太田述正コラム#5309(2012.2.19)
<皆さんとディスカッション(続x1468)>
<太田>(ツイッターより)
 日系米人の強制収容70周年が巡ってきた。
 長文の記事を載せたBBC電子版に敬意を表したい。
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-17080392
 美貌とバイオリンの才能とピアノの才能に恵まれた女性がこの世にいたんだねえ。
 絶句。
Julia Fischer :
http://en.wikipedia.org/wiki/Julia_Fischer
http://www.youtube.com/watch?v=YKfuhLCVldg&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=2M5ITspUBiU&feature=related
<太田>
 ネタ元はこの記事だ。↓
http://www.guardian.co.uk/music/2012/feb/19/nicola-benedetti-alina-ibragimova-interview
 この記事に出てくるその他の美貌バイオリニストは以下の4人。
Vanessa-Mae
http://www.youtube.com/watch?v=_PQxPch5zOU&feature=related ←バッハを編曲したもの
Hilary Hahn 
http://www.youtube.com/watch?v=378fNu_UPbA&feature=related 以下
Janine Jansen
http://www.youtube.com/watch?v=Pmj7nCRYNs4&feature=related
Leila Josefowicz
http://www.youtube.com/watch?v=Rd09TccoJRk 以下
 この記事が追加的に大きくとりあげている美貌バイオリニストは以下の2人。
Nicola Benedetti
http://www.youtube.com/watch?v=BmHyR_bR88Q&feature=fvst
Alina Ibragimova
http://www.youtube.com/watch?v=PhQ-YgI5fC0
<文十郎>(Mixiより)
≫公務員の人件費削減なんてやらない方がいいに決まってるさ。まず、日本の国家公務員の(対人口比)数・・軍人も非軍人も・・は、先進国>中最低水準だし、給与水準は、恣意的に下げるべきではなく、給与水準 決定>ルールの改訂を通じてなすべきだし、いずれにせよ、給与カットは、短・中期的には財政再建に資するとしても、長期的には、国家公務員の質の低 下を招くことが不可避だからだ。≪(コラム#5285。太田)
 私は、取りあえず目先の公務員の人件費削減は、行うべきだと思います。
理由は、
1.短・中期的に財政再建に資すると思える
2.自民党政権下で行われた公務員人件費決定が政官癒着のもとで妥当と思えるレベルよりも高いと思われるため。
 特に、一般職員の平均は素朴に高い、と思えます。
 これは2の結果だと思っています。
http://nensyu-labo.com/2nd_koumu.htm
 年齢構成が分かりませんので、印象のみという言われても仕方ありませんが。
 民間の所得が減っている現状(友人数名の会社の状況を聞いたところ、10~20%程度5年前より減っていました)では、公務員人件費を減らすのは仕方ないと思います。
基本的には、公務員給与は世の中の給与を反映させるべきと思います。
>給与水準 決定ルールの改訂
 個別の給与は組織内で自由に決めてもらえばいいと思いますが、全体の支給額としては
・民間の給与平均と同じ(2年くらい遅れるデータとなるでしょうが)額掛ける人数でいいのではないかと思います。
 クビにならないプレミアムがありますので、上記金額の95%でもいいし公務員に優秀な人が必要であれば、上記金額の105%と決めてもいいし。
 太田さんの公務員給与に関するご意見を聞かせていただけたら、と思います。
<太田>(同上)
 人事院の給与勧告(とそれを受けた、政府の給与改定)は、かねてから、基本的に、おっしゃったようなやり方でなされてきています。
 下掲↓中の「給与勧告」、就中その中の「給与決定の要素」を参照してください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E9%99%A2%E5%8B%A7%E5%91%8A#.E7.B5.A6.E4.B8.8E.E5.8B.A7.E5.91.8A
 「人事院勧告実施見送り、合憲か違憲か」論争も記憶に新しいところです。
http://www.asahi.com/politics/update/1026/TKY201110260428.html
 私は違憲だとは全く思いませんが、人事院勧告に従わないのであれば、政府は腰だめで同勧告を値切るのではなく、新たな給与決定ルールを提示すべきだ、という考えです。
 この新ルールが従来の人事院勧告の水準よりも常に下回る給与改定をもたらすものであれば、長期的な国家公務員(等)の質の低下を甘受する、ということでしょう。
 なお、財政再建のための給与水準の引き下げは、臨時のものであれば、一概に否定しませんが、邪道でしょう。
 放漫財政をもたらした責任は、一般の国家公務員にはないからです。
<文十郎>(同上)
 民間が10~20%下がっているという印象に対して、人事院勧告がそれほど下がっていないというのは、メーカー(私の周りにはメーカーの人が多い)の残業代が無くなっているのが、大きな原因の気がします。
 お示しいただいたWikipediaにあります民間準拠原則の調査対象の「民間」も全ての企業ではありませんし、何故単純な平均を採用しないのだろう? という疑問は残ります。
 (調査対象の選択に自分達に都合のいい「事業所」を選んでいるのではないか?)
