太田述正コラム#15229(2025.10.4)
<皆さんとディスカッション(続x6396)/映画評論445:アフターマス>

<太田>

 安倍問題/防衛費増。↓

 <これも、一種のステマだな。コロンビアの院だって、「偏差値的」には大したことないんだが、それはともかく、小泉坊やについて、日本における若年期の大学時代等の「天才的」挿話を聞いたことがないんだけどねえ。↓>
 「・・・小泉氏をよく知る議員は「進次郎が馬鹿だと言うなら、お前(記者)も馬鹿だ。あれ(の頭脳)は半端ねーぞ」と憤る。議員になってからたった16年で総理になる。今回の候補も東大ハーバードが3人もいたが、関東学院大卒が蹴散らそうとしている。”馬鹿”がそんなことをできるのだろうか。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/7182fad47bc557ba43b0c7457fd2bb2b42163db0?page=1

ウクライナ問題/ガザ戦争。↓

 <と言ったと思ったら・・。↓>
 「トランプ氏、ハマスにガザ和平計画受け入れの期限示す…日本時間6日午前7時・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97%E6%B0%8F-%E3%83%8F%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%81%AB%E3%82%AC%E3%82%B6%E5%92%8C%E5%B9%B3%E8%A8%88%E7%94%BB%E5%8F%97%E3%81%91%E5%85%A5%E3%82%8C%E3%81%AE%E6%9C%9F%E9%99%90%E7%A4%BA%E3%81%99-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%99%82%E9%96%93%EF%BC%96%E6%97%A5
 <すぐこれだ。ま、うまくいくとは思えないが・・。↓>
 「トランプ米大統領は3日、イスラム組織ハマスが条件付きで人質全員の返還に応じる声明を出したことを受け、「ハマスには永続的な平和に向けた準備があると信じる。イスラエルは直ちにガザの爆撃を止めなければならない」とSNSに投稿した。・・・」
https://digital.asahi.com/articles/ASTB364R8TB3BQBQ1N6M.html?iref=comtop_Topnews2_04

 妄想瘋癲老人米国。↓

 なし。

 それでは、その他の国内記事の紹介です。↓

 私が楽天で買ってるのはコーヒー生豆くらいだが、意外な形でお世話になってるのかもねえ。↓

 「・・・白黒をはっきりさせるベゾス氏の経営の中で、唯一の例外が日本だ。
 日本のEC市場の流通総額は14兆6760億円で、6兆8000億円の流通総額を持つアマゾンはシェア45%超で首位に立つ。しかし日本には楽天グループが運営する「楽天市場」があり、シェア40%(流通総額約6兆円)でアマゾンと拮抗している。二強に比べると小粒だがLINEヤフーが運営する「Yahoo!ショッピング」も10%超(同1兆7000億円)を持つ。
 米国、ドイツ、英国のように「圧倒的に支配」ができず、しかし中国のように「撤退」するのは惜しい。ECの巨人、アマゾンにとって、世界で唯一の「どっちつかず」の状態になっているのが日本なのだ。
「日本市場をなんとかしたい」というアマゾンの切なる思いは、同社での買い物の配送が無料になり、動画配信や音楽配信もついてくる「アマゾンプライム」の年会費の設定に如実に現れている。
 ・・・日本の年会費5900円は米国の3分の1以下で、英国、ドイツよりもはるかに安い。これでも日本の年会費は高くなった方で、二度の値上げを実施する前の2019年までは3900円だった。ある業界関係者は「楽天市場が存在しなければ日本の年会費も2万円だった」という。
 動画配信でNetflix、音楽配信でSpotifyなどと競っているアマゾンは、日本でも会費を値上げしてコンテンツ投資を増やしたいところだろうが、ECで楽天市場が頑張っているため思うように値上げできない。アマゾンにとって楽天は「目の上のたんこぶ」なのだ。・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%E3%81%82%E3%81%AE%E4%BC%9A%E7%A4%BE-%E3%81%8C%E3%81%AA%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%89%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%82%E5%B9%B42%E4%B8%87%E5%86%86-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AEamazon%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E5%B9%B4%E4%BC%9A%E8%B2%BB%E3%81%8C%E7%A0%B4%E6%A0%BC%E3%81%AB%E5%AE%89%E3%81%84%E7%90%86%E7%94%B1-%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B919000%E5%86%86-%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%8415000%E5%86%86/ar-AA1NPeyf?ocid=msedgntp&cvid=68e04c2742f748cbbc6f36cbecfaeb92&ei=82

