太田述正コラム#4365(2010.11.9)
<皆さんとディスカッション(続x1009)>
<源次郎>
 <コラム#4108>「原爆論争(その2)」<を読み>ました。
 原爆=広島を凄く印象づけてますけど、原爆=長崎は西洋人、アメリカにとってタブーな領域なんでしょうかね?
 なんせ、日本のキリスト教徒の隠れキリスタンなど、守り通した歴史ある聖地みたいなもので、グラウンドゼロが東洋一とうたわれ教会のそばでそこに落とした訳で…やはり、有色人種のキリスト教徒はゴミ扱いだったのでしょうかね?
 そして、一発目は原爆の威力を東京湾など海か人が少ない見渡せる山や平地の場所に落とさなかっただけに、人体実験でしょうね。
 人類に対する罪の事後法は米国も同罪でしょう。
 南京問題で下院が非難決議したなら、日本もしたらいいのに…牛ですからも~としか言えませんが…
 典拠はわかりませんが大戦中、日本政府はスイス経由?で新型爆弾の米国へ非難抗議したと聞いたことがあります。
<太田>
 すっかり私の牛のアナロジーが定着したようで・・。
 最後の点は、結構有名な話であり、検索の労をとっていただきたかったですね。
 英語ですが、以下のような典拠がすぐ出てきました。
 「第2の原爆によって長崎の市街地が真っ平らにされたその日の1945年8月9日、それは広島の破壊の3日後でもあったが、日本政府は、スイス政府を通じて、原爆が「人類全体と文明に対する新しい犯罪」であるとの公式の抗議をを行った。」(仮訳)(Gordon, Michael D. ‘Five days in August:how World War II became a nuclear war’ Princeton University Press 2007 PP108)
http://books.google.co.jp/books?id=ZYGdgRMiPFEC&pg=PA108&lpg=PA108&dq=On+9+August+1945,the+day+that+sectors+of+Nagasaki+were+leveled+by+the+second+nuclear+bomb,+and+three+days+after&source=bl&ots=bpEGYf2wx_&sig=eXjZj-3L1c6rOsuLVkjf6h2M78Y&hl=ja&ei=3_rXTIKtJofCcfzE7K4L&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=1&ved=0CBcQ6AEwAA#v=onepage&q=On%209%20August%201945%2Cthe%20day%20that%20sectors%20of%20Nagasaki%20were%20leveled%20by%20the%20second%20nuclear%20bomb%2C%20and%20three%20days%20after&f=false
<midshipman>
http://jig144.mobile.ogk.yahoo.co.jp/fweb/1104ykm308NiAKA3/2H?_jig_=http%3A%2F%2Fjapanese.ruvr.ru%2F2010%2F04%2F28%2F7048749.html&_jig_keyword_=%BC%DE%CC%DE%C1%20%8AC%8F%E3%8E%A9%89q%91%E0%8A%EE%92n&guid=on&_jig_xargs_=R
 海上自衛隊はジブチに基地をつくるそうですね。
 帝国海軍のマルタ基地以来ですね。
 海外に興味のない日本国民は知らないのでは?
<太田>
 4月の記事だが、基地の定義にもよるけど、ロシア発のガセでは?
 いずれにせよ、「日本国外に建設される初の日本の、また史上初のアフリカ大陸の日本基地となる。 」と上記記事は言うけど、つい最近まで、例えば、イラクに陸上自衛隊の歴とした基地があったぜ。
 それはそれとして、ソマリアの海賊やりたい放題だね。
 尖閣問題はある意味観念的な脅威だが、こっちの方は現実の脅威だ。
 どうしたらよかんべ。↓
 「ソマリアの海賊が、10月にケニア・モンバサ沖で乗っ取った東京の日之出郵船運航の貨物船「IZUMI」を、ほかの船舶への襲撃に使っていることが分かった。・・・
 IZUMIの乗組員は20人全員がフィリピン人。・・・
 6日夜には、ソマリアの首都モガディシオを出港したアフリカ連合(AU)の平和維持活動(PKO)部隊の船舶を護衛していたEUの軍艦が、IZUMIに乗った海賊からライフル銃で攻撃された。」
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/101109/mds1011090824000-n1.htm
 Ms.Nelson、コメントを!
