太田述正コラム#4059(2010.6.9)
<皆さんとディスカッション(続x858)>
<ΒΒΨΨ>(「たった一人の反乱」より)
≫確認ですが、最後のご自身の言葉以外は、すべてマイケル・シャラー著 『アジアにおける冷戦の起源』からの引用、という理解でよろしいですね?≪(コラム#4057。太田)
 <ハイ。>
 巻末(p446)に書いてある原注を、途中に挿んだんで、すこぶるわかりにくくなりましたが・・・・・・。
<ΒΨΨΒ>(同上)
≫その後、「自衛隊応援」局たるチャンネル桜への出演がめっきり減ったことと本件との因果関係は定かではない。≪(コラム#4057。Fat Tail)
 そういうことか。
 皇位継承問題で男系絶対主義者である水島社長の意に反して小林よしのりと高森明勅が女系容認説を主張し続けていたら二人ともパタッと桜の番組レギュラーを降ろされてしまったので、それと似たようなものかなと納得した。
<ΨΨββ>(同上)
 小林よしのりや高森明勅が降板した理由(因果関係)は太田氏の場合と違ってかなりはっきりした状況をチャンネル桜でやってるよ。
http://www.nicovideo.jp/watch/nm10195154
<ΨβΨβ>(同上)
 <Fat Tailサンの>佐藤優論はまあうなづけるけど、典拠が池田信夫ブログというのが信用できんなw。
 まあ佐藤氏自身、対談で「ボク、経済はダメなんです」って正直に告白してるしね。
 対談本は相手へのゴマすりが目立っちゃって・・・まあ工作員の人脈造りだから仕方ないんだろうけど。
 でも、我慢して読んでると、結構、面白いポイントにぶつかるよ。
 副島氏との対談本で「中国とロシアは今後、1つになって協力していく」って言ったところにそれまで副島氏の言うことを全肯定だったのが「それはない。ロシアは欧州を向く」って断言してたりとかね。
<ΨββΨ>(同上)
≫そんな海兵隊が、海兵隊の更なる縮小につながりかねないところの、その沖縄からの全面撤収話に、組織をあげて抵抗を続けるのは当然過ぎるくらい当然であって、≪(コラム#4057。太田)
 こういった点への認識不足が、現実主義者までをも誤らせる原因ではなかろうか?
 日米安保の名のもとに、アメリカが日本を守るのが当たり前だと、疑いもしない親米派や、「アメリカは自分の利益のために日本に基地を置いているだけ」としたり顔でのたまう現実主義者。
 特に現実主義者はこういったことを言いつつ、アメリカの利益・安全保障政策と、日本のそれが、イコールであると内心は考えている風で、太田さんの発言のような、アメリカの本音・内情についての洞察が足りないように思えるんだな。
 現実が見えていない「現実主義者」は、なんでもっとアメリカを知ろうとしないんだろ。
<Fat Tail>
 –太田述正観察日記I:太田(中将)はこんなに可愛い!(第五回)–
六、「バグってハニー」逆ギレ事案
 さてこれまで、太田(中将)の可愛さを再認識してもらうべく、幾つかの事例を見てきたが、大田コラムの読者には熱心な方も多いので、「こんなことぐらい、私は既に知っている」と思われた方も少なくないかもしれない。
 しかし、私は逆に、むしろ熱心な読者の中にこそ、太田(中将)のことを誤解している人が、まだいるのではないかと懸念している。その好例が、「太田述正一番弟子」を自称していた「バグってハニー」氏だ(*1)。
 氏が突然「キレ」てしまい(2*)、その後その理由について鋭い分析をした読者(3*)もいたが、私はもっと単純だろうと考えている。
 要するに、「コラムも寄稿し、何かと太田さんのことを手伝ったのだから、そんなこと言わなくたっていいじゃないか(大目に見てくれ)」ということだ。
 つまり、「防衛庁再生宣言の記述をめぐって」シリーズで、何かと他の読者との仲立ちに励んだ名誉会員たる自分と太田(中将)は特別な関係なのだから、というわけだ。
 好意を寄せ、何かと親切にしていた女性(男性)に振られた男性(女性)が逆にキレるケースと、根本的に同じことである(4*)。
七、親愛なるコラム読者達よ、太田(中将)とは「対等」たるべし
 「バグってハニー」氏を俎上に載せて論じたが、こうした自分と太田(中将)との関係を「特別」なものとしてしまうケースは、他の読者にも散見される。
 特に太田(中将)に何らかの「支援」を行っている読者に多い(5*)。
 つまり、「支援」してあげているのだから、もう少し頭を下げろ、というわけだ(6*)。
 こうしたことに業を煮やした太田(中将)が、いつにも増して率直にその胸の内を語った個所が次の文である(7*)。
 「私は、ぎりぎり自分一人が食べて行くことができ、眠る場所があり、コラム執筆環境が維持できればよい、という生活をしています。
 しかし、このことをもって「犠牲」を払っているとは私自身は全く考えていません。
 もちろん、私がコラム等を通じて攻撃してきた「敵」から様々な反撃をくらうことも、私にとっては「犠牲」にはあたりません。
 他方、以上のような私の生き様の足を引っ張る「身内」、ないし「味方」が出現することは私にとっては苦痛であり、そのような場合においてのみ、私は「犠牲」を払っていると感じます。
