太田述正コラム#3334(2009.6.14)
<皆さんとディスカッション(続x515)>
<φφΑΑ>
 太田さん、逐一回答してください深謝です。
≫食習慣や好みの違い・・・当時の台湾人が臭ったのは事実≪(コラム#3332。太田)
 その発想はなかったわ。史料批判ですなあ。さすが。
≫「民衆による」差別に関しては、朝鮮人差別について書かれた本を論駁したことがあります(コラム#失念)≪(同上)
 10分ほど探してみましたが、見つかりませんね。
<太田>
 コラム#2685でした。(同じ内容のコラムがそれ以前にもあったはずです。)
 それからしばらくの間、いくつかのコラムで本件関連の記述がなされています。「朝鮮人」で検索をかけてみてください。
<φφΑΑ>
≫これが事実だとしたら紛れもない差別、しかも公的な差別ですが、ちょっと考えられないですねえ。記憶違いでは?≪(コラム#3332。太田)
 気に掛かったようですので、詳しく起こしときますね。情報提供として。
 「私の入った皮膚科の高橋教授、あれは非常に良かった。助教授の人が…こう言っちゃ具合悪いけどね。言っても良いと思いますけどね…病室の回診で学生たちを連れて、こう歩き回るでしょ、そしたら、台湾人の患者を見たらオミット。診ない。回診でね。平等に扱えば良いのに、台湾人の患者は見向きもしない」
*史料批判とは
 「歴史学では通常、その当時に直接の関係者によって作られた文書を一次史料、伝聞や後から書かれた回想録、証言(証言は普通、後から思い出して語るものであるから)などは二次史料、というように区別する。歴史学では一次史料の収集を重視するが、一次か二次かというのは史料としての信憑性の差ではない。たとえば太平洋戦争中の大本営発表は、その発表文自体は一次史料であるが、内容がうそだらけであることは言うまでもない。ただ太平洋戦争の戦闘の実態を解明するうえでは大本営発表はほとんど役に立たないが、軍の世論誘導についての研究にとっては欠かせない史料である、というように観点の違いによって、その史料が持つ意味と重要性は変わってくる。
 史料はいずれも、他の史料と比較し、その当時の社会状況などを勘案して、史料としての価値、信憑性を判断する、史料批判という手続が必要である。」
http://www32.ocn.ne.jp/~modernh/paper33.htm
<太田>
 どんな分野でもヘンな人はいるってくらいの話じゃないですかね。
 なお、病院での回診ってエライ先生の顔見世興行でしょ。
 もともとの担当の医師は別途いるわけだし、もっとエライ教授の先生は立派な人だったようなので、実質的に差別を受けたってことにはならないのでは?
<けんちゃん>
 戦時中の台湾における公的差別についての投稿がありましたが、ご参考までに朝鮮では、タクシー、市内電車の運転手は朝鮮人でしたが、日本国有鉄道の運転手は必ず日本人でした。これも公的差別だったと記憶しております。随分と差別はあったはずですが、残念ながら中学生だったので、具体的には他の職業については良く覚えておりませんが、日常生活には随分と差別が有ったのは事実です。
<太田>
 日本国有鉄道というのは、日本(内地)の国有鉄道の、あくまでも戦後の呼称ですが、それはともかくとして、戦前の朝鮮半島の鉄道の経営主体には、朝鮮総督府鉄道局(鮮鉄)、南満州鉄道北鮮鉄道管理局、私鉄があったようであり、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%B8%E5%8C%97%E7%B7%9A
どれを指しておられるのでしょうか。
 後の2者での「差別」があったとしても、それは必ずしも公的差別とは言えないでしょう。
 また、仮に鮮鉄の話だとして、あなたのそのご記憶は確かでしょうか。
 というのは、「・・・新炭里駅・・・で日本語の堪能な老人に会った。78歳の老人は、戦前、日本占領下の朝鮮鉄道で機関士として働いていたという。・・・」という記述
http://www.furutachi-project.co.jp/sakka/got/data/ch023.html
を見つけたからです。
 ご存じだと思いますが、機関士は機関車の運転手のこと
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%A1%B4%D8%BB%CE
であり、戦前の朝鮮半島では(いや内地でも)、まだほとんど電化はされていなかったはずですよね。
 (どうでもいいけど、たまたま出っくわした、現在の韓国の鉄道事情に関する
http://whhh.fc2web.com/ktx/byuwan.html
