太田述正コラム#3121(2009.2.27)
<皆さんとディスカッション(続x411)>
<親衛隊員>
 太田様、いつも楽しく拝読しております。
 私の拙い投稿を掲載してくださり有難うございます。
 前回の投稿の中で引用した文献のタイトルが誤っていましたので訂正いたします。【誤・「5人の金日成」 → 正・「4人の金日成」】です。単純なミスですがお恥ずかしい限りです。なおこの本は改訂版が出ており「金日成は四人いた」と改題されています。この改訂版は文庫化もされています(ワニ文庫・KKべストセラーズ)。この本の中には元公安調査庁長官で、朝鮮総連本部をめぐる詐欺事件の被告だった緒方重威氏のご尊父がインタビューの対象として登場します。満州国最高検察庁の検事として抗日運動(朝鮮独立運動を含む)の取り締まりに従事していたようです。親子二代の検事ということらしいです。
 余計なお喋り失礼しました。  
<ηαζ>(http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1196337365/l50x
 おーたんの云う、官の構造的機能不全さが おいらも昔公務員だったことがあるので
よ~~~く判る。 組織は腐敗するっつー公理だな。
 組織の中枢が、現場を全く知らないことによるドタバタ…通常の民間ではおよそ考えもつかない事が多々ある。
 恒常的なパワハラ、足抜けなんぞ出来ない 脈々と過去から蓄積された数々の(癒着・天下りだけでない)スキーム。
 タテのものをヨコにするだけの単純なことでさえ 大きな労力がかかるお馬鹿な世界だもの、当然仕事なんぞする気が失せる。
 最初は大きな志をもって拝命するも、鵺のような組織にいつのまにか取り込まれ、鮮度を失い劣化していく者のなんと多いことか。
 それが嫌で、エンガチョきったのよね…腐った鯖のような目をして生涯を送りたいとはおもわないもんな。
<おさ>
 <コラム#3014「イスラエルのガザ攻撃(続x3)」を読みました。>
 国のため、といって軍隊に行くのと、実際に生きている人間に、ライフルを向けて撃つのでは、かなり違いがあるそうです。
 アメリカでは銃を持つ機会が多いせいか、銃口を人に向けるのは絶対だめ、というのが一般の人にも浸透しているようです。グアムなんかのシューティングレンジでも、日本人がつかうブースの銃は、ワイアーで横に向けられないようにしてたりしますから。
<αηζ>(http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1196337365/l50x
 下僚はそう言わざるをえないとかw <(コラム#3119参照)>
 オバマが直に発言しない限り逃げるつもりかよ
 いや、それだって本音ではないとか言い出すんだろうか
<太田>
 ここにも一匹迷える子羊がいるね。
 
 「・・・小沢<は、>・・・オバマ米大統領によるアフガニスタンへの米軍の増派計画について批判している。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20090227000028
なんて小沢発言を見ると、小沢もいいころかげんですが、在日米軍に関する小沢の発言は正しい。
 「・・・<小沢発言について、>河村建夫官房長官は記者会見で「米軍の駐留を第七艦隊に限定する考え方は非現実的だ」と切り捨てた。
 自民党各派閥の総会でも「小沢民主党政権が仮に実現すれば、わが国の安全保障は根底から覆される。日米同盟にひびが入る」(山崎派の山崎拓前副総裁)といった批判が続出した。
 小沢発言を次期衆院選の争点に位置付けるべきだとの主張とともに「なんともいいかげんな外交安全保障政策だ、と地元でも大いに取り上げてほしい」(町村派の町村信孝前官房長官)という声もでた。
 ・・・「防衛予算を三倍から五倍にでもしようかという勢いなのかもしれないが、乱暴な議論だ」(町村氏)・・・。
 伊吹文明元財務相は「日本の軍事力増強でカバーしていく発想なら、社民党がよく(小沢氏と)一緒に行動しているなあ、と思う」と、民主党と次期衆院選での選挙協力を行う社民党を挑発してみせた。」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009022702000081.html
 河村の言は立場上やむをえないし、伊吹の言は含みがあるけれど、山崎や町村の無知さかげんと買弁(=反日=反米)政治家ぶりに唖然とするほかありません。
 「・・・<小沢発言について、>民主党内でも真意を測りかねて困惑する声が続出。・・・」
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090227AT3S2602026022009.html
 具体的に民主党内のアホどもの名前を挙げてもらおうじゃないか。
 小沢発言を批判した政治家はみんなよーくよーく覚えておこうね。
 産経は、電子版としては一紙のみ、小沢発言を全面批判しました。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090227/plc0902270338004-n1.htm
 産経を始めとして、日本の「右」のメディアのほとんどは、買弁(=反日=反米)なんですよ。これもよく頭にたたき込んでおいてね。
 オバマ新政権の対日政策が次第にその輪郭を現し始めています。
 「・・・クリントン民主党政権時代の1996年、カート・ キャンベル国防次官補代理(当時)は、尖閣諸島を日米安保条約の適用対象とし、有事の際には米国の防衛義務が生じるとの見解を米政府高官として初めて示した。
 ブッシュ共和党政権1期目の2004年3月、中国の活動家が尖閣諸島に上陸した際にも、国務省副報道官が記者会見で「日米安保条約は日本の施政下にある領域に適用され、尖閣諸島にも適用される」との見解を改めて示した。
 ところが国務省は昨年12月以降、日本側がこうした見解の再確認を求めても、「領土問題は当事者間で平和的に解決するべきだ」と回答しているという。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090226-OYT1T01251.htm
 「米軍は日本の宗主国さまの軍隊なのであって、日本の傭兵ではない。尖閣などについては自分(自衛隊)で対処しろ」というメッセージを日本側に送っていると見るべきでしょう。
