太田述正コラム#2429(2008.3.18)
<皆さんとディスカッション(続x88)>
<NTT Food Company>
 日本の安全保障は、アメリカによって護られているが、それは日米安保という軍事同盟に基づくものであって属国の根拠にはならない。米軍基地は欧州などの他国にも有る。
 他方、支那は、日本国内の思想信条の自由(歴史認識)、教育行政の自由(教科書検定)、信教の自由(靖国問題)等、これら日本が主権を有する内政に干渉し圧力を加え続けており、日本はもはや支那の属国と言える。
<ケンスケ2>
独立する意志もない人々に、今更どこそこの属国と言われてもねえーー。
そんなことウン十年前から百も承知していますって事で。
それでも平和に、戦争に巻き込まれずに生きてきてますし。
たまたま運が良いだけでしょうけど。
ウンウン。
運鈍根。それが成功の秘訣ですから。
 ・・・
現在のチベットの姿が、明日の日本の姿なのかも知れませんね。
中国の属国になるというのは、こういうことなんですから。
<revenger@kt>
中華の属国になるくらいなら、アメリカの51番目の州になったほうが遥かにマシ。
むしろ、「大統領選挙に影響力が出るなら、進んでなりたいくらい」と思うくらいだね。
<ひん>
 岡崎さんなどは、戦後体制の擁護者で、見返りに戦後体制に庇護されているとのことでした。しかし、若いうちでしたらいざ知らず、もう岡崎さんはお金を稼がなくとも良い年齢に達しているわけですよね?(普通、若いころにしっかり老後の資金はしていますよね?)そうであれば、もう庇護されなくともよいわけですから、戦後体制を擁護する活動はしなくてもいいのに・・・と思ってしまいます。
<太田>
 そうですよね。岡崎さんが都心の一等地に「岡崎研究所」という看板をかかげ、何名もの役員や研究員を抱え、その理事長としてご活躍されなければならないことに、心底ご同情を禁じ得ません。
 岡崎研究所とは規模が違うし、研究活動はその活動のほんの一部に過ぎませんが、日本財団も、競艇からのあがりという「浄財」を「活用」する使命を帯びておられるわけで、そのご苦労のほどがしのばれます。そう言えば、同財団には、わが「愛する先輩」である秋山昌廣元防衛事務次官も一時お世話いただいてましたね。
 私は、シンクタンクの意義は大いに認めていますし、その活動に資金が必要であることとも関連してシンクタンクが党派性を帯びることもおかしいとは思いませんが、米国のような文字通りの二大政党制の下では問題のないことが、日本のような恒久政権の下では問題になりうる、と思っているのです。
 実際、日本では反体制側には見るべきシンクタンクが存在していません。資金が確保できず、情報が無償で与えられることもないからです。
<fuyuneko>
 チャンネル桜の視聴者です。
>皆さんは私よりずっと前から言挙げをしてこられたわけだが、何も変わってないじゃないですか。方法が間違っていたのですよ
 この発言の後の空気が非常に面白かった。心の底では思っていることを第三者に言われてしまったという感じがしました。
 同じ思想同士が集まっての議論は所詮自慰行為です。最近の桜はそんな感じがしていました。最終目的「日本よ、独立国となれ!」は同じですので、是非ともまた桜に出演して頂ければと思います。
<安保>
 メルマガを通じてお返事を頂き感謝します。
 その感想を書かせてもらいます。
 当方は、25年生まれ、一庶民です。
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→そりゃあなたの感想でしょう。画面ちゃんと見てました?(太田)
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↑ちゃんと見てました。そりゃあなたの感想でしょう・・・ね(お互い)
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>  また、危険のない場所に、カネのかかる自衛隊を派遣するなど愚の骨頂です。
>  なお、メディアは国民感情の代弁者です。(太田)
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 太田さんの論では、「自衛隊をことごく世に貶め、日本人の覚醒を図る」というように感じましたが・・・ならば、愚の骨頂こそ貴方の思う壺なのではないですか?