>放漫財政をもたらした責任は、一般の国家公務員にはないからです。
 これはその通りだと思います。
 それから退職金も疑問です。
 民間ですと、毎月の給与支払い時に各人の退職金分を積み立てて退職時に渡すのが一般的だと思います。
 しかし、この考え方であれば短期間在籍しただけで巨額の退職金にはなりません。
 民間の会社であれば、社長の業績に報いて巨額の退職金も株主総会の議決を経て認められていいと思いますが、高級公務員の巨額退職金は「退職時の役職のみ」で決まっている、という印象です。
 (典拠なくてすみません)
 以上の事から、私は放漫財政とは無関係に公務員は自分達に都合のいい給与を決めて美味しい事をしている(この都合のいい給与に妥協したのが自民党)という印象を持つ人が多いのだろうなあ、と思います。
 そんな一方、政治がだらしないからこんな不透明を許しているのは国民に責任があるのは、その通りです。
 最後は、取り留めもなくなり失礼しました。
 考えがまとまりましたら、また質問させていただきます。・・・
<太田>
 実態は、あらあら次のとおりです。(民間の数字には、本人積立分は含まれていません。)
 「公務員が60歳で退職した場合の平均:2,621万0,053円
では、民間企業の退職金を見てみましょう。
 民間企業定年(大卒):2,394万円
 民間企業定年(高卒):2,189万円
 (企業規模30人以上。定年退職かつ、勤続35年以上の人)
 なお、これは、純粋な退職金ではありません。
 全額会社負担の企業年金を平準加算したものです。
 ・・・
 以上、・・・9-16%ほど、公務員のほうが高いという結果が出ています。
 実際問題として、公務員の給与モデルは、50人以上の事業所をモデルにしています。
ですので、今回、比較モデルとした、30人以上の事業所と比較して、高くなることは、当然かもしれません。
→50人以上の事業所と比較すればほぼ同等なのではないかと想像される。(太田)
 もちろん、零細企業のレベルから見れば、もっと格差は開くでしょうし、大手さんから見れば、格差は逆となるでしょう。・・・
 ただ、「公務員の所得は『すべての民間』の平均値であるべき」と、考えている人には、納得のいかない結果ではないかとも思います。」
http://kkmmg.at.webry.info/201009/article_1.html
 なお、残念ながら、「短期間在籍しただけ」の人の退職金のデータはないようですね。
 私が新ルールと言っているのは、民間の50人以上の事業所の給与や退職金の水準に準拠させるのではなく、例えば30人以上の事業所に準拠させることを指しています。
 話は変わりますが、TAさんが、今度は、私の論考「わが国の防衛費とその国際比較」(新日本製鐵株式会社広報誌の『スチール・デザイン』1980年4月(204号)に掲載)を書き起こしてくれたところ、これをバックナンバー集にアップロードしたので、有料読者で関心ある方はダウンロードしてください。
 この論考の中で、「わが国が独自の防衛政策を展開できるに足る大きな防衛力を保有することを、米国が望んでいないのも事実である。」と記しているのがちょっと気になっています。
 間違いだからです。
 当時、私が、本当にそう考えていたのか、それとも、当時の防衛局防衛課に在籍していて本名で上記誌に掲載されたことから、避雷針的に心にもないことを書いたのか、今となっては思い出せません。
 なお、この論考は、新日鉄から当時の防衛庁官房広報課に、表記のようなタイトルで論考を執筆してくれる防衛庁の人を紹介して欲しい旨の依頼があり、同課の当時の月原茂皓(しげあき)課長(後に衆院議員、参院議員)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%88%E5%8E%9F%E8%8C%82%E7%9A%93
を通じて私に執筆依頼があったものです。
 さて、その他の記事の紹介です。
 めずらしく、米国人が(実質的な)アングロサクソン・欧州文明対峙論を吐いている。↓
 ・・・ roughly speaking the Anglo/American countries, North America, and parts of Europe are playing free trade. Most of Asia, much of South America, the Middle East, Germany and parts of Europe are playing neo-mercantilism. ・・・
http://prestowitz.foreignpolicy.com/posts/2012/02/17/chinas_not_breaking_the_rules_its_playing_a_different_game
 本日は、オーストラリアのダーウィンを帝国海軍が攻撃した70周年だって。↓
 It’s 70 years since Japanese bombers swooped on Darwin, in northern Australia, sinking Allied ships in the harbour and killing hundreds of people. ・・・
 If 7 December 1941 is “a date that will live in infamy” for the United States, then 19 February 1942 is surely one that will join it in the annals of shame for Australia.・・・
 By the time the Japanese left, eight ships had been sunk – including the American destroyer, the USS Peary – 22 aircraft destroyed, dozens of buildings crushed and more than 240 people killed. ・・・
 More than 60 other aerial bombardments would follow, up until November 1943, but none as destructive as the first.・・・
 <そもそも、ダーウィンへの米海兵隊「配備」計画への私の疑問は前から呈しているけど、オバマがダーウィンを訪問して語ったことにも違和感を覚えるな。↓>
 On his visit to Darwin last November, US President Barack Obama reaffirmed the importance of the raid he referred to as Australia’s Pearl Harbor.・・・
 To emphasise Darwin’s renewed relevance, he announced that hundreds of US marines are to be stationed there, implicitly underlining the current American concern with China.・・・
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-17073472
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太田述正コラム#5310(2012.2.19)
<大英帝国再論(その6)>
→非公開