<ΔλλΔ>(「たった一人の反乱」より)
 大衆の反逆/オルデガ
http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A7%E8%A1%86%E3%81%AE%E5%8F%8D%E9%80%86-%E4%B8%AD%E5%85%AC%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%AC/dp/412160024X
 「現代の特徴は、凡俗な人間が、自分が凡俗であるのを知りながら、敢然と凡俗であることの権利を主張し、それをあらゆる所で押し通そうとするところにある」
 ↑オルテガの、「選ばれた少数派」の登場にかかっていると訴え期待する、「たとえ自分に課した高度の要求を果たせなくても、他人よりも自分に厳しい要求を課す」気概ある人達とは、我等のヒネオヤジが該当するんだろーね。
 自由からの逃走/エーリッヒ・フロム
http://www.amazon.co.jp/%E8%87%AA%E7%94%B1%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E9%80%83%E8%B5%B0-%E6%96%B0%E7%89%88-%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%92%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%A0/dp/4488006515/ref=pd_sim_b_3
 人間は自由であればあるほど、その自由の重荷に耐えることができない、誰かに依っていたい、縛られていたい…「人は自由からも逃げ出す…」との、大衆とは寧ろ自由から逃避する傾向にあると云うヒナガタが、属国日本の国民なんだなぁ。
<太田>
 過分のお言葉を賜り、I am humbled・・なーんちゃって。
 どっちも、大学一年の時の推薦図書だったなあ。なつかしい。
<ΛΛδδ>(「たった一人の反乱」より)
 5年後あるいは10年後には菅内閣の姿勢が評価される<(尖閣諸島問題における外交姿勢に関する菅首相発言)>
http://www.cnn.co.jp/world/30000823.html
 いや、もう評価されてるから。
<ΛδΛδ>(同上)
 だいぶ前から小沢が総理大臣になることなど金輪際ありえないと断言してたのが当たっただけでも<太田さんを>わりと信用してる。
<太田>
 4度も会い、うち2度は話を交わしたことがある鳩山由紀夫のダメさかげんを見抜けなかったんだから、私の眼力も大したことないよ。
<nakiusagigasuki>(2010.6.24)http://questionbox.jp.msn.com/qa5991141.html
 そういえば昔ソ連の脅威を声高に煽り立てていた人が多くいましたが、今度は中国の脅威を煽り立てているようです。あっちが駄目になればこっちを持ち出してお忙しい事何よりでございます。
 防衛省OBの太田述正という<元>施設局長が冷戦時代のソ連脅威論はまったくのウソであったという重要な証言をしていますが、今度は中国脅威論で媚米の方は飯を食う方針のようで何よりでございます。
 まあどう考えても、日米がお得意先であり、世界中のメーカーの製造工場になっている中国が戦争するわけないのですが。
 実際元統幕議長来栖弘臣や中川八洋などに煽られて北海道から九州に移住した宗教団体や個人もいたんですがその後どうお過ごしでしょうか?
 今度は中国脅威論に煽られて九州から北海道に移住する人が出ないことを切に祈っております。
<太田>
 日本全体の人口は減り始めてるが、一番「脅威」に晒されてるはずの沖縄の人口は増える一方だ。
http://www.town.yaese.okinawa.jp/page02/kakuka-data/2kikaku/kokucyou-sokuhou/soku-all.pdf
 少なくとも、今のところは、そんな心配するだけヤボみたいよ。
<キジッシー>(2010.10.30)http://blog.zige.jp/atohiko
 いつものように メルマガを回覧していたら、<キジッシー>。。。と書いてある。。。
>うん? 似たような名前もあるもんだな~
>オレ 投稿してないし~ 
などとつぶやきながら 読み進めると
>やっぱり オレの記事だ。。。
 (。。。独り言は「オレ」。。。「ワタシ」とは ちょっと言えない。。。)
と言うことで、ワタシのブログが 他のブログに載りました。
 太田さんのメルマガを引用したら引用されちゃいました(笑)。
 率直に 嬉しいものです。。。
 掲載第一号!! <(コラム#4345)>
 引用されたエントリ
 国会議員の『日本は「属国」』発言
http://blog.zige.jp/atohiko/kiji/160478.html
     
 丑年の太田さんに感謝の気持ちを込めて、掲載第一号記念に(笑)、宗主国(ガッシュウコク)と属国(日本)との関係を Q&Aにしてみました。
 題して「属国&宗主国 復習編」
      
 太田氏は 幼少時代に エジプトで過ごし、バイリンガルだそうです(英語は 日本語に翻訳せずに理解できる)。
 それ故 「宗主国意識」を 敏感に 理解~感じ取ることができたんでしょう。
 しかし、防衛省官僚でなければ。。。の件(くだり)は、今だに そうなのか と思うと ぞっとするものがあります。
A:太田述正氏
Q:みなさん
Q アメリカの国益に叶う決定事項というのは、一体誰にどのような形で日本に伝えられるのでしょうか?
