太田述正コラム#15255(2025.10.17)
<皆さんとディスカッション(続x6409)/映画評論458:テルマ>

<y/ky8v1.>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 以下はあくまで現時点(2025年)での情勢分析と専門家の見解をもとにした一般的なシナリオ分析です。↓
       –米軍撤退後の日本と中国の関係を考えるポイント–

  1. 米軍駐留の抑止力
     現在、日本に駐留しているアメリカ軍(特に沖縄など)は、中国や北朝鮮など近隣国に対する「抑止力(deterrence)」として機能しています。この抑止力が消えると、東アジアの安全保障バランスが大きく変わるのは確実です。
  2. 中国が日本に「軍事進攻」する可能性
     現実的には、全面的な軍事進攻の可能性は非常に低いと考えられます。理由は以下の通りです。↓
     国際的な反発・経済的損失:中国の最大の貿易相手の一つは日本。戦争を起こせば経済制裁・資本流出・国内混乱を招く。日本の自衛力の高さ:日本は憲法9条の制約がありつつも、世界でも上位の軍事技術・装備力を持つ国です。特に海上自衛隊・航空自衛隊は非常に強力。核抑止と米国との関係維持:仮に米軍が撤退しても、日米安全保障条約自体を日本が破棄しない限り、米国が日本を支援する政治的・軍事的関係は残る可能性が高い。
  3. より現実的なシナリオ
     もし米軍が撤退した場合、中国が取る可能性がある行動は「直接侵攻」よりも、以下のようなグレーゾーン的圧力です。↓
     尖閣諸島周辺での海警船・軍艦の活動増加。サイバー攻撃・情報操作(プロパガンダ)。経済的圧力(輸出入の制限など)。台湾有事で日本を牽制する形の軍事演習や威嚇。
  4. 日本の対応次第
     もし米軍が撤退した場合、日本は次のいずれかの方向に進む可能性があります。↓
     自主防衛の強化(再軍備・核議論の再燃)。欧州やオーストラリアとの新たな同盟関係の構築。外交的中立化(スイス型)を模索する動き。
  5. 結論(要約)
     米軍撤退=ただちに中国の侵攻、ではない。しかし、中国の圧力や挑発行動が強まる可能性は高い。日本は安全保障政策の大転換を迫られる。

⇒相変わらず全く太田コラムへの言及がないのはまことにもって困ったことながら、根本的に問題なのは、前提となる法の観点からの基本的な場合分けを行った上で軍事的議論を行っていないことです。
 すなわち、まず、集団的自衛権行使を解禁するのか否か。
 また、日米安保を維持するのかしないのか。(維持する場合、駐留なき安保にするには、集団的自衛権行使を解禁した上で安保条約の改正が必要になるが、すぐ下で言及する話も絡み、米側が改正に応じず、安保が解消されてしまう可能性もある。)
 更に、朝鮮国連軍地位協定への加盟を続けるのか同協定から脱退するのか。(維持する場合、集団的自衛権行使解禁を前提に、日本が朝鮮国連軍そのものに入るのか否か。)
 こういった前提いかんで、話は丸っきり違ってきます。(太田)

<DQlsE8PM>(同上)

 長文書き込む前に半年くらいかけて太田コラム読み込め。
 いかにアホな質問と予測をしてるか解るから。
 今更何十周遅れの質問をしてんだよ、そりゃ太田さんに質問に答えないって言われるわ。
 バカの俺ですらこんな書き込み恥ずかしくて出来んぞ。

<太田>

 安倍問題/防衛費増。↓

 <基軸となる思想/世界観を持ち合わせてないからそういうことになる。↓>
 「「一貫性がまったくない」吉村洋文氏 自民と連立協議スタートで指摘される「1年半前の発言」との矛盾・・・」
https://news.livedoor.com/article/detail/29792737/
 <Let’see.↓>
 「自民との連立協議で維新・吉村代表 議員定数削減に「僕は譲らない」・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E8%87%AA%E6%B0%91%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%80%A3%E7%AB%8B%E5%8D%94%E8%AD%B0%E3%81%A7%E7%B6%AD%E6%96%B0-%E5%90%89%E6%9D%91%E4%BB%A3%E8%A1%A8-%E8%AD%B0%E5%93%A1%E5%AE%9A%E6%95%B0%E5%89%8A%E6%B8%9B%E3%81%AB-%E5%83%95%E3%81%AF%E8%AD%B2%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84/ar-AA1OCsu9?ocid=msedgntp&cvid=68f169a6779943ef83277a53d02ab7f1&ei=15

