太田述正コラム#5012(2011.9.24)
<3度目の「たかじんのそこまで言って委員会」出演記(その2)>(2011.12.15公開)
<shihouen>
 収録参考・・・。
☆ 画面上・席順配列(慣例)
     司会席(右)      たかじん(左)辛坊(右)
     ゲスト席(司会席 右) 例題順(左→)岸・中野・太田
     パネラー(前列右 →) 桂・三宅・金・村田・岸(兼)
         (後列左 →) 宮崎・勝谷・村田(田嶋席)・内藤(アイドル席)
★ お遊び演出   アイドル席は三宅氏の弄られ役で、田嶋、勝谷氏は叱られ役。
          ざこば氏は、たかじんの“おとされ”役。
2 往路
 早めに自宅を出て助かりました。
 品川駅に着いたら、予定していたのぞみは、博多まで行くやつで、時間も手ごろなのかグリーン車どころか、全指定席が満席になっており、それとは対照的に空きがあったので胸をなでおろしながら、その直前ののぞみに乗車。
 車内販売でサンドイッチとお茶を買って朝ごはん。
 その後で、さっそく、1日ホットスポット(500円かかります)初体験に挑戦。
 前日、NTTコミュニケーションズに電話して、基本設定は終えていたので、インターネット・エクスプローラーを起動し、開いたボックスに一日有効のIDとパスワードを打ち込んだところ、問題なくつながりました。
 だけど、じりじりするほど遅い!
 かろうじて使える、という感じでした。
 グリーン車には各席にコンセントも備わってんですねえ。(4年前に乗った時にはあったっけ?)
 新大阪から、タクシーで読売テレビ着。
3 収録とその前後
 –収録前–
 1215だったけど、もう中野雅至さんが来ていました。
 「中野さんとご一緒すると聞いた私の読者が、あなたの『天下りの研究』という本を急遽送ってくれた。我々二人に共に関心を持っている人が結構いるのかも」、といった雑談を中野さんと交わしました。
 そうこうしているうちに、ディレクターを囲んで3人で打ち合わせが行われました。(もう一人のゲストの岸博幸さんは、1250到着。別途打ち合わせ?)
 それからメイク。
 (眉毛まで描くという、)今まで経験した中で最も念入りなメイクでした。
 「念入りな」というと聞こえはいいけれど、最近の高画質の液晶TVでスタジオ画面を見ると、出演者の顔の、塗りたくったメイクの跡がはっきり分かって、私なんぞ、いつも不快感を覚えています。
 メイクの関係者の仕事を残すために、もはや不必要なのにメイクを続けている、という風に勘繰りたくもなるのですが、本当のところはどうなんでしょうね。
 さて、メイク室では、右隣が古賀茂明さん、その向こうが宮崎哲弥さんでした。
 席にすわったまま、宮崎さんの方から私に声をかけてきました。
 (古賀さんとは結局、一度も互いに挨拶せず。官僚上がり・・と言っていいでしょう。古賀さんの方も26日付で経産省を辞任するはず。・・は、フツー愛想が悪いのです。)
 メーク室を出たら、宮崎さんがニコニコ顔で近づいてきて、「コラム読んでます」とおっしゃる。
 残り時間が少ない中で、弁当をかっこみました。
 スタジオに入ったら、岸さんが、前回初めて会った時とはかなり印象が異なり、笑顔で話しかけてきたのでびっくり。
 その後、気づいて携帯の電源を切ろうとしたのですが、(後で、ソフトの自動更新が行われていたため、電源が切れなくなっていたらしいことが分かりましたが、)切れないので、あわてて右隣の中野さんに、携帯の電源を切るにはどうしたらいいですか?という、恐らく耳を疑ったであろう質問を彼にしているうちに収録が始まりまってしまいました。
 –収録–
 収録時のことは、放送されたものをご覧ください。
 私の発言箇所があんまりぶったぎられていないことを望むばかりです。
 周辺的なことだけ、ちょっと書いておきましょう。