 上野千鶴子女史、珍しくも、まともなこと言ってるね。
 但し、正解のある問題が得意な人が向いてるのが官僚制大組織で、そこでなら生き残れるけどね。↓

 「・・・社会学者の上野千鶴子さんは「東大生は正解のない問題が苦手だ。知識や正解を丸暗記するだけでは生き残れない」・・・
 東大の学生たちに、私が「これまで誰も答えたことのない問いを立ててごらんなさい」って言ったら、「やったことないからどうすればいいかわからない」と答えが返ってきました。そういう教育を受けてこなかったからです。・・・
 東大は私立の中高一貫校出身の男子学生が4分の1ほどを占めるようです。彼らは、これまで正解のある受験勉強のスキルを磨いてきた子たちです。今は、こうした勉強が効果を発揮するような入試制度になっています。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f7d9224453d38d7db41e9de3aedf7a7c04cf27ea

 日・文カルト問題。↓

 <本件で日本を引き合いに出すことを許す。↓>
 「日本でオーバーツーリズム深刻…韓国も対策急務=ネット「質より量では国民が迷惑」・・・韓国メディア・マネートゥデイ・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b961556-s39-c30-d0035.html

 そもそも、フランスは、その歴史を通じ、一貫して統治不全だったんでは?↓

 Why France is at risk of becoming the new sick man of Europe・・・
https://www.bbc.com/news/articles/cvg9n6vr2eyo

 印欧語族の歴史についての分かり易い説明だ。↓

 Hindi, Greek and English all come from a single ancient language–Extinct PIE tongue was spoken somewhere in Eurasia as many as 8,000 years ago, long predating the advent of writing systems・・・
https://asiatimes.com/2025/10/hindi-greek-and-english-all-come-from-a-single-ancient-language/

 へー。↓

 「【太陽系は200万年前に星間雲を突き抜けていた?】地球の氷河期は冷たい星間雲の通過により発生したか・・・」
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/cee9b2f3dd4a25ae022defd4a934f30b8ce466e1

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 なし。

 一人題名のない音楽会です。
 ショパンのバラード小特集です。

Chopin’s Ballade No. 4 – The Lost Manuscript (First-Ever Full Reconstruction & Recording) ピアノ:Matthew Cates 11.32分 ←こんなのがあったとは初耳!
https://www.youtube.com/watch?v=a86nqBqLemQ

Chopin Ballade No.1 in G minor Op.23 Jazz version 編曲・演奏:高木里代子トリオ 6.24分
https://www.youtube.com/watch?v=aX8NfdylPus&list=RDaX8NfdylPus&start_radio=1

Ballade No. 1 in G Minor, Op. 23 編曲:Nicolas Worms 弦楽四重奏団: Smoking Joséphine 11.01分
https://www.youtube.com/watch?v=gSAwOKrkdTY&list=RDgSAwOKrkdTY&start_radio=1

