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太田述正コラム#15003（2025.6.13）
＜皆さんとディスカッション（続ｘ6284）/映画評論350：トラップ＞
＜HH＞
どこまで読めるかわかりませんが今回は＜オフ会「講演」原稿草稿を＞少し予習して＜14日のオフ会に＞いきます。前回、少し申し上げた通り日支、江南民族同祖論に、もう少しきちんといえば上澄み支配階層同祖論に私は否定的なのですが、この＜ことを扱った＞章だけでも読＜んで臨＞みたいと思います。
＜太田＞
本件に係る貴見に関しては、杉山構想ではソ連に北海道をくれてやることになっていた、という私の指摘に係る貴見以上に、私の指摘の、単純な誤読、誤解、に基づいているのではないでしょうか。
日本史上の弥生人は外から日本列島にやってきて原住民の縄文人に概ね取って代わったたわけですが、具体的に、どこの、誰が、水田稲作文化を背負って日本列島にやってきたのか、について、私は、支那の江南文化系の文化の人々が朝鮮半島南部から、と指摘しているだけですが・・。
＜HH＞
なお、先日のディスカッションで昭和天皇最凶説をおっしゃっていましたが、貞明皇太后以下の島津斉彬コンセンサス主義者に乗せられたとはいえ、彼が戦争を決断したからこそ秀吉流日蓮主義が完遂されたのは事実なので、そこまで言うのは酷な気がします。
＜太田＞
昭和天皇にとって、こういったことでの陸軍への抵抗は命の危険を伴うことを意味していたということはさておき、対米英開戦に関しては、同天皇が、それが軍事的に必敗だとまでは思わなかったからこそ最終的に認めたことは、初期の日本軍の成果に小躍りしたこと等（典拠省略）から明かであり、統帥の最高責任者として、不明も甚だしく、失格であった、と言っていいでしょう。（太田）
＜HH＞
また戦後に軍事に対して冷淡であったのは事実で９条を主導したのは事実でしょうが、もっぱらそれは陸軍憎悪からくる戦後の発作的反応で最終的には軍事そのものを無視するまでは至っていなかったのではないでしょうか。私は太田さんが既に防衛庁に在職されていたと思いますが「増原内奏事件」から太田さんの昭和天皇脱軍事路線が今ひとつ結びつかないのです。むしろその後の上皇にその思想は強く見られるのではないでしょうか。
＜太田＞
「1973年（昭和48年）５月26日、田中角栄内閣（当時：第２次田中角栄内閣）における防衛庁長官の増原惠吉が昭和天皇に「当面の防衛問題」について内奏した時、昭和天皇は「近隣諸国に比べ自衛力がそんなに大きいとは思えない。国会でなぜ問題になっているのか」と質問した。増原が「仰せの通りです。我が国は専守防衛で、野党に批判されるようなものではありません」と応答すると、昭和天皇は「防衛問題は難しいだろうが、国の守りは大事なので、昔の軍隊は悪い面もあったが、そこ（悪い面）はまねてはいけない。良い面を取り入れてしっかりやって欲しい」と発言した。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A2%97%E5%8E%9F%E5%86%85%E5%A5%8F%E5%95%8F%E9%A1%8C
と、増原が記者に紹介したことが事実であった、という前提ですが、増原は、陸軍に含むところがあった旧内務省の出身でこそあるけれど、衆議院議員になる前に、再軍備派の「吉田茂首相に請われ1950年（昭和25年）に知事を辞職して警察予備隊本部長官に就任＜し、＞1952年（昭和27年）に保安庁次長、1954年（昭和29年）に防衛庁次長になった」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A2%97%E5%8E%9F%E6%83%A0%E5%90%89
という経歴の人物ですから、再軍備派であるはずであって、再軍備反対派の昭和天皇の発言を自分が聞きたかったニュアンスのものにメイキングして紹介した可能性があるところ、それにも目を瞑ることにしますが、それでもなお、私には、昭和天皇は、「自衛隊は軍隊ではないのだし、近隣諸国の軍隊に比して自衛隊の現在（当時）の量的質的な相対的水準だって大きいとは思えない」、程度のことしか言っていないように、当時も、そして（吉田や昭和天皇に対する評価を180度変えた）現在おいてもなお受け止められますよ。
＜太田＞
安倍問題/防衛費増。↓
なし。
ウクライナ問題/ガザ戦争。↓
＜国際法にいささかなりとも規範性を付与するためにも、現状においては、個々の国の軍事力は不可欠ってこと。↓＞
「イスラエル、イラン軍トップ殺害か 核開発の科学者も・・・」
https://mainichi.jp/articles/20250613/k00/00m/030/064000c
「イスラエル、イランのウラン濃縮施設攻撃・・・」
https://mainichi.jp/articles/20250613/k00/00m/030/054000c
＜この宣告を待ってイスラエルが行動したってことで、この点も評価でいる。↓＞
Global watchdog finds Iran failing to meet nuclear obligations・・・
https://www.bbc.com/news/articles/ce3v6w2qr12o
妄想瘋癲老人米国。↓
＜またもや、米国に残る反民主主義制度に行く手を阻まれたトラ。↓＞
Federal judge rules Trump illegally deployed national guard troops to Los Angeles–Temporary restraining order issued by judge said president overstepped authority and to hand over control to state governor・・・
https://www.theguardian.com/us-news/2025/jun/12/newsom-restraining-order-trump-troops-los-angeles
それでは、その他の国内記事の紹介です。↓
国際ニュースに。↓
Japan Says Chinese Fighter Jet Flew Too Close to Its Military Plane–The maneuvers over international waters in the Pacific last weekend prompted Japanese officials to warn China not to repeat them and risk a collision.・・・
https://www.nytimes.com/2025/06/12/world/asia/japan-china-fighter-jet.html
日・文カルト問題。↓
なし。
航空事故で一人だけ生存って例、結構あるのね。
もっとも、今まで、５例中男性だったのはたった１例だけだったのが、今回ので２例になったわけだ。↓
List of Plane Crashes With Sole Survivor After Ahmedabad Air India Disaster・・・
Vishwash Kumar Ramesh joins a small group of individuals who have survived air disasters alone:
•Juliane Koepcke, age 17, survived the 1971 LANSA Flight 508 crash in the Amazon after falling 10,000 feet still strapped to her seat. She walked for 11 days in search of help.
•Vesna Vulović, a flight attendant, lived through a midair explosion on JAT Flight 367 in 1972. She holds the Guinness World Record for surviving the highest fall without a parachute—over 33,000 feet. She died in December 2016.
•Cecelia Cichan, age 4, was the only survivor of Northwest Airlines Flight 255, which crashed in Michigan in August 1987. She was found buried in the wreckage and required extensive treatment for burns and fractures. Her parents, brother, and 151 others on board were killed, plus two people on the ground, per the FAA.
•Bahia Bakari, a 12-year-old girl, floated for several hours in the Indian Ocean after Yemenia Flight