、ムチャ面白かったです。)
<太田、お前バカだろ?(笑)>
≫それはおっしゃるとおり。だけどそんなことあったり前だろが。≪(コラム#3332。太田)
 はい負けを認めたわけだね(笑)
 「あったり前だろが」って「ボクチャン何も説明できましぇーん」って言ってるに過ぎないわけだからね(笑)
→キミ、根性がねじ曲がってるだけじゃなく、アタマもにぶいとは、取り柄皆無じゃね。
 不可能を承知で一応言っとくけど、以下、書くことを何度も読んで理解しようと努力すんだよ。
 「戦時に軍隊生活をした人がそれを懐かしむのは、人間は戦争そのものが大好きだからなの。」が主たる説明で、以下は支那等に係るつけたりの説明なんだな。
 (なお、細かいようだが、「支那等」の「支那」には「満州」は入ってないからね。)
 さて、「人間は戦争そのものが大好き」って命題だって、戦争が嫌いな人間、中にはいるはずだから、例外はあんの。
 ここまでいいかい。
 同様、「日本軍兵士は、やはり人間が大好きな虐殺、強姦、略奪をさんざんやらかした」って命題の方も例外があるの。
 (なお、「虐殺、強姦、略奪をさんざんやらかした」は「虐殺、強姦、略奪の少なくともいずれかをさんざんやらかした」という趣旨だからね。)
 要するに人間に関する命題はすべて例外があるが、そんなことは「あったり前だろ」と言ったってわけさ。(太田)
≫満州は、ノモンハン事件等を除き、ソ連軍侵攻まで平和だったの。そんな所じゃ、犯罪的志向のあるような奴以外は「虐殺、強姦、略奪」なんてやらないの≪(コラム#3332。太田)
 そんな誰でも知ってることを説明してくれなくてもいいよ(笑)
→「平和じゃない所では、人間は大好きな虐殺、強姦、略奪に勤しみがちだ」っていう私の命題の正しさは認める、ということじゃね。いい子だねー。(太田)
 太田君が「虐殺強姦」をやったからみんな軍隊にプラスのイメージを抱いて復員してきたとか珍説を述べたわけだけど、その珍説は間違ってたことを自ら認めたわけだ(笑)。
→アタマのにぶいキミみたいな子のために出血大サービスで繰り返してあげよう。
 人間は戦争が大好きだから、それを軍隊の一員として実際に経験したところの「大部分の」日本軍兵士のうちの「ほとんど」は、いい思い出をもって日本に復員してきたわけだ。これに加えて、支那等では日本軍兵士の「ほとんど」が「虐殺、強姦、略奪の少なくともいずれかをさんざんやらかした」から、いい思い出のボーナス付で日本に復員してきたってわけさ。
 支那で日本軍の将校だったボクのオヤジが、何度もるんるん気分で「体験談」を幼いボクに語った話、前にコラムに書いたことあるけどね。(太田)
 何しろたくさんの日本軍がいた満州なんかじゃ虐殺強姦はなかったって認めたわけだから(笑)
→ソ連軍侵攻時点じゃ、関東軍(在満州日本軍)は形骸化しており、大部分の兵士は抽出されて他の戦域に送られてたって知らないの? まさかね。(太田)
 あと強姦やシンガポール陥落時の虐殺は確かにあったが太平洋戦争を通じて「頻発」って言えるほど起こってたって統計か何かあんの?あるなら出してよ(笑)
→死刑を含め、厳しく処罰された米軍でさえ、ノルマンディー上陸作戦の時だけとっても、フランスの一般住民に対する虐殺、強姦、略奪がかなりの頻度で起こったって事実を最近のコラムに書いたぜ。
 いわんや、自軍兵士による虐殺、強姦、略奪に甘々だった日本軍においてをや、ってことよ。(太田)
 なんか意味不明なよそのサイトばかり並べてるけど、ネットばかりに頼ってるとバカになるよ(笑)
 あ、もうバカだったね(笑)
→日本語のサイトや本だけに頼ってる方がバカになるぜ。
 仕方なくボクは、英語のサイトに主に、そしてたまに英語の本に、もっぱら頼ってて、日本語のサイトは補充的にしか使ってないんだな。
 ついでに言っとくけど、ボクの東南アジアにおける日本軍による虐殺、強姦、略奪の種本は、以下の2冊だよ。
・Christopher Baily & Tim Harper, Forgotten Armies–The Fall of British Asia, 1941-1945
・Max Hastings, Nemesis: The Battle for Japan, 1944-45(コラム#2127)
 こういう本から引用せずに、日本語サイトから引用するのは、キミ達の便宜を考えてのサービスなんだぜ。(太田)
≫こんなことほざいてるヒマあんなら~書評子の悲痛な疑問に答えてあげたら? さぞかし迫力ある答えを用意してることだろうて。≪(コラム#3332。太田)
 そんなの人それぞれの性格によるとしか言いようがないだろ(笑)