 「日本にやる気さえあれば十分対処できるはずだし、中共側がエスカレートしてきたら、当然琉球列島内のレーダーサイトや自衛隊基地を攻撃せざるをえなくなってくる、そうしたらさすがに在沖等の米軍だって出動するよ」ということ。
 「北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の改良型を日本に向けて発射すれば、ミサイル防衛(MD)システムで迎撃する検討を防衛省が始めた・・・
 MDによる対処は2段構えで、まず海上自衛隊のイージス艦がSM3で大気圏外で弾道ミサイルを撃ち落とし、失敗した場合は航空自衛隊が地上で運用するPAC3で迎撃する。・・・ 北朝鮮は24日、実験通信衛星「光明星2号」の打ち上げ準備を行っているとの談話を発表。人工衛星発射を“隠れみの”にテポドン2号改良型を発射してくる可能性が高いため、迎撃に向けた政治決断とともに、どちらの運用方式で迎撃を命じるかも今後の政府内の調整の焦点となる。」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090227/plc0902270153001-n1.htm
 これは、ニュースソースが漠然とした形ですら記されていない異常な記事ですが、本当の話である可能性が高いと思います。
 米国政府は、北朝鮮が、米国の大陸部(CONUS)攻撃を想定したテポドン2の発射実験を行ったらこれを迎撃すると公言しています(コラム#3091)が、その場合、日本にも迎撃に協力するよう求めているに違いありません。
 実験ではなく、実際に北朝鮮が米国を攻撃しようとした場合ですら、現在の憲法の政府解釈では、日本が米国のために途中で飛行中のテポドン2を迎撃することは集団的自衛権の行使にあたるのでできないことになっているのに、これを平時にやれというのですからムチャな話です。
 しかし、属国なら属国らしく、政府解釈に風穴を開けて、宗主国のために自衛隊の能力を使え、とオバマ新政権は日本に決断を迫っている、ということでしょう。
 その「核」実験後の対北朝鮮国連決議の枠を超えるかもしれない(典拠省略)けれど、同決議違反行為であることには間違いないし 第一、相手は日本人拉致を重ねたにっくき北朝鮮じゃないのって言われてるかもしれませんね。
 幸か不幸か、麻生首相は、政府解釈変更の必要性を主張している(コラム#3050)こともあり、政権延命のために米国の庇護を絶対的に必要としているところの、同首相を「脅迫」している、ということではないでしょうか。
 いかがですか。
 日本に最小限度のものしか与えず、徹底的に日本を利用しつくす、というオバマの対日政策はこのような恐ろしいものなのですよ。
 それが嫌なら日本は「独立」しなさい、というわけです。
 要は、吉田ドクトリンの破棄をオバマは迫っているわけで、属国として米国に尽くすか、「独立」して自分で外交・安全保障の基本を遂行するか、という選択を日本が突きつけられている、ということです。
<アルファ>
≫「・・・白洲<次郎>は、国際会議の場で日本の代表が英語を使用することにすら反対したことがある。・・・≪(コラム#3119。太田)
 「白洲が突然仕事を辞めて、鶴川村(現東京都町田市)に引っ込んだのは38歳のときである。だが、これはただの「隠居」生活ではなく、食糧不足を見越した疎開であり、また時代の命(めい)を待ちながら力を蓄えるための休息であった。」
http://www.asahi.com/english/weekly/column/pro.html
(白洲次郎が英国英語に込めたサムライ魂、より)
 私が見るビジョンでは、将来の日本の総理は、仮に小沢政権ができても短命内閣・・というふうに感じます。
 上記にあるように、時代の命(めい)があるとすれば、鳩山内閣が誕生する未来ビジョンもあり得ると感じます。
 鳩山氏は兄弟とも大金持ちなので、ダーティなカネとは縁がないしカネに縛られない思い切った断行ができるかもしれない、と私は思います。
 その時、やはり時代の命により太田さんに、軍事外交の専門顧問として、その頭脳と見識を生かしてもらえたら・・と希望的観測と独断と偏見を交えて、私は見ています。
<太田>
 在野の一評論家の方が向いてると思いますがね。
 なお、私は戦後の白州を、吉田ドクトリン成立の元凶の一人であると考えていることを念のため申し添えます(コラム#1457)。
 今度は、日本の菓子を絶賛するヨイショ記事が人民網に出ました。
http://j.peopledaily.com.cn/94473/6602356.html
 遠藤誉が、最近の中共当局の自由民主主義「攻勢」の対台湾プロパガンダとしての側面を描きました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090225/187292/
 コロンビアでゲリラの人質になっていた時のベタンクール(コラム#2647、2660、2668、2731)の行状を当時一緒に人質になっていた米国人等が批判しています。
http://www.nytimes.com/2009/02/27/world/americas/27betancourt.html?_r=1&hp=&pagewanted=print
http://www.guardian.co.uk/world/2009/feb/27/colombia-france
 私はむしろ、どんな境遇でもお山の大将になってしまう、というのは、彼女のすごいところだな、と思います。
 米国で次々に新聞が廃刊に追い込まれつつあります。BBCは、米国で全国紙が生まれる契機になるかもしれない、と指摘しています。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/7913400.stm
 退屈な会議に出たり、退屈な話を聞かされている時、何もしないよりは、落書きをしていた方が、会議や話の内容をよく記憶している、ということが判明しました。
http://www.guardian.co.uk/science/2009/feb/27/doodling-doodles-boring-meetings-concentration
 中年期に長時間働いている人ほど、痴呆症に罹り易いことが判明しました。
http://english.chosun.com/w21data/html/news/200902/200902270007.html
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太田述正コラム#3122(2009.2.27)
<ハーバート・フーバー(続)>
→非公開