太田述正コラム#3098(2009.2.15)
<バレンタインデー抄(その2)>(2009.3.27公開)
 (3)愛の科学
 「ヘレン・フィッシャー(Helen Fishe)が書いた”Why Him? Why Her?: Finding Real Love by Understanding Your Personality Type,”<のさわりをご紹介しよう。>・・・
 「性格(character)は、育った環境における経験を通じて形成される。
 <しかし、これだけで人の人格(personality)を説明することはできない。>残りの要素が気質(temperament)なのだ。気質は、親から受け継いだ生物学的諸傾向のすべて、すなわち人の感じ方、考え方、振る舞い方の一貫したパターンを子供時代の初期に出現させる諸特徴だ。
 気質はある人がある人であることの基礎なのだ」と彼女は言う。・・・
 <気質には、>探検家(Explorer)、建設家(Builder)、監督家(Director)、そして交渉家(Negotiator)がある。・・・
 これまでたくさんの研究が示すところによれば、我々は似通った社会的経済的バックグラウンド、同等の知性と見栄えの人々に惹かれる。・・・
 <しかし、こんなドンピシャな相手でも、愛するようになるのはその一部にとどまる。一体それはどうしてなのだろうか。>
 ドーパミン(dopamine)とノレピネフリン(norepinephrine)が多い人は冒険家だ。こんな人は、リスクをとり、柔軟でエネルギッシュで、自発的に物事を行い、ルーティンワークにはすぐ飽きてしまう。
 セロトニン(serotonin)が多い人は建設家だ。穏やかで、管理に長け、忠実で秩序正しく良心的だ。
 テストステロン(testosterone)は監督家を突き動かす。こんな人は負けず嫌いで、自己規律がしっかりしていて、往々にして他人に厳しく集中力が高く、システム<を動かすのに>長けている。
 交渉家は・・・人を信頼し、心が広く、他人のことを思いやり、理想主義的で、エストロゲン(estrogen)とオキシトチン(oxytocin)が多い。・・・
 探検家は探検家を好み、建設家は建設かを欲し、監督家と交渉家もまた、それぞれがあい惹かれ合うのだ。・・・」
http://www.latimes.com/features/books/la-et-whyhim14-2009feb14,0,5530570,print.story
(2月14日アクセス)
→フィッシャーは、米国の世界最大のインターネット出会い系サイトから2004年に研究委託され、最終的にこの本をまとめたものです。まだまだ眉唾だけど、血液型で相性を占うよりかは、はるかに科学的でしょうね。(太田)
 (4)同棲と結婚のはざまで・・フランスの新しい試み
 「・・・民事結婚(civil union)・・・同棲と結婚の中間形態<を認める>・・・民事連帯協定(Civil Solidarity Pact=PACS)<がフランスにはある。>・・・
 <PACSにおいては、通常の結婚同様>統合所得税戻入金<が認められ、>相続税も<同棲の場合より減免される>。・・・
 <また、>パートナーの一方または双方が文書でPACSを解消したいと裁判所に申し出れば、PACSは終わるが、どちらの側も他の側の財産や扶養料について要求することはできない。・・・
 PACSは10年前にフランスの当時の社会党政府によって導入された。・・・念頭にあったのは、同性愛者のカップルの結びつきを法律で認知するところにあった・・・。・・・
 <ところが、>・・・同性愛と異性間の結びつきを合わせ、導入初年の1999年には6,000組だったのが、2008年には140,000組を超えた。
 <今や、>結婚2に対し、PACS1の割合になっており、PACSカップルは50万組にも達していて、その数は着実に増えている。・・・
 PACSのうち異性の男女のものは、当初は42%だったが、昨年は92%に達した。・・・
 フランスで生まれる赤ちゃんの半分以上は、(PACSカップルから生まれるものを含め、)結婚していないカップルから生まれるに至っている。・・・
 <ちなみに、>PACSカップルで結びつきを解消するケースの6分の1は、結婚するためだ。・・・」
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/02/13/AR2009021303365_pf.html
(2月15日アクセス)
→少子化の解消を図る一つの方策として、PACSの導入を日本でも考えたらどうですかねえ。(太田)
(続く)