→そうじゃなくて、キミのアタマのにぶさ、つまりは「能力の限界によるとしか言いようがない」ってことだろが。(太田)
 勝手に「悲痛な疑問」とか悲痛がってる太田君がバカ(笑)
→「疑問」に答えようとする人がいたからこそ、世の中は進歩してきたの。バカは、答えようとせず、また答えようとしたところで答えられないキミのことさ。(太田)
 ところでさ、サイトを一通り拝見しましたが、もしかして防衛省という権威に頼らないと何も出来ない方なんですか(笑)
→「一通り拝見」してくれたのならエライけど、「防衛省」に「権威」がある(?!)とは吹き出しちゃったな。太田コラムをまるで読んでないのがこれだけでバレバレだぜ。(太田)
 もう防衛庁はとっくにご退職なさってるんですよね?
 古巣の防衛省の人も迷惑してんじゃないですか?(笑)
→プ! 防衛省(庁)に迷惑をかけるため(=そのショック療法のため)にも退職したに決まってるだろ。(太田)
 そんなことだから選挙も落ちるんじゃないですか?(笑)
→天下りしないためにはいつか自発的に退職しなきゃならず、それがたまたま参院選挙に出馬する形をとった、ということさ。
 こんなことみんなコラムに書いてあるんだけどねえ。(太田)
<太田>
 村上春樹の『1Q84』の中で、ヤナーチェク(Janacek)という皆さんが多分名前を聞いたか聞かないかくらいのチェコの作曲家の「シンフォニエッタ(Sinfonietta)」という曲
http://www.youtube.com/watch?v=bvrwt3TAKZo
http://www.youtube.com/watch?v=B3kOTcAfnQY&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=hPig6VDOQ_8&feature=related
が紹介されているようですが、あんましビビっと来ない曲です。
 彼の曲なら、まだ「In the Mist Im Nebel」ってピアノ曲
http://www.youtube.com/watch?v=NsvpZxhx1b0
の方がいいですね。
 ヤナーチェクなんかより、クラシック/歌謡曲ファンにお勧めなのが、グリンカ(Glinka)という、やはり皆さんが多分名前を聞いたか聞かないかくらいのロシアの作曲家の曲です。
 彼の曲で私が好きなのが以下の5曲です。(4番目を除いてすべてピアノ独奏。)
 ぜひ聴いてみてください。
 (3番目の曲は、プロのピアニストによる演奏がユーチューブにアップされていないのが残念です。)
 
Valse-fantasie
http://www.youtube.com/watch?v=6g3xwhh99-c&feature=related
Nocturne in F minor “La Separation”
http://www.youtube.com/watch?v=NdetiTNg2g0&feature=related
Mazurka
http://www.youtube.com/watch?v=3eE6_bq8j3E
Sonate for viola &piano
http://www.youtube.com/watch?v=JqfgKyzNg6k&feature=related
The Lark
http://www.youtube.com/watch?v=6Q3YeI91CwA&feature=related
 では、記事の紹介です。
 当コラムで紹介したことがある、ピアニストの内田光子さん、おめでとうございます。↓
http://www.asahi.com/showbiz/music/TKY200906130123.html
 懸念は払拭されたのでは?↓
 「民主党の鳩山由紀夫代表は・・・、麻生太郎首相が北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査を可能とする法整備に協力を呼び掛けたことに対し、「北朝鮮の暴挙に国連安全保障理事会が全会一致で採択した決議は極めて尊重されるべきだ。法改正が必要なら、民主党も当然協力すべきだ」と述べ、与党との協議に前向きに応じる考えを示した。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090613/stt0906132108019-n1.htm
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太田述正コラム#3335(2009.6.14)
<米国の世紀末前後(その2)>
→非公開