太田述正コラム#5115(2011.11.15)
<皆さんとディスカッション(続x1380)>
<太田>(ツイッターより)
 「オリンパスはストップ高…」
http://www.asahi.com/business/update/1114/TKY201111140182.html
 本件も収束へ? 内外でウッドフォード社長復帰論が声高に唱えられてるね。
http://edition.cnn.com/2011/11/13/business/japan-olympus-woodford/index.html?hpt=hp_bn1
 でも、この記事の中で誰かが言ってるように、「全くの新人が就いた方がいい」とボクも思うな。
<太田>
 なーるほど。
 よかれと思ってやったことが、尻尾を掴まれるきっかけになったってことか。
 菊川ら名前の上ってる3人、罪の意識は皆無だろね。↓
 「・・・オリンパスが一連の世界同時不況で「飛ばし」による損失が膨らむことを懸念、金融ブローカーらが組んだ英領ケイマン諸島のファンドを介在させたスキームにより、一気に損失解消の処理を急いだ・・・
 <こうして、>「飛ばし」による損失は22年3月期にはすべて解消した・・・。」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111115/crm11111501430001-n2.htm
<太田>(ツイッターより)
 ヨルダン国王、アラブ諸国首脳として初めてシリアのアサド大統領に辞任を促す。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/nov/14/assad-should-quit-king-abdullah
 辞任しても今更英国に戻って眼医者ってわけにはいかないだろうし、いずれにせよ、暗殺の恐怖に怯えながら余生を送るって大変だなあ。
<太田>
 ロシアがアラブ連盟のシリア決議を非難したな。
 この国、いつまで世界の鼻つまみ役を演じ続けるつもりなんだろ。↓
 ・・・ Moscow, which along with Beijing has kept the UN security council paralysed, responded・・・quickly that Arab states were wrong to suspend Syria. In the accusatory words of Sergei Lavrov, Russia’s foreign minister, “someone really does not want the Syrians to agree among themselves”.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/nov/14/bashar-al-assad-growing-isolation
<ΦζζΦ>(「たった一人の反乱」より)
 TPP決断「評価する」51%…読売世論調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111114-00000916-yom-pol
 思ったよりもみんな冷静だな。
 アメリカでもデモがあった↓と知って日本だけが一方的に不利では無いと理解したのかな?
http://asnyaro.blog129.fc2.com/blog-entry-363.html
<ζΦζΦ>(同上)
 TPP参加で確実に生じる医療格差
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/27611
 混合診療の全面解禁「議論の可能性排除できず」 TPPで政府が見解変更
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111107/plc11110723560014-n1.htm
 貧乏人は早く死ねってさ。
 なるほど年金問題の解決には平均寿命短くすればいいわけだ。
 官僚が考えそうなこった。
<太田>
 一番目のは、論者が典拠なしのウソ八百の議論をしているぜ。↓
 「日本の医療には、他国と比べて決定的に違う規制が2つあります。
 1つ目は、国民皆保険が存在するため、すべての国民が公的保険による医療を受けることができるという点です。
 2つ目は、市場をほぼ100%独占する国民皆保険の価格を決める全国一律の保険点数により、医療費の水準自体を国家が抑え込んでいる(過去10年で言うとマイナス改訂)ということです。」
→この前段だが、事実は、「先進諸国では・・・公的医療保険制度がある。先進国で例外的なのがアメリカとイギリスである。・・・イギリスはNHS(国民保健サービス)と呼ばれる租税を財源とした医療制度を実施しており、社会保険ではないのが特徴である。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%A5%E5%BA%B7%E4%BF%9D%E9%99%BA
 よって後段を読むまでもなく、これだけで、この論者はインチキ。
 二番目のは、具体的なメリット、デメリットを聞きたいところだ。
 話変わるが、ボクの公認会計士論にも、(まだ完結してないが)裁判官/弁護士論にも、これまで何のコメントもないってのは張り合いがないねえ。
 それでは、その他の記事の紹介です。
 女性のオーガスムが脳の各部位ににおいて、逐次、いかなる活動を引き起こすか、が初めて解明された。
 これだけ、オーケストラのような複雑で大規模な綜合的活動だとすると、女性に不感症がかなり多いのも当たり前か。
 男性のと比較研究して欲しいもんだわ。↓
 ・・・ activity first builds up in the genital area of the sensory cortex(感覚皮質), a response to being touched in that region. Activity then spreads to the limbic((大脳)辺縁系の) system, a collection of brain structures involved in emotions and long-term memory.
 As the orgasm arrives, activity shoots up in two parts of the brain called the cerebellum(小脳) and the frontal cortex(前頭皮質), perhaps because of greater muscle tension. During orgasm, activity reaches a peak in the hypothalamus(視床下部) , which releases a chemical called oxytocin that causes pleasurable sensations and stimulates the uterus to contract. Activity also peaks in the nucleus accumbens(側坐核) , an area linked to reward and pleasure.
 After orgasm, the activity in all these regions gradually calms down.・・・
http://www.guardian.co.uk/science/2011/nov/14/female-orgasm-recorded-brain-scans
 自殺性向は半分は遺伝的要因で決まるってさ。↓
 ・・・around half a person’s risk of suicide is due to genetic factors. ・・・
http://www.guardian.co.uk/science/2011/nov/14/gene-raises-suicide-risk
 またまたまたまた『1Q84』の書評が出てた。
 今度はワシントンポスト系のスレート誌にNYタイムス系論者によるものが載ったわけだが、これまでの中でも最高の賛辞だね。
 要するに、究極的な恋愛小説だって言うんだな。
 これまでの書評も踏まえると、どうやら村上は、「愛」の追求を原動力として、先の大戦における日本人の解明に取り組んできた、ということのようだね。
 ボクと同世代の村上、意外にボクと似てるのかもね。↓
 ・・・1Q84, despite its ambition and its daunting size, feels like a small step for Murakami, not a giant leap. The novel, which was published in Japan in three unimposing volumes, has a surprisingly—and winningly—casual air, as if spinning a tale at this extraordinary length were as natural as a walk around the neighborhood. Just as he does in his shorter books, Murakami takes in wonders at a stroll.・・・
 At its heart, the whole wild story is a berserkly elaborate boy-meets-girl romance, with metaphysical vaudeville to keep us entertained while we wait for the inevitable.・・・
 <『1Q84』は、オーウェルの『1984年』とは逆に、「愛」という「現実」が「システム」という「もう一つの現実」に勝利を収める物語だってよ。
 ボクの生涯も、そうなって欲しいもんだ。↓>
 1Q84 doesn’t seem to have much in common with its near-namesake, George Orwell’s dystopian satire 1984, but it’s closer than it first appears—another moon in the same sky. Murakami’s imagined world is, like Orwell’s, an alternative reality created by language, and a reality that, by compelling surrender to an overpowering system of belief, threatens to obliterate the individual’s sense of self. In 1984, of course, the system wins; in 1Q84, it doesn’t. Finally, the world of the two moons and the creepy cult and the Little People just seems to drift away into some sort of cosmic ether, omnipresent but fundamentally useless: a great vacuum.・・・
http://www.slate.com/articles/arts/books/2011/11/haruki_murakami_s_1q84_reviewed_a_love_story_lurks_within_a_disaster_epic.html
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太田述正コラム#5116(2011.11.15)
<世界殺戮史に思う(その4)>
→非公開