 具体的に、言葉として伝令がおりるのか、それとも、それとなく遠まわしに「空気を読めよ!」と、暗黙のメッセージとして送られるのか、これまた、幼稚な質問かも知れませんが、よろしければお答えください。
 また、いい加減に日本の自立をアメリカが望んでいるのでしたら、それこそ、宗主国として日本を突き放したり、自衛権を行使させることぐらいは、 たやすいはずでしょうが、それをしないのはなぜでしょう?
 もし、中国や北朝鮮の活動が、アメリカにとって大きく国益を損ねるような事態になれば、属国の日本の軍隊を使ってやっちまえ!という決定が下される日もあると考えてよろしいのでしょうか。
A 日米両国政府は、ほとんど日常的に公式に接触していると言っていいでしょう。 
 日米防衛協力がらみの在日米軍と外務省・防衛庁/各自衛隊との接触はさておき、端的な例が、地位協定に基づいて設置されている日米合同委員会です。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/sfa/pdfs/soshikizu.pdf
 主要官庁がすべてメンバーで入ってるでしょ。
 また、平素から同委員会事務方(先方は駐日大使館と在日米軍、当方は各省庁)同士の調整が行われています。
 こういう場の前後や休憩時間に、直接の懸案以外の雑談も出るのですが、これが結構重要なんですねえ。
Q では少なくとも、高級官僚は日本が属国であることを知っている、と理解してよろしいのでしょうか ?
A これまでのところ残念ながら、私自身が、日本が属国であることを自覚している官僚(・政治家・企業人)に遭遇したことはありませんね。
 他方、在日米軍の将校や文官幹部で、日本が属国であることを自覚していない人はまずいませんでしたねえ。
 私が、日本を家畜化した牛に準える理由がお分かりいただけるでしょうか。
Q 日米合同委員なり何なり、あまり詳しくありませんが、とにかく交渉で各省庁の事務方なり、大臣なりが米国と接するわけですよね?
 そこで大切なことは宗主国の利益にかなう決定となるのでしょうが、官僚なり大臣も馬鹿ではないでしょうし、一応、日本人なのですから、当然 「ん?おかしいぞ」と思うこともある筈です。
 ですが、最終的にこちらの考える決定にならず、相手側の言いなりになる、ということは当然、従わなければまずい理由、何らかの圧力を感じてい る、と考えて当然ですよね?(工作員によるスキャンダルの流布で失脚させられる等)
 ですから、大臣、官僚の一部は属国であることに気がついているのでは、という質問に至ったわけですが、これはそんなにおかしな疑問でしょうか?