 2001年に役所を飛び出して以来、私はたびたびこのような「犠牲」を払ってきました。
 このような「犠牲」をこれ以上私に払わせないでくれ、というのが私のささやかかつ切実な願いであることを、どうかご理解たまわりたいと思います。
 ですから、「自利は他を利すること」はむしろ、ご自分自身にあてはめられることをお勧めします。
、(ママ)あなたは私に書き続けて欲しいのですか? もしそうであれば、私を批判するのではなく、ご自分自身または第三者が私に「犠牲」を払わせないように配意された方が、私が書き続け易くなりますよ、ということです。」
 太田(中将)にとって、読者(支援者も含む)とはあくまで対等な立場で接する相手であり、であるが故に投稿に際しては典拠に基づいた論旨の展開を求め、真剣に議論する姿勢を当然視しており、「ゲーム感覚」で参加するような読者には容赦がない、というだけのことである(8*)。
 また、太田先生と呼ぶ読者に対しては、「太田「先生」は勘弁してくれ」という趣旨のことを度々述べていることからも、読者に「対等」であるべきとする太田(中将)の姿勢が伺える。
八、しかし、女性には大分甘い・・・
 但し、太田(中将)が唯一大甘になるのが、女性読者に対してだ。
 もっとも、これも太田(中将)が唱える、日本における女性に対するオファーマティブ・アクションの実践だと見れば、筋が通っている。
 しかし、おかげで、一読者である私は、例の「michisuzu」(9*)氏の感覚的投稿に接し、個人的に日本においてオファーマティブ・アクションが導入された際の、少なくない男性諸氏が抱くであろう、何とも形容し難い感情の起伏を疑似体験させられ、正直辟易した。
 が、絶妙のタイミングで「michisuzu」氏が退場してくれた(させられた?)ことに加え、何といっても「Nelson」氏の存在に、間一髪でオファーマティブ・アクション反対論者になることを免れた。
 「Nelson」氏を採用した企業は、見る目があるか、少なくとも幸運であったと言えるのではなかろうか(10*)。
1*:「太田述正コラム#1806(2007.6.13)」参照。氏の「防衛庁再生宣言の記述をめぐって」シリーズでの活躍は目覚ましいものがあったが、ネーミングのセンスの無さは、如何ともし難い。
2*:氏が「キレ」たことについては、「太田述正コラム#2839(2008.10.9)」参照。事の発端については、「太田述正コラム#2831(2008.10.5)」参照。
3*:「太田述正コラム#2845(2008.10.12)」における、「ろくでなし」氏の個所参照。これまた物凄いネーミングの読者だが、分析は微に入り細に入り、といった趣だ。
4*:上記の「太田述正コラム#2839(2008.10.9)」をいくら再読しても、氏がこれほど激昂した合理的理由が見つからず、「男女関係」に擬した感情的軋轢だという結論に達した。
 そうすれば、<バグってハニー>氏が「キレ」た投稿も、散々尽くした(と思い込んでいる)挙句に袖にした男に対する非難だと捉えれば、意外とすんなり読める。
 そうすれば、氏の「説明してなかったですけど、ミリタリー・バランス2000年版のコピーとるためにどんだけ多くの図書館を駆けずり回ったか。手術直後の痛む足を引きずってね。」という悲痛な件は、滑稽で失笑を誘うというよりも、むしろ微笑ましい。
 そんな氏に、止めの突っ込みコメントを返す太田(中将)は、さしずめ「ひどい元彼」といったところか。
5*:「太田述正コラム#2841(2008.10.10)」において、太田(中将)は「私を支援するのであれば、足を引っ張らないでね。足を引っ張るのなら最初から支援しないで私をほっといてね、と言ってるだけなんだけど」、と述べていることからも、このことが伺える。
6*:このことは、「太田述正コラム#1798(2007.6.7)」にて、太田(中将)が「緊急呼びかけ」した、訴訟に関わるカンパを募った際にも、ある読者から指摘されたと記憶している(該当コラムのバックナンバー不明)。
 カンパに対し、太田(中将)は度々謝意を表しているにも関わらずに、である。
 「物乞い」の類との違いも分からない手合には事欠かないようだ。
 己の発想の枠という頚城から、人は自由であることは、想像以上に難しい。
7*:太田述正コラム#2841(2008.10.10)参照。
8*:太田(中将)の読者に対する姿勢は、「太田述正コラム#2839(2008.10.9)」の以下の記述からも分かる。
 「私は事実の正否については、いつでも誤りを認める用意があるし、そうしてきました。
 また、私と他人の見解が違っているとしても、そんなことは全く問題にしません。
 しかし、私の見解を茶化したり、私の見解の前提となっている事実に対する無知に基づく批判を行ったりする人には容赦しません。」
9*:「michisuzu」氏について不思議なのは、あれほど太田(中将)から典拠の記載を求められているにも関わらず、多くのケースでその労を省き、記載したと思ったら典拠にもなっていない典拠を付していたことだ(該当コラムが多いので、「典拠」省略)。