 私は愚の骨頂どころか、大いに価値がると思っています。
 危険のない場所に自衛隊が軍服を来て最新の装備で世界にその姿を晒す。
 そして見かけは軍隊でありながら治安維持も出来ず、海外に派遣されても尚他国軍隊に自らの存在を保護される。
 その無常とも言える存在で尚、意気軒昂その任務達成の為に勤める。そして、例え不幸にもテロリストに無残にも抵抗することなく自衛隊員が惨殺されても、それでも尚且つ、自衛隊は乱れることなくその責務を堂々と果たしえれば・・・。
 日本の世も少しは覚醒し、いや覚醒せずとも、我が日本国自衛隊は世界の人々には冠たるものとして、評価されると信じます。
 その価値は、貴方の言う金銭に置き換えるものではありません。
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→「ソ連の脅威」がなかったというのは事実です。
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 まず脅威という定義が貴方と私と、いや貴方と世間一般では違うような気がします。
 日本固有の領土を占領されながら脅威と思わないのが不思議としか言いようがありません。
 話し合うことも拒否する隣家の住人が、自分の土地に強引に塀を建てようとし、又建てて「これはワシの土地やから・・」と言い張っているのが、脅威ではないのでしょうか?
 国内においては法治国家として最後は正当な結果に落ち着くのが普通ですが、世界においては全てを含めた「力」関係しかありません。
 そして「ソ連の脅威がなかった」・・・ソ連軍の日本本土上陸という脅威なら、これは現場の一自衛官とて百も承知だったと思います。幹部なら尚の事でしょう。
 それでも組織は巨大化を目指す。それも当然です。
 ソ連の脅威など関係なく、自衛隊は更に強くを目指します。それは米国と比較して・・・です。
 それも国家として正しき道です。富国強兵こそ国家の第一目標なのですから。
 それに、ジェンダーフリーなどに多額の予算を計上するより余程国益に適います。
 軍隊(自衛隊)というのは武力を持って国家を守るだけではなく、国民の精神的支柱にもならなければなりません。
 戦後、吉田ドクトリンの為に、日本は商人国家の道をひた走り、今の属国日本があるわけです。
 商売人(経済界)に政治家もメディアも牛耳られ、商人道すら放棄したグローバル商人が日本を牛耳る構図になっています。
 そんな日本で、子々孫々の為にも日本精神・伝統を守るのは・・・。
一、皇室伝統
二、自衛隊(軍隊)
三、拉致被害者家族たちの毅然とした姿勢
 この三つだと思います。
・・・・・・・
> →月刊雑誌では「諸君」や「正論」等がずっと前からあり、結構売れているのに
> 対し、TVではパートタイムのチャンネル桜だけしかないというのに、それが変化
> のあかしですって!?(太田)
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 それくらい戦後の吉田ドクトリンによる商人国家の“豊かさ”は頑強な壁なのです。
 人間誰しも楽が良い、豊かで平和であれば属国には目をつぶろう、
 日本の誇りも名誉も・・・あってもなかっても、そこそこでも良いじゃあないか
 この一般大衆の意識を変えるには、並大抵ではないことが戦後60年を経てやっと少し気が付いたその程度が現実だと思います。
 国民の意識を変えるのは遅々たるものです。それが豊かさという巨大な壁です。
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> →本当は「啓蒙」されたがっておられると拝察します。
>  早く楽になりましょう!(太田)
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 例え貴方の論が百万倍正しくとも、貴方には啓蒙されませんよ。
 何故なら、全ては「人」なのです。
 「文はひとなり」「言葉はひとなり」です
 貴方は自衛官を蔑み貶めて日本人を覚醒させようとしています。
 武力集団でありながら手足を縛られ、品行方正を求められ、他国の軍隊に保護される。
 その大いなる矛盾を抱え葛藤し、苦悩している集団こそが自衛隊です。
 その軍人の心情を察することの出来ない人間に日本の防衛など語る資格はないです。
 生意気の数々お許し下さい。
<太田>
 お疲れ様でした。
 しがらみから身を解き放ち、fuyunekoさんのように目を啓くこと、かつ私の事実の指摘・開示に耳を傾けることに心がけられた上で、あなたがそのエネルギーをより生産的なことに用いられることを願って止みません。
 
<車一郎>
 –日本の右派・左派について–
 はじめまして。
 私はCSを契約していないので、チャンネル桜の討論番組は見ていないのですが、日本の右派・左派ともに太田さんの仰る縄文人なので、ちぐはぐな意見の食い違いになるのではないでしょうか?
 左派は「日本に脅威がないので軍隊が必要ではない」と自己中心的な考えになり、一方、右派は「日本に脅威がある」と誤認のもと、自国防衛のためだけというこれまた自己中心的な目的のために「軍隊が必要である」という結論になっているのではないでしょうか?
