太田述正コラム#2149(2007.10.27)
<大阪とんぼ帰り紀行(その1)>
1 始めに
 明28日(日)に関東圏と沖縄を除く全国で放映される、大阪の讀賣テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」に録画出演するために、昨日とんぼ帰りで大阪に行ってきました。
 切符が送られてきて、生まれて初めて、新幹線のグリーン席に乗って落ち着いたと思ったら、すぐTV局だか新聞社から電話がかかってきて、携帯で話をしていたら、車掌(客室乗務員?)の女性に怖い顔をされて、デッキの方角を指さされて慌てました。
 それからも次々に電話がかかってきて、貴重品の入っていたカバンを抱えて座席とデッキを何度往復したことか。
 どこの誰からかかってきたのか、今となってはほとんど思い出せませんが、記憶に残っているのは、一人の女性記者(TV局だったように思う)と話していて、私の直近の非公開コラムをFAXででも送ってくれないか、と言われたことです。
 もちろんお断りしたのですが、そんなに関心があるのなら、一期限定で有料会員になればいいではありませんか。バックナンバーをすべて差し上げると謳っているはずです。
 日本では記者の皆さんまで情報はタダだと思っているのでしょうかね。
 それにしても、ブログへの訪問者数はやたら増えても、有料読者が全然増えないのは困ったものです。
2 TV番組初出演の顛末
 10月22日に届いた番組企画は次のとおりです。(有料読者にはお知らせ済。)
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放送日時:10月28日(日) 午後1時30分~3時00分(90分)
※関東圏・沖縄以外でネット放送されています。
【出演者】※敬称略
司会:やしきたかじん・辛坊治郎(読売テレビ解説委員)
パネラー:三宅久之(政治評論家)・橋下徹(弁護士)・宮崎哲弥(評論家)・
桂ざこば(落語家)・田嶋陽子(元参議院議員)・山田まりあ(タレント) 
谷澤忠彦(弁護士)・原口一博(民主党衆議院議員) です。
【テーマ案】
? 防衛省の「ここがいかん!」 ~守屋元防衛次官、証人喚問へ~  
? 法律の抜け穴をなくせ!  ~闇の求人サイトは止められないのか?~ 
? 今週のニュース・芸能 まとめ
?テーマのゲスト出演になります。
2001年に出版されました「防衛庁再生宣言」。もう5、6年前から太田さまが直言していたことを、今改めて直言して頂きたい。
 今まで、我々ふくめマスコミは何をしていたのか!?民主党も今まで何をしていたのか!?
 どうすれば、防衛省もよくなるかも、もちろん議論していきたいと思います。
 是非とも、ご協力ください!よろしく
 お願いいたします。
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 すごい企画でしょう。
 25日には、「スタジオで流れるVTR台本」というのが、メール送付されてきました。 その中に以下のくだりがありました。
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◆国会
 明日の守屋氏の証人喚問では、野党が「山田洋行」とのゴルフ接待問題だけでなく、インド洋での燃料の転用疑惑についても質問することになっている。
◆民主党
 民主党にとっては、千載一遇のチャンスのはずなの
だが…
◆小沢一郎代表
 小沢代表の二つの政治団体が、「山田洋行」から、合計600万円の献金を受けていたことが明らかに。小沢氏の事務所は、「献金は全額すでに返還した。山田洋行とのおかしな関係はないが、誤解を招かないよう返還することにした」としていますが・・・相変わらず、民主党は「間が悪い」…?
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 ちゃんと読んでいただけましたか?
