル記者 「旧統一教会が全世界にネットワークを持てたのは、日本の資金が大きな役割を果たしたからだとみられ、日本の拠点が無くなると旧統一教会を維持することが難しいという危機意識があると思います」」
https://news.yahoo.co.jp/articles/30141315087d93fcf921114591e3761ee5c3b019
 <岸カルトの宗教両翼中、国産の方は、どこでも一応うまくやってるっぽいね。↓>
 「・・・統一教会は“過去の遺物”でも、創価学会は今でもフランスで活動を続け、多くの人々が“セクト”として認知しているという。 「フランスに住み、『私は仏教徒です』と説明する人は、かなりの確率で創価学会の信者です。それほどフランスでは浸透しています。市民レベルでは、かなりの人が、学会をセクトと見なしています。しかし、以前から『(創価学会は)セクトではない』という立場をとっていた知識人に加え、日本で連立与党の一翼を担っているということを利用したロビー活動によって、政治家に食い込んでいます」
https://news.yahoo.co.jp/articles/61132367f2cd5be18d092c383c2d111b1af34365

 ウクライナ問題。↓

 <露軍兵士よナンマンダブ。↓>
 Russia Now on ‘Defense,’ Ukraine Can ‘Pick Where They Attack’・・・
https://www.newsweek.com/russia-now-defense-ukraine-can-pick-where-they-attack-hertling-1735426
 <あーカワイソー。↓>
 U.S. Is Sending More Weapons to Ukraine, This Time to Aid Counterattack・・・
https://www.nytimes.com/live/2022/08/19/world/ukraine-russia-news-war
 <でも因果応報ってやつだな。↓>
 「「兵士は家畜扱い」「囚人は生殖器を切られ…」 除隊したロシア兵が明かした戦場の現実・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/9c6d9e8dd85f8c3de618efcb2ab71e0e65120369
 <中身ゼロやわ。呆れた。↓>
 「【元外交官が解説】ロシア国民が「強いリーダー」を強烈に支持するワケ・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/2ab8a6f8252ac5c134494c1df611bfcdd81869f9
 <ウクライナ問題が世間に射出したヒト。↓>
 「小泉悠・・・」
https://globe.asahi.com/article/14696970?iref=comtop_Globe_01
https://globe.asahi.com/article/14697008
https://globe.asahi.com/article/14697039

 それでは、その他の記事の紹介です。↓

 実に仕事に精励するコンサルタントだなあ。↓

 「元理事、五輪延期の追加協賛金でAOKIに便宜か 1億円→1千万円・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/bcf6527df6d7057461e2ce273832dd1cfd591d90
 <無償コンサルティングもするんかい。↓>
 「元理事 AOKI以外も仲介 東京五輪汚職スポンサー選定 職務裏付けか・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/3908e27c85ac0c85154b8a71d919325ee003e127
 <商法には詳しくても公務員法には詳しくなったってことのようで。↓>
 「AOKI側、コンサル契約「五輪も見据えて資産管理会社と」…元理事への資金提供隠す意図か・・・」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220820-OYT1T50340/

 岸カルトによって自民党内に取り込まれた「左」の一例。↓

 「古賀誠氏、憲法9条堅持訴え 「自衛隊明記の必要ない」・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E5%8F%A4%E8%B3%80%E8%AA%A0%E6%B0%8F-%E6%86%B2%E6%B3%959%E6%9D%A1%E5%A0%85%E6%8C%81%E8%A8%B4%E3%81%88-%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A%E6%98%8E%E8%A8%98%E3%81%AE%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%AA%E3%81%84/ar-AA10S64V?ocid=msedgntp&cvid=d62d49c420c24b63be2e96a0c68eb8a3

 ただただ、対GDP比2%を埋めるためだけのお買い物。↓

 「長射程ミサイル、「反撃能力」1000発以上の保有検討…中国との数の格差埋める狙い・・・」・・・
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220820-OYT1T50270/

 日・文カルト問題。↓

 <健闘を祈る。↓>
 日本で人口15万人の小都市にまで進出した韓国のスーパーマーケット–100%韓国の食料品だけを販売しているが客のほとんどは日本人・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/08/19/2022081980114.html
 <バイデン政権、まだムダ金を使う余裕があるらしい。↓>
 「日韓の国会議員、8月末にワシントンで「合宿」、最悪の関係改善目指し米国務省が招待・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b899743-s39-c100-d0059.html

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <そもそも、日中関係、全然悪くないのに、フランスまで騙されてるのね。↓>
 「「大きな溝」残るものの、国交正常化50周年に際して関係改善模索の動きも―日本・中国・・・フランス国営系メディアのRFI・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b899852-s25-c100-d0198.html

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太田述正コラム#12948(2022.8.21)     
<岩井秀一郎『最後の参謀総長 梅津美治郎』を読む(その7)>

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