Q 太田さんが防衛庁(省)ではなくて、外務省や他官庁の官僚となっていたら、自覚なしの家畜牛になっていた可能性が高い…というより、立派な家畜 牛と成長していたってことなのか。凄いなコレ。
A 最後のところ、スゴーくいいポイントだな。
 防衛省以外の官僚は、在日米軍の実務家レベルの軍人や文官との接触度合いが極めて少ないから彼等の宗主国意識を察知することができる域まで親しくなれない・・ついでに言うと、少なくとも私がいた頃までの防衛庁(省)じゃ、英語のできる官僚がほとんどおらず、よって、いくら接触があったって親しくはなれなかったからやっぱダメ・・のであるぞなもし。
 もちろん、日本が法的に米国の属国(保護国)であるっちゅうことは、別に「在日米軍の実務家レベルの軍人や文官」に教えてもらわなくたって、 ちっと考えりゃ分かるはずなんだけど、何せ、脳のシワが伸び切っちゃってるもんだから、頭使うだけじゃ分かんないのよね。
 属国ちゅうのは、外交・安全保障の基本を宗主国サマにやっていただくっちゅうことだっ ての覚えてるでしょ。
 ということは、「宗主国サマの国益」=「属国たる自国の国益」とみなすっちゅうことだ。
 このことは、山本七平じゃないが、ずっと以前から日本の政界・官界の「空気」になってて、誰もそれを疑うことを知らない。
 属国であること自体は忘れ ちゃってるのにね。
 ま、家畜ってそんなもんだけどな。
 だもんだから、宗主国サマが露骨に要求してきたらもちろんのこと、遠回しに何かを要求してきた場合ですら、無条件でそれを実行しようとする。
 まことにけなげな家畜なんである。
 ただし、様々な障害が国内にある時は、それをひたすら宗主国サマサイドに申し上げて、宗主国サマが要求を撤回したり要求を緩和したりすることを 期待することがある。
     
[付記]
 上文の流れでいけば、今回の尖閣諸島「事件」では 日本は、米中外交合戦の中での「かませ犬」ならぬ「かまされ犬」役をさせられたことになりますね。
 かんだ中国は 首脳会談を反古にして かんだことなど知らんぷり。
 傷口に薬を塗ってくれるはずの ガッシュウコクは 大統領の日米安保共同宣言見送り。。。
 合同演習が 反古になっても おかしくない雲行き。。。
 米中両国からの 自分で 傷をなおせという「ありがた~い」メッセージを どう受け取るか?(笑)
 (本気で 柵の外に追い出される<梯子をはずされる>まで 分からないのかしら???)
 のちの歴史家は 1945年から続く この日本の状況を
「精神的な家畜牧場国家の実験」~~精神的アヘン中毒国家~~
「親離れできず親の顔色ばかり伺っている幼児国家」~~幼児性依存症候群国家~~
とでも 言うのでしょうか?
 全く 自覚症状がないのが おっかない!!(苦笑)
 そして 情け無い。。。!!(涙)
 「国家の病理は その国民の病理を反映したもの<で>ある」(岸田透)
 。。。あな おそろし。。。みんな 自分のことじゃないか!!(茫然自失)
<太田>
 パチパチ。
 突然晴れの舞台に再登場させられ、サナトリウムで療養中のroma_sakamotoクンも眼をぱちくりさせとるかも。
<安東次郎>(2010.11.1)http://chikyuza.net/n/archives/4303
 クリントン長官の「尖閣は安保の対象である」という発言(28日)があり、日本の親米(従米)派は「これで米軍が尖閣に出動することがあきらかになった。ネット上での一部の反米派の言論(尖閣に米軍が出動するとは限らない)には根拠がない」とさかんに発言している。
 ・・・中略・・・
 「クリントンがああ言うのだから、米国は日本の安全保障のために米軍を出動させるのでしょう」と理解するのは、「お人好し」であり、外交・安全保障の世界で「お人好し」というのは、「馬鹿」の同義語にほかならない。
 こうした解釈は、なにも私一人のものではない。
 ここでは、太田述正氏(元防衛審議官)の10月31日の発言を引用させていただく。↓
 「例えば、尖閣諸島は日米安保の対象ってのは法律的議論に過ぎないこと・・・」(コラム#4347)
 ・・・中略・・・
 
 ところで、「米国が日本を防衛する」という人たちは、『防衛』ということで、具体的にはどんなことを想定しているのか。日中の緊張が高まったら、米国の陸・海・空軍が日本に増援されるのだろうか。
 しかし、今年CSBAが公表したAir Sea Battle A Point-of-Departure Operational Concept(以下Air Sea Battle という)にしたがえば、状況は全然違うようである。