 アファーマティブ・アクションの対象者であるという自覚がなかったか、さもなくば希薄であったと言わざるを得ない。
 あるいは、上述したように(何故かは不明だが)太田(中将)との関係を何か「特別」なものとして捉えていたとすれば、合点がいく。
 あの「感覚的」で素早いレスポンスを、彼氏に対する(携帯)メールに擬して投稿していた、と考えればある程度納得がいく。
10*:「Nelson」氏については、まずそのネーミングからして非凡なものを期待させる。
 氏の「ソマリア海賊対策における法案の一般法化について」と題した、「太田述正コラム#3133(2009.3.5)」に記載されているコラムは、簡にして要を得ている。
 「michisuzu」氏には悪いが、これでは勝負にならない。
 期せずして「michisuzu」氏は、「Nelson」氏の引き立て役に終わったとも取れるので、「michisuzu」氏に対し、不覚にも同情してしまったのは私だけではあるまい。
(続く)
<太田>
 それでは、記事の紹介です。
 堺屋太一って存命だったのね。↓
 「・・・<幕末の徳川政権。1853年のペリー来航から1867年の大政奉還までに、老中は延べ40人。任期は平均1年2か月。それ以前の150年間の平均任期は6年以上。
 続いて1936年の2.26事件以後。第一次近衛内閣を例外として、1年未満の政権が続く。[これは]・・・官僚たちの示すまま軍備と統制経済を拡充した[時期だ。]・・・
 今はどうか。>6月4日、鳩山由紀夫首相が辞任、次期首相に管直人氏が選ばれた。平成になって21年半に16人目の総理大臣となる。特に最近4代の首相の在任期間は約1年、〈一発芸人〉よりはかない寿命である。・・・
 短期政権が続く[以上の三つの時代のような]時代は必ず時代の大変化の時代である・・・
 1955年に始まる戦後体制は、官僚主導で規格大量生産社会の確立を目指すものだった[が、]・・・現在の官僚には、この国を軍事強国や経済大国にするヴィジョンがあるわけではない。≪消費者や弱者などの保護が必要だ≫という一部の言説を隠れ蓑にしながら、結局はただ『批判を回避し、権限の楽しみだけを保ちたい』という組織の私欲で動いている。
 今、体制疲労を起こしているのは、議会制民主主義ではなくして、官僚主導である。・・・」
 (日経(朝)2010.6.9掲載コラム。なお、<>は植田信による要約紹介部分、[]は更に太田が補った部分)
http://8706.teacup.com/uedam/bbs
 このコラム↑全体を読んではいないという留保付きで、堺屋の主張を批判しておこう。↓
 幕末の話はちょっと脇に置いておく。
 さて、堺屋は、戦前体制と戦後体制とを断絶したものととらえている。
 これを、私が日本型経済体制論において主張しているように、連続したものとしてとらえれば、例えば、先進自由民主主義諸国中の日本の首相の短命ぶりが、この間一貫して続いてきたことに気づくはずだ。
 戦後イタリアの場合も短命だが、これは小党乱立のため。ところが、日本の場合は、戦前の挙国一致体制、戦後の自民党系支配の下でのユニークな現象だ。
 これは、日本型経済体制の下では、ボトムアップの御神輿経営だから、トップは誰が座っても大差ない。だからこそ、トップの座が(「平等」の観点から)たらい回しされがちだってこと。
 日本型経済体制下の政府を官僚支配と表現するのもおかしい。
 そんなこと言ったら、民間企業は、社員支配と表現しなければならなくなる。
 また、このところ、首相が一層短命になっているとすれば、それは、吉田ドクトリンの下での自民党系一党支配下において政治家や官僚の劣化と腐敗が必然的に進行していることから、日本型経済体制が崩壊しつつあるために政治家によるトップダウンの政治運営が求められつつあるにもかかわらず、かかる状況変化に政治家や官僚が対応できておらず、政治運営に破綻を来すからだ。
 それにしても、自民党政権下で入閣する等さんざんいい思いをしつつ自民党系一党支配の延命に力を貸し、政治家や官僚の劣化と腐敗の状況をここまで悪化させた重要戦犯の一人と言える堺屋が、なお、上から目線のピンボケ・コラムで世を惑わすとは・・。
 たまに垣間見る日本の論壇、アマチュア社会人類学者たる私めから見ると、相変わらずホントに面白いですねえ。
 
 産経がそれ↓を言ったって目くそ鼻くそを笑う類ではあるが、小沢もまた、12歳の洟垂れ小僧だったってのはもはや明らかだね。
 鳩山・小沢体制とは、spoiled child 二人が組んだ政権ごっこであったってことさ。↓
 「・・・「小沢解任」は鳩山氏が主導しており、小沢氏は本気で田中真紀子元外相を代表選に担ぎ出そうとして失敗した。小沢氏は政局の流れを完全に読み違えた・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100609/stt1006090305004-n1.htm
 自由民主主義圏の防衛費負担が一層米国一極集中になりつつある。↓
 ・・・European allies are bracing for their deepest cuts in military spending since the end of the Cold War・・・