 この程度のことは、当然、他の出演者、特に常連出演者にも伝えられていたはずですよね。
 さて、新大阪に着いたので、新幹線を降りようとすると、降り口で、この番組の常連出演者の原口一博民主党衆議院議員にばったり出っくわしました。
 初対面ですが、原口氏の顔はTVで拝見していたし、一緒に出演するので、こちらから名刺を出して挨拶することにしました。
 その時、「本日番組でご一緒させていただく者です。2001年の参院選で民主党から比例区で出て落選した太田です。小沢、東と民主党も大変ですね。これじゃ民主党の方が自民党より先に壊滅しかねないじゃないですか」と語りかけたところ、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしたので、私は仰天すると同時に、「どういうことですか?」と聞いてくるに違いないと思ったら、別の人の顔を見つけたのか、そちらの方へ行ってしまいました。
 タクシーで讀賣TVに到着し、喫茶室内に設けられた私の席にすわっていると、制作会社の担当者(女性)が現れたので、「原口さんに山田洋行と小沢・東の話をしたけど、意味が分からなかった見たいですよ。あんなことで大丈夫なのですか」と伝えたところ、「ぜひその話、番組の中でしてください」と言うのです。
 この担当者が席をはずしてからしばらくして原口議員が私の所へやってきました。
 太田:「原口さん。小沢・東と私が言った時、訳が分からなかったようですが・・・。」
 原口:「・・・。ああ、東祥三のことですね。祥三までおっしゃらないから・・。ところで、太田さんは陸海空のどちらですか。例の給油の話で、補給艦の油の調達先が随契で固定化されている問題についてちょっと教えていただきたいのですが。」
 太田:(またまた呆れて)「自衛官OBは普通こんな番組には出席しないものなのですがね。私は守屋と同期の元内局キャリアですよ。」
 原口:「それはどうも。それにしても、20万ガロン、80万ガロンの話はひどいですね。」
 太田:「そうおっしゃるけど、防衛省のこれまでの国会答弁なんて、そもそも全部ウソですよ。数字の間違いなんて大した話じゃありません。」
 そこへ、また先程の女性が現れたので、「東京のTV局や新聞社の記者は、いまだに、「太田さんは守屋さんの同期だそうですね。守屋さんについておたずねしたいのですが」と切り出してくるんですよ。私は、そんな記者には、まず、「今頃私にそんなことを言ってくるとは、何てセンスが悪いんだ」と叱ることにしてます。」
 原口:(大声で)「<私に対してもそうだったが、>自分のことは他人は全部知っているのが当然だ、というあんたの方がおかしいよ。」
 太田:(ははあ。私が守屋と同期だということが今頃分かったのかと記者を叱っているものと勘違いしているなと思いつつ、)「英国の下院議員の数は、人口割にすると日本の4倍くらいの勘定ではあるけれど、そこいらのおじさんおばさんみたいな感じで、実に腰が低い。彼らはまさに一般市民と同じ目線で物事を見ているんです。それに比べると日本の国会議員はおかしい。先生、先生、何てね。」
 原口:「・・・・。」
 太田:「ところで、山田洋行と小沢・東の話には・・<中略>・・Sコネクションもちらついているのです(コラム#2146:非公開)。
 原口:「はあ。そうだったんですか。」
 太田:「いずれにせよ、早く小沢一派を始末しなければダメですよ。」
 原口:「・・・・。」
 私は、原口さんには大成して欲しいと心から願っていますが、この際、少々厳しいことを言わせてもらいます。
 石破防衛相から商社介在不要答弁を引き出した(原口議員本人の言)国会での活躍等はご立派ですが、防衛省を攻めるつもりなら、自衛官は(私のように)防衛省(庁)の審議官にはなれないことになっている等の最低限の常識はわきまえていて欲しいものです。
 このこととも関連しますが、この種の番組に出演するなら、ゲスト出演者のプロフィールに目を通したり、番組内容をきちんと把握しておくのは、これまた最低限の要請でしょう。
 実際には、私は番組の中で、小沢・東の話にはあえて触れなかったけれど、もしこの話が突然出て、鳩が豆鉄砲を食らったような顔を原口さんがして、それを他の常連出演者達が咎めたりしていたらエライことになっていたかも・・。
 
(続く)
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太田述正コラム#2150(2007.10.27)
<防衛省不祥事報道に思う(続x7)>
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