太田述正コラム#2572(2008.5.27)
<皆さんとディスカッション(続x146)>
<kaiware>
≫ラスパイレス指数で全都道府県中最低にするなんてのは、ひどい副作用を起こす可能性がありますよ。≪(コラム#2570。太田)
 では、橋本知事はどうすべきだとお考えなのでしょうか?
 無理はせずに、財政問題は先送りを続けた方が良いと言う事ですか?
<太田>
 かなり事例は異なるけれど、例えば
http://www.asahi.com/national/update/0526/TKY200805260336.html
(5月27日アクセス)
が参考になります。
 この茨城県国民健康保険団体連合会のケースのように、職員の新規採用を中止したり、臨時職員・派遣職員に切り替えるなんてことは、大阪府の職員の大部分が警察職員と教職員じゃできませんよね。こういうことができない職員を対象に給与カットを行うことには自ずから限界があるということです。
 また橋下氏は、人件費の圧縮や事業(財サービス購入、補助金等)の圧縮・・ここまでは聞こえて来ている・・のほか、府に入る地方税の増額・・聞こえて来ていない・・を行うべきでしょう。
 有権者(納税者)の大部分が拍手喝采する財政再建なんて、そもそもおかしいと思いませんか?
<メイプルプー>
 日々の活躍、応援しています。
 もう、本当に愚問でしょうが、教えてください!
 あれほど諸外国にしゃしゃり出ていくアメリカですが、 なぜ、四川の救助活動をしないんでしょうか?
 中国が拒否しているからとの、解答じゃない解答を教えてくださいますか?
<太田>
 自らお答えになっているので、質問を変更しましょう。
 (なぜ中共が米国による救助活動を断ったのか? 偵察衛星で核施設等を徹底的に見張られている上に、諜報要員が紛れ込んでいるに違いない米国の救助隊がやってくれば、核施設や少数民族に関する地上情報を収集され、たまったものではないからでしょう。)
 「米国人が四川大震災にこぞって寄付をしているという話が聞こえてこないが、一体どうしてか?」です。
 それは、米国人が「寄付疲れ(donor fatigue)」ないしは「災害疲れ(disaster fatigue)に陥っているからだということのようです。
 2004年のアジア大津波の時は、米国人は19億2,000万ドル寄付しました。
 (その8ヶ月後の米国でのハリケーン・カトリーナ災害の時は、53億ドル寄付しましたが、これは国内の話なので、必ずしも参考にはなりません。2006年に米国人の寄付総額は2,950億ドルであったところ、その4%弱しか外国への寄付は占めていない。)
 ところが、8万人死んだ2005年のパキスタンの大震災の時は、わずか1億5,000万ドルの寄付にとどまりました。
 それよりもはるかに多い、少なくとも13万人が死亡したところの、5月2日発生のミャンマーのサイクロン大水害には、5月19日現在で、わずか1,210万ドルの寄付しか集まっていないことから、最終的にパキスタンの大震災の時の額程度に達すれば御の字だと考えられています。
 5月12日発生の四川大震災向けの寄付についてはまだ集計がなされていませんが、最終的にもミャンマーの大水害同じような結果に終わるだろうと考えられているのです。
 「寄付疲れ」ないし「災害疲れ」の原因として挙げられているのは次のとおりです。
一 ミャンマーも中共のどちらについても、独裁国家であることへの反発があること。
二 寄付がきちんと使われるかどうか懸念があること。
三 このところ米国の経済が思わしくないので、財布の紐が固くなっていること。
四 ミャンマーも中共の四川省も米国から遠く離れていること。
五 被害者の数が余りに巨大であるため目を背けたいという心理が働くこと。
六 ミャンマーの場合、軍政当局が、被災地域での取材を規制しているため、寄付意欲をかき立てるような映像に米国民が接していないこと。(この点は、四川大震災は事情が異なる。)
 (以上、
http://www.timesrecordnews.com/news/2008/may/25/disaster-fatigue/
(5月27日アクセス)による。)
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。「アングロサクソン研究」「キリスト教」は殊に興味深く拝読いたしました。金曜日社から出版予定の御著書、楽しみにしております。
 御著書を近辺の大型書店(八重洲ブックセンター、神田三省堂)で探したのですが、在庫がないとのことで、申し込み致します。
<太田>
 拙著の手元在庫はまだ結構ありますが、ひょっとして今年中に完売か?
 ありがたいことです。
 30日の深夜25時20分~28時20分(31日の早朝)、テレビ朝日の「朝まで生テレビ!」に私が生出演することはご存じだと思いますが、あのチャンネル桜にまた出演することになったのでお知らせしておきます。
タイトル:
「闘論!倒論!討論!2008 日本よ、今...」
1 テーマ:
「どうなる!?東アジア軍事情勢」(仮題)
 四川大地震等、激動の中国の今後を見ながら、東アジアおよび米国、ロシア等の軍事情勢について議論する。
2 収録日時:
6月4日(水曜日)
3 放送予定日:
前半:6月5日(木曜日)夜8時~9時30分
後半:6月6日(金曜日)夜9時~10時00分
(スカイパーフェクTV!241Ch. 日本文化チャンネル桜)
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太田述正コラム#2573(2008.5.27)
<「朝生」のあらまし>
→非公開