http://www.csbaonline.org/4Publications/PubLibrary/R.20100518.Air_Sea_Battle__A_/R.20100518.Air_Sea_Battle__A_.pdf
 このレポートについては、「東京の郊外より」というサイトが詳しく解説しているので、そこの記事“CSBA中国対処構想”
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18 
~同(6)を参考に、アメリカによるAir Sea Battle を覗いてみる。
 ・・・以下、略・・・
<太田>
 続きは、上記安東次郎さんのURLをクリックして読んでね。私も同感だよ。
 それでは、その他の記事の紹介です。(本日も翻訳する時間的余裕があった。)
 このエール大学のセンセ、大統領府の強化に反対してるが、昨日記したように、米国の三権分立/大統領制という政治システムに内在する深刻な問題が顕在化しつつある現在、そんな寝ぼけたこと言っててどうすんのよ。↓
 「・・・ニューディールまでは、大統領は恒久的スタッフを持っていなかった。
 彼は、彼の要求にしばしば抵抗する独立した主権者達でおおむね構成されるところの、内閣を通じて統治した。
 しかし、1939年にフランクリン・D・ローズベルト大統領は、議会を説得して彼に6名の特別補佐官を与えてもらった。
 それから70年経った現在、この6名が500名になり、民主・共和のどちらの党の大統領であれ、その権力は著しく増大した。
 クリントン大統領は、更に決定的な一歩を進めた。
 法律上の許可なくして、彼は自分のスタッフに、(大統領府以外の)行政各部門に対して政策指示を発出する権限を与えたのだ。・・・
 <また、>ニクソン大統領の時までは、司法省は大統領に対する法的助言に関して事実上独占権を持っていた。
 しかし、ニクソンのホワイトハウスにおける大統領法律顧問(White House counsel)のジョン・ディーン(John Dean)は、前例のないことだが、ウォーターゲート<事件>時代の間、司法省と張り合うために小さな法的スタッフ部門を創設した。
 このスタッフ部門が今では約40名の極めて優秀な法律家達を擁するまで大きくなっている。・・・
 40年前に、歴史家のアーサー・シュレジンガー(Arthur Schlesinger)が、米国民に対し、帝国的大統領制(imperial presidency)の危険性について警告したのは良く知られている。
 <しかし、>かかる帝国的動態が近年加速しつつある。・・・」
http://www.latimes.com/news/opinion/commentary/la-oe-ackerman-president-20101107,0,2789413,print.story
 米国の連邦準備制度委員会の量的緩和政策にドイツは反対しインドは賛成した。
 どちらの国も、国益を踏まえて動いている。
 属国日本には宗主国益しか基本的にないから、何の声もあげない。↓
 「・・・、米国の役人達は、非公式に、ショイブレ<独蔵相>の<連銀を批判する>コメントは、一国の大臣が他国の中央銀行を批判しないという慣例違反であり、むっときていると語った。・・・
 <ところが、>月曜には、この連銀の計画は、少なくとも貿易パートナーの一つであるインドから暖かいお墨付きを得た。・・・
 <インドの>シン<首相>は、インドが中共、ドイツ、及びブラジルのように輸出依存国ではないことを一つの理由として、<インド訪問中の>オバマ<大統領>と連銀を支持するという異なった針路をとったように見える。
 インドの通貨であるルピーは、例えばブラジルのレアルに比べるとドルに対する切り上げ率が小さいまま推移している。・・・
 また、インドは、ブラジルやタイのような他の発展途上国とは違って、より収益率の高い資産を求めて発展途上市場に流入する外国からの投資を一般的に歓迎してきた。
 インドは、そのGDPの3%を超える巨大な経常赤字を補填することに資する外国からの投資を必要としている。
 外国のカネがインドの株式市場を押し上げ、先週には史上最高値をつけたし、8月に比べてルピーは6%近く上昇している。」
http://www.nytimes.com/2010/11/09/business/global/09rupee.html?_r=1&ref=world&pagewanted=print
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太田述正コラム#4366(2010.11.9)
<重光葵の世界観(その3)>
→非公開