ウクライナ問題/ガザ戦争。↓

 <ついに、プーチン、白旗か?↓>
 「トランプ氏、プーチン氏と「2週間以内に」ハンガリーで会談 ウ停戦巡り・・・
 ゼレンスキー大統領は・・・トランプ氏がウクライナに巡航ミサイル「トマホーク」供与の可能性を示唆したことには触れ、ロシアはトマホークの話を耳にした途端、対話の再開に積極的になったようだと述べた。」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f4997bed0acc8d63b50d8e701573942aa6e38dc0
 <見苦しい。↓>
 India casts doubt on Trump’s claim Modi will stop buying Russian oil・・・
https://www.bbc.com/news/articles/c8eykdy0567o

 妄想瘋癲老人米国。↓

 なし。

 それでは、その他の国内記事の紹介です。↓

 桑原志織、進藤実優の御両名が11名のファイナリストに入った。↓
https://www.youtube.com/watch?v=C9StOjJg94g&pp=ugUEEgJqYQ%3D%3D
 牛田智大さんにこれまで言及しなかったのは、甲乙つけがたかった上出お二人に比べて、曲の解釈が平板だったからだが、三次予選では、演奏制限時間の超過もあったが、そもそも選曲ミスであり、名曲をもっと入れなきゃアカン。
 (なお、私が視聴し始めたのは二次予選からで、しかも、視聴したのはこの日本人3人だけだ。)

 日本のクマがこんな形で世界デビューするとは。↓

 Bears kill seven people in Japan this year as attacks hit record high・・・
https://www.bbc.com/news/articles/cj41vn9q81ko

 島津氏/近衛家の目論見通り、幕臣達の文官化、腐敗化が進行していたわけだ。
 大塩が日蓮宗信徒であった(コラム#14200)ことを改めて指摘しておく。
 大塩と島津氏/近衛家との接点がなかったことは、大塩個人にとっては不幸だったけれど、島津氏/近衛家にとっては、あらゆる意味でよかった、と言えそうだ。↓

 「・・・大塩平八郎・・・は・・・大坂・・・東町奉行・跡部良弼(よしすけ)・・・のみならず、その建議書によって歴代奉行の不正をも告発していた。通説では、平八郎と良好な関係だったとする西町奉行・矢部定謙(さだのり)も、与力らの横領の事実を秘匿し、口封じのためか、関与した商人を牢屋(ろうや)で殺害したというのだ。
 平八郎が告発したのは歴代奉行だけではなかった。
 建議書を送り付けた幕府老中らの不正行為も糾弾。不正な「無尽」に老中大久保忠真(たださね・小田原藩主)らが関与していたという。無尽というのは講を組んで掛け金を出しあい、クジなどで配当を受け取る仕組みだが、企画した忠真らに法外なカネが配分されている疑惑があった。
 つまり平八郎は、コメ騒動に関係した跡部の不始末よりも、歴代奉行から中央政府の要人(老中ら)に至る不正行為を問題視していたわけだ。
 しかも、この建議書はすぐ幕府には届かなかった。平八郎が大坂の飛脚問屋から発送した建議書は、乱後、大坂奉行所の者がその事実を知り、飛脚問屋に大坂への返送を命じたのだ。江戸で開封されずに大坂へ差し戻しとなった建議書は、運んでいる最中に飛脚が持病に襲われ、たまたま顔見知りの人足が現在の三島市(静岡県)周辺を通りかかったので彼に荷物を託すが、その人足が金目のものと勘違いし、盗んでしまう。結果、建議書は路傍に散乱した状態で見つかり、伊豆韮山代官・江川英龍が回収。幕府に届けられる。
この建議書がたどった数奇な運命からも、平八郎が告発しようとした当時の政界に潜む闇の深さが窺(うかが)える。」
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E5%A4%A7%E5%A1%A9%E5%B9%B3%E5%85%AB%E9%83%8E-%E4%B9%B1%E3%82%92%E8%B5%B7%E3%81%93%E3%81%97%E3%81%9F%E7%9C%9F%E3%81%AE%E7%90%86%E7%94%B1-%E8%83%8C%E6%99%AF%E3%81%AB%E3%81%82%E3%81%A3%E3%81%9F-%E6%94%BF%E7%95%8C%E3%81%AE%E9%97%87-%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%AE%B6-%E8%B7%A1%E9%83%A8%E8%9B%AE%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E5%81%89%E4%BA%BA-%E8%A3%8F-%E7%B4%A0%E9%A1%94/ar-AA1OyuG5?ocid=msedgntp&cvid=13e18f5c57fb414dd3bef544a8a0aa23&ei=19