 始まってから少し経ったところで、私との打ち合わせを踏まえてざこばさんにディレクターがふったのか、あるいは(いつもの)私の人を冷笑しているかに見える笑みに感ずるところがあったのか、突然ざこばさんから私に発言が促されました。
 私が話をするだけのやりとりがまだなされていないという判断で、「ちょっと別のことを考えてました。」と答えました。「4年前にゲストで出た時は立っていたけど、今回は座っているな、なんてね」と。
 経産省のところでは、全く発言しませんでした。というか、発言するタイミングがありませんでした。
 古賀-岸という経産省コンビ・・そもそもこの2人結構関係が深いんですね・・が経産省を罵倒し続けるのをあっけにとられて聞いていました。
 3人のゲストの中では、この経産省の時だけではなく、岸さんがしゃべるわしゃべるわ。
 彼、この種のバラエティ番組向きなんですねえ。
 意外な才能を発見しました。
 ああそうそう、最後近くに、日本の政治家がどうしてダメになったのか、を私は語りました。
 そうしたら、村田晃嗣さんが、(安保・外交といった)一つのものだけで説明するのはよろしくない、というような反論をしましたねえ。
 収録が終わった後、挨拶を兼ねて、「じゃ、あなたなら原因をどう説明するの?」と尋ねようと思ったのですが、彼を見失ってしまいました。
 –収録後–
 中野さんに番組スタッフから声がかかり、(私が「たかじん・・・」に4年前、2度目に出演した時と同じように)、ネットTV的なものに流す映像を岸さんと一緒に撮らせてほしいとのこと。
 彼もそれまでに時間があり、私もオフ会まで時間があるので、再び二人で雑談をしました。
中野:こういう番組だと、太田さんが十分話ができない。太田さんがきちんと話ができるミニTV局、東京にもいくつかあります。そういう所に出演されるといいですよ。 
太田:お呼びがかかりません。
中野:太田さんの歴史関係のコラム、ぜひとも本にしてください。
太田:自分がそれをやる時間が惜しいんです。
中野:4年前「たかじん・・」に出てから、随分講演の声がかかったでしょう。
太田:皆無でした。防衛問題にいかに関心がないかということですよ。
中野:ちょっと信じられませんねえ。
太田:そもそも、私が役所を飛び出して防衛庁批判本も出し、立候補をした時だって、ほとんど無視されました。産経新聞に至っては、私の名前を一度も紙面に載せませんでした。
中野:ウーン。ところで、太田さん、コラムでどれくらい収入があります?
太田:年間○円くらいです。
中野:エッたったそれだけ? それも信じられません。
 カネ出しても太田さんのコラムを読みたい人、もっとたくさんいると思うんですがね。
 収入は年金とそれだけだということですか。
太田:私はそれで全然かまいません。
中野:太田さんは学者です。大学の教員にならなくっちゃ。
太田:魅力を感じません。熱心な読者が様々な形で協力してくれているし、雑務はやりたくないし、できの悪い学生を教えたくもありません。
中野:自分の場合、教育の負担も雑務の負担も軽い。それほどご懸念には及びませんよ。
太田:私を学者だとおっしゃるが、私は2次資料しか使わない。1次資料を発掘したり、読みこなしたりするのが面倒くさいから。
中野:確かに、学者って1次資料を使わなくちゃならないんです。
 また、学者の世界って嫉妬心がスゴくて、私も論文を書くと、オレの説を盗用しただの、自分の書いた文章の一部を無断で使用されただの言いがかりをつけられることがしょっちゅうです。
 ところで、吉田茂のことを太田さん、よく取り上げておられるけれど、実は私の博士論文にも吉田の話が出てくるんですよ。彼が、戦後できた経済安定本部
http://kotobank.jp/word/%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AE%89%E5%AE%9A%E6%9C%AC%E9%83%A8
の人事等でいかにごり押しをしたかってことがね。
太田:その部分だけでいいから送っていただけませんか。
中野:分かりました。
(続く)