 そして、右派・左派ともに共通するのが「軍隊」というのは「自国のためだけにある」という認識で、そもそも太田さんの「軍隊」の概念と異なるのではないでしょうか?
<太田>
 自分が当事者だと、なかなか客観的な分析ができないものです。
 すばらしいヒントをありがとうございました。
 顧みれば、私も「軍隊」というのは「自国のためだけにある」という認識・・現在の国際システムの下では事実の指摘だと言ってよいでしょう・・なのですが、何が「自国のため」なのか、つまり何が国益なのか、についての認識が日本の「左」翼や「右」翼の人々とは異なっているということだと思います。
 ご指摘の通り「左」も「右」も縄文人なのでしょう。縄文人は鎖国志向なのですから、彼らの国益概念が著しく狭くても不思議ではありません。
 つまり彼らは「情けは人のためならず」、あるいは「大欲は無欲に似たり」といったことわざの真の意味が分かっていない人々なのではないでしょうか。
 では、「左」と「右」の違いは何か。
 戦後日本においては、「右」とは権力を掌握し続けてきた人々であり、「左」とはそれ以外の人々であるというだけのことであり、双方とも吉田ドクトリン信奉者である点では違いがありません。
 この結果、「右」はしがらみが大きいので、腐敗・退廃の程度が高く、「左」はしがらみが小さいので腐敗・退廃の程度が低い、という違いが生じています。
 だからこそ、どちらかと言えば私は「左」の方と話が合うのでしょう。
 いや話が合うのは、単に彼らの腐敗・退廃の程度が低いからだけではないはずです。
 私が「左」の方により親近感を覚えるのは、弥生人たろうと努めている私が、彼らの間に、「右」に比べてより多く隠れ弥生人を見出しているからに違いないのです。
 
<ぱお>
 太田さんは人とのコミュニケーションが苦手なのですか?
 わざと不愉快な思いをさせる言い方されてるのかなぁ。
 なんかもったいないですね。
<太田>
 ご心配いただき恐縮です。
 そこのところは、名前「述正」に免じて諦めて下さい。
<バグってハニー>
 –コラム#2424(2008.3.15)「買春で辞職したNY州知事」(未公開)–
 ちょっと、バランスをとる必要があるかなと思って・・。
>ここ15年というもの、それまで単婚的(monogamous)と思われていた動物の大部分が浮気(科学用語では、番(つがい)外性交=extra- pair copulations=EPCs)をすることが分かってきた。つまり、動物の殆どは社会的単婚・・雄と雌による番と子育て・・だが、性的単婚は希だということが判明したのだ。
実際には動物のほとんどは多婚性(polygamous)で、そうではない少数派の単婚性の動物でもEPCsが見つかってきた、ということですね。たとえば、哺乳類の中で単婚性なのは3-5%とされています(Kleiman, D. Monogamy in mammals. Q. Rev. Biol. 52, 39-69 (1977). )。ただ、単婚性の動物がいるということは、その動物には脳になにやら夫婦・つがい間の絆(pair bonding)を司る機構が備わっているということであって、最近熱心に研究されています。
北米中西部プレーリーに棲むハタネズミの一種Microtus ochrogaster
http://en.wikipedia.org/wiki/Prairie_vole
は、相手が死んでも他の異性に乗り換えることがほとんどないという特異的な単婚性を示す動物モデルとしてよく研究されています(ただし、この種にもEPCsはあります)。つがうことによってpair bondingの形成が促進されますが、それにはオキシトシン(メス)、バソプレシン(オス)、ドーパミンといったホルモン、伝達物質が利用されている経路が関わっているということが分かってきました。
この結果がどれくらいヒトにも当てはまるのかはまだよく分かっていないのですが、授乳中の女性の脳ではオキシトシンが分泌され、それが母子間の愛着形成に重要であることはすでに知られています。ヒトは他の哺乳類と違って授乳していなくても乳房が肥大化しており、なおかつ乳房や乳首に対する刺激は人間の性行動の一部であることを考えると、そのような性行動が夫婦間の絆を形成するのに役立っていることは十分に考えられます。
http://www.nature.com/neuro/journal/v7/n10/abs/nn1327.html
<太田>
 訂正していただき、感謝します。
 学者のくせに、
It’s clear that social monogamy — physical association and child rearing between a male and a female — and sexual monogamy are very different things. The former is common; the latter is rare.
http://www.latimes.com/news/opinion/la-oe-barash12mar12,0,4401296.story
なんて、誤解を与える文章を書くなと言いたくなります。