Chopin’s Ballade No. 1 for Orchestra 編曲・MIDIオケ:Timothy Schmidt 11.27分

https://www.youtube.com/watch?v=PB2VpxBlo3M&list=RDPB2VpxBlo3M&start_radio=1

 
          –映画評論445:アフターマス–

 今回の「『アフターマス』(Aftermath)は、2017年に<米>国で公開されたドラマ映画<で、>2002年7月に起きたユーバーリンゲン空中衝突事故後に発生した殺人事件を題材にした作品で<、>・・・主演はアーノルド・シュワルツェネッガーが務めた」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%B9_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
は、これまた、シュワちゃんは好演だが、映画そのものは暇つぶしになる程度。
 この殺人事件は、私もかすかに記憶があるが、まず、衝突事故の方は、「2002年7月1日の21時35分(UTC)に、バシキール航空2937便(機体:Tu-154M、乗客60人 – 大半は子供 – と乗員9人が搭乗)と、DHL611便(機体:ボーイング757-23APF、パイロット2人が搭乗)が、ドイツ南部の都市ユーバーリンゲンの上空で衝突した航空事故である。衝突によりバシキール航空機は空中分解し、DHL機は機体破損のため操縦不能状態に陥り、 両機とも墜落し、両機に搭乗していた71人全員が死亡した」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%B3%E7%A9%BA%E4%B8%AD%E8%A1%9D%E7%AA%81%E4%BA%8B%E6%95%85
というもので、殺人事件の方は、「2004年2月24日には事故により家族を失った遺族が、事故時に<スイスで>航空管制を担当していた管制官を捜し出して殺害した」(上掲)ものだ。
 具体的には、「事故の直接の原因となったデンマーク人航空管制官の個人情報は裁判では秘匿され、管制官の職を辞して転居して名前も変えていたが、2004年2月24日にスイスのチューリッヒ郊外の自宅で刺殺された。被疑者として、ロシア連邦バシコルトスタン共和国出身の建築士ヴィタリー・カロエフが、逮捕された。この事故により、ヴィタリーは妻と2人の子供を同時に亡くし、事故から刺殺事件を起こすまでの2年間は自宅に居る事に耐えられず、ほとんどの時間を自分の家族の墓の前で過ごしていたという。そのため、ヴィタリーは心神耗弱が認められ、スイスの法廷は2005年10月26日に懲役8年を宣告した。その後スイスの刑務所で服役していたが、2007年に刑期を短縮、釈放されてロシアへ帰国した。」(上掲)
 しかし、それからの話が、ある意味、それまでの話以上に凄まじい。
 ’Returning to his home in North Ossetian city of Vladikavkaz, Kaloyev was met with enthusiastic crowds who cheered him as a hero. Members of the youth movement Nashi displayed a banner which read: “You are a real man” in Ossetian.
 Vitaly Yusko, a member of a Russian organisation dedicated to helping the relatives of air crash victims, stated that “Kaloyev is a hero. Those guilty of causing air crashes often remain unpunished. Such a radical punishment is the only way to make them carry responsibility for their crimes”. Many Russians appeared to share his sentiments, and believed that Kaloyev committed “a heroic deed avenging for the death of his family.” The positive reaction and appointment in Russia were met with a negative reception in Switzerland.
 I don’t really take offense at people who call me a murderer. People who say that would betray their own children, their own motherland… I protected the honor of my children and the memory of my children.
 He’s nobody to me. He’s nobody to me. He was an idiot and that’s why he paid for it with his life. If he’d been smarter, it wouldn’t have been like this. If he’d invited me into the house, the conversation would have happened in softer tones and the tragedy might not have happened.
— Vitaly Kaloyev
 The Swiss government asked Kaloyev to repay the costs of his imprisonment, about US$157,000. Kaloyev has refused to do so. When Kaloyev travelled to Germany to attend the 10th-anniversary memorial, he was detained by German authorities, saying that he was on a Swiss watch list. Russian consular authorities protested the detainment. The Germans released Kaloyev after Russian diplomats agreed to accompany him.
 In his native North Ossetia, Kaloyev was appointed Deputy Minister of Construction of the Republic. He held this post until 15 January 2016, when he retired, receiving the highest state award by the local government, the medal “To the Glory of Ossetia”, on his 60th birthday. The medal was awarded for the highest achievements, improving the living conditions of the inhabitants of the region, for educating the younger generation and maintaining law and order.
 Kaloyev remarried more than a decade after the air tragedy, in approximately 2012 or 2013, to a woman named Irina Dzarasova, who was an engineer at OAO Sevkavkazenergo. On 25 December 2018, Irina gave birth to twins: a boy and girl.’
https://en.wikipedia.org/wiki/Vitaly_Kaloyev 
 モンゴルの軛症候群なんてものにロシア人が罹るのはロシア人だからこそだ、と、言いたくなるような後味の悪過ぎる結末に、ただただ、暗澹たる気持ちにさせられる。
 もちろん、筋を米国内で完結させているこの映画は、そんな結末にはしていない。

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太田述正コラム#15230(2025.10.4)
<岡本隆司『中国」の形成』を読む(その7)>

→非公開