太田述正コラム#14921(2025.5.4)
<皆さんとディスカッション(続x6244)/映画評論321:君たちはどう生きるか>

<太田>

 安倍問題/防衛費増。↓

 なし。

ウクライナ問題/ガザ戦争。↓

 <世界中で産経だけしかこの配信記事つかってないけど、ウクライナ、ええやん。↓
 「無人艇「ロシア戦闘機スホイ30を撃墜」 世界初とウクライナ「上空で火に包まれ落下」・・・」
https://www.sankei.com/article/20250504-QGVQKW5575LYPEXCXNYILPD4PY/

 妄想瘋癲老人米国。↓

 なし。

 それでは、その他の国内記事の紹介です。↓

 世界中からいらっしゃい。↓

 Everywhere You Need to Go in Japan–The best places to stay, eat, shop and visit across the country, according to Japanese artists, designers and chefs.・・・
https://www.nytimes.com/2025/04/30/t-magazine/japan-travel-guide.html

 日・文カルト問題。↓

 <本件で日本がらみの記事取り上げるのを許す。↓>
 「米国と2回目の関税交渉をした日本「為替・安全保障の議論ない」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/333346
 <抱き合い心中謝絶。↓>
 「韓日専門家「トランプともに乗り越えなくては…フェイクニュースも共同対応切実」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/333349

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <ご心配謝絶。↓>
 「毎日経済新聞は、価格の高騰により日本でコメが「ぜいたく品」となり、大量のコメを盗む事件も発生していると報じた。・・・」

https://www.recordchina.co.jp/b952549-s25-c30-d0193.html

 祝日の臨時一人題名のない音楽会です。
久しぶりのErkai Baktybek小特集です。

Termeart 1.35分
https://www.youtube.com/watch?v=8cfY76Dcb78&t=2s
New Year 2.17分
https://www.youtube.com/watch?v=-jr0haujhPE
Beautiful Girls 3.46分
https://www.youtube.com/watch?v=TqjiFQq2clM
Happy holiday!
https://www.youtube.com/shorts/L1VI-VWJGJQ
I Can’t Hold Time 5.24分
https://www.youtube.com/watch?v=I6xVYl077N0
Blue Scarf
https://www.youtube.com/shorts/wmN-8_DPzoc
Love Story
https://www.youtube.com/shorts/8tQdYxqZe0Y
Thaw 3.36分
https://www.youtube.com/watch?v=6rR8QjdH_vw
Beautiful Music
https://www.youtube.com/shorts/Hv4ab7SJQBM
kyrgyzchayrlar

https://www.youtube.com/shorts/JtNTR7Qha6Y

         –映画評論321:君たちはどう生きるか–

 昨日、表記のアニメ映画の録画ができていただけでなく、『武則天』の一回目の録画もできていたことを「発見」し、拍子抜けがした。
 でも、『武則天』鑑賞のために月曜の16:00~18:00は、TVに拘束される生活が習慣化しているのでそれを変えることは考えていない。
 最近では、『武則天』のCM時間を利用して夕食の「調理」と摂食、のほか、雑用、もこなすようになっていて、それほど時間的に超過負担にはなっていないからだ。
 で、本題だが、「監督の宮崎は2024年3月3日(現地)に行われた米アカデミー賞の主催するパネルディスカッションにビデオで参加している<ところ、>本作を「(自身の)自伝ではない」としつつ、「心の中にあったこと(物語)です」として<おり、また、>・・・2023年2月下旬に行われた初号試写終了後、「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました」という宮崎からのコメントが読み上げられたという」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%9B%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%86%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%81%8B_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
わけだが、この前段は、私が前に記したように、この映画が夢を描写したものであることを示唆しており、後段は、だからこそ、筋に論理的な脈絡のないものになってしまっていることを率直に語ったものだろう。
 その上でだが、これが宮崎自身の、「重篤な」エディプス・コンプレックスに係る夢を動画化したものではなかろうか。
 「1947年、宮崎<(1941年~)の>母親が結核を発症し、以後9年間にわたり寝たきりの状態となり、感染を防ぐため母と触れ合うことができなくなる」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E5%B4%8E%E9%A7%BF
という、特殊な母親との関係性が影を落としたエディプス・コンプレックスだ。
 それは、「病院で火災に遭い死亡<し、>・・・生前、成長した<主人公の>眞人のために『君たちはどう生きるか』の書籍を遺していた<ところの、かつて、>・・・眞人にバターとジャムを塗ったパンを御馳走<したことがある、母の>・・・ヒサコ・・<と、その>少女時代<たる>・・・ヒミ」(上掲)、及び、「眞人の父の再婚相手で、ヒサコ(ヒミ)の妹<で>姉のヒサコと瓜二つの<飛び切り美しい>容姿<で、>眞人にとっては叔母であり、継母でもあ<って、>眞人と出会った時点で<父の子を>妊娠している・・・夏子・・・<、そしてその>姿を消した夏子を探<す>・・・旅の中で成長していく・・・眞人」(上掲)、といった具合に、宮崎は、自分の母親像を、この、眞人が惹かれる2人の女性を通じて執拗に描く一方で、「眞人<が>・・・夏子に対しても心を開かず、彼女を母ではなく「父の好きな人」と認識していた」(上掲)ことや、父を、その「<父が>権威的なものや行動を好む」(上掲)こと、そして、父と二重写しの「大伯父<が、>・・・自分の血を引く<眞人>を<自分の>・・・後継者にしようと求めていた<けれど、眞人が>・・・最終的に・・・<それ>を拒<み、>・・・<その>意思を<この大伯父に>肯定<させ>る」(上掲)ことを通じて、母を巡って自分と競争関係にある父親像、を、この、眞人が拒絶する2人の男性を通じてこれまた執拗に描いていること、から明かだと思うのだが・・。
 以下、副産物だが、たまたま、届いたばかりの『學士會会報No.972 2025-III』の中で、専修大(文)教授の米村みゆきの「宮崎駿と〈視覚的叙述〉–『ハウルの動く城』を一例の中の「宮崎は、ジョーンズの原作にあった18歳の少女が90歳の高齢者になるソフィーの設定に「外見は高齢者だが心は若い」女性の姿を読み取ったと想定される。そのため異性としてのハウルに意識的であるシークエンスを加筆した。そして、そのソフィーの設定を荒地の魔女にも添加して脚色した。視聴者(オーディエンス)は、ソフィーを通して、若い女性と恒例の女性の二重の姿を見る。それは、ネガとしての荒地の魔女を通して、外見は年老いているが心は若いという高齢者の恋を描いている。映画『ハウルの動く城』(2004年)には、「外見にかかわらず恋心はいつまでも現役である」という高齢者の恋に対する応援歌の相貌が見え始める」という記述から、この米村による解釈は生煮えであって、『ハウルの動く城』は、当時まだ60歳台であった宮崎(上掲)が、存命であったならば90歳くらいになっていたはずの亡き母美子(1915年生まれ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E5%B4%8E%E5%8B%9D%E6%AC%A1
へのエディプス・コンプレックスを初めてほぼ率直に告白したアニメ映画であったと言えそうなこと、に、おかげ様で、ようやく気付くことができ、長年蟠っていたもやもや感が雲散霧消した。

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太田述正コラム#14922(2025.5.4)
<渡辺信一郎『中華の成立–唐代まで』を読む(その4)>

→非公開