 日・文カルト問題。↓

 <よろしい。↓>
 「「韓国人として恥ずかしい」…日本の名所・竹林を台無しにした“ハングルの落書き”・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/339869
 <日韓交流人士モノ。↓>
 「韓日財界が国交正常化60年記念フォーラム 環境・少子化などで協力強化模索・・・」
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20251016002600882?section=japan-relationship/index

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <ご愛顧に深謝。↓>
 「「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」中国公開が決定!ネット民「うれしいサプライズ」と歓喜・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b962185-s25-c30-d0201.html
 「サンリオ×黒ミャクミャクの新作グッズに中国ネット騒然「勘弁してよ」「萌えは正義!」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b962104-s25-c30-d0201.html
 <健闘を称える。↓>
 「大阪万博・中国パビリオンが「タイプA」展示デザイン部門で金賞、中国外交部がコメント・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b962211-s6-c10-d0190.html
 <総体継受、進捗中。↓>
 「「日本にはもう行かない」ガッカリ体験告白も、中国ネット「国内の方がひどい」「どっちが利己主義か」・・・中国のSNS・小紅書(RED)・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b962131-s25-c30-d0052.html
 <片面的日中交流人士モノ。↓>
 「<サッカー>伊東純也のブラジル戦の突破が話題=中国ネット「アジア人の爆発力」「三笘も危機感」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b962183-s25-c50-d0052.html
 <謝謝。↓>
 「<サッカー>「日本は今世紀初めてブラジルを破ったアジアの国」、中国メディアが絶賛・・・」

https://www.recordchina.co.jp/b962102-s25-c50-d0052.html

 
          –映画評論458:テルマ–

 今回の「『テルマ』(・・・Thelma)は、2017年のノルウェー・スウェーデン・デンマーク・フランスのホラー映画<で、>ヨアキム・トリアー監督、エイリ・ハーボー主演」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%9E_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
https://eiga-watch.com/thelma/ ←筋
で、佳作。
 ハーボー(Eili Harboe。1994年~)は、ノルウェーの美人女優で無学歴。
https://no.wikipedia.org/wiki/Eili_Harboe
 この『テルマ』と次回取り上げる『スマイル』は、私見では、どちらも魔女映画だ。
 「魔女(まじょ、英: witch、仏: sorcière、・・・)とは、古いヨーロッパの俗信で、超自然的な力で人畜に害を及ぼすとされた人間、または妖術を行使する者のことを指す。・・・
 告発された人は女性とは限らなかった。裁判記録に基づく統計によれば、西欧ではおおむね女性が多い傾向にあったが、北欧では男性の方が多い地域もあった。多くの地域で犠牲者は貧しい下層階級の人々が多く、高齢の女性が多い傾向にあった。・・・
 「出エジプト記」の中で、律法を述べた22章第17節には、「女呪術師を生かしておいてはならない」ということが記されている。この女呪術師のヘブライ語はメハシェファ(mekhashshepheh)で、呪術を使う女と解されている。この箇所が『欽定訳聖書』(1611年)では「魔女(witch)を生かしおくべからず」と翻訳され、魔女迫害の正当化の根拠として引き合いに出された。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%94%E5%A5%B3
 上掲から分かるように、魔女という概念は、キリスト教の産物であり、殺されなければならない対象だ。
 今回の『テルマ』の方は、主人公は敬虔なキリスト教徒であるところ、自分が魔女であることを知っている両親のうち、自分を殺害する教唆をしただけの母親の方は恩恵を与えてこの殺害意思を弱めて生かし、自分を殺害未遂した父親の方は殺害することで、生き延びることに成功するという筋だ。

 その父の殺害方法が焼死なのは、「焚刑(火あぶり)が多く見られた…魔女裁判<で>・・・有罪<とされた者の>・・・処刑」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%94%E5%A5%B3%E7%8B%A9%E3%82%8A
に倣ったものだ。
 なお、日本は、非キリスト教国であることもあり、魔女とは無縁だが、幽霊や妖怪の類には、一、恨みや憎しみを抱えて亡くなった者、二、社会的な地位の低い「社会的マイノリティー」、三、共同体の外に住む「アウトサイダー(異人)、の三種類あるところ、このうち、二に関してだけは、女性が圧倒的に多い。
https://www.savag.net/many-ghost-females/
 私の仮説は、魔女が、女性の「社会的な地位の低い」キリスト教国で生まれたものであるのに対し、日本では、女性の「社会的な地位」が高いからこそ、男性の妬み嫉みを生んで一や三ではないもう一つの幽霊や妖怪の類を生んだ、というものなのだが・・。

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太田述正コラム#15256(2025.10.17)
<Morris, Marc『The Anglo-Saxons: A History of the Beginnings of England』を読む(その2)>

→非公開