 On Monday, the German government said it is looking to reduce its 250,000-member military by at least 40,000 troops; the defense minister has suggested that a whopping cutback of 100,000 might be necessary.
Meanwhile, analysts project that Britain may have to cut its defense budget by 10 to 15 percent over the next six years・・・
 France and Italy are also contemplating manpower reductions. ・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/06/08/AR2010060804299_pf.html
 げにイスラムの腐食能力は恐ろしい。
 イスラム圏のキリスト教圏との接点たるトルコに続いて仏教圏との接点たるマレーシアまで腐食されちゃったよ。
 インドネシアまで腐食されたら?
 イスラム教徒のマインドコントロールを解く方法を非イスラム自由民主主義圏の総力をあげて見つけなくっちゃ。↓
 
 ・・・Malaysia’s political class has a long history of stoking anti-Semitism, so from that perspective Mr. Najib’s remarks aren’t a surprise. His political mentor, Mahathir Mohamed, was fond of Jewish conspiracy theories and labeled Israel a “terrorist state.” The ruling United Malays National Organization’s youth wing has carried on these traditions, with its leader last week calling on protestors to “go to Gaza to defeat the Israeli regime” if authorities stopped another “aid” ship.
 Less understandable are the actions of the opposition coalition led by Mr. Anwar, which pitches itself as a new kind of secular political movement that bridges ethnic and religious differences. Mr. Anwar has come under attack for his friendships with Jews before, and he has defended those links. So it’s disappointing to see him jump on the anti-Israel populist bandwagon now.・・・
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703302604575293891771722502.html
 インドの政治は家族ビジネスだとよ。
 どっかの国と、表見的には似てるねえ。↓
 ・・・Unlike in advanced democracies, politics in India is largely a family affair. The best known example of this is, of course, the Congress Party, run like a family firm by the Nehru-Gandhis for about half a century. (A similar pattern repeats itself on a smaller scale in state after state.) What matters in a personality-driven system is not commitment to a coherent ideology, or even to a broad worldview, but to a person or a family.・・・
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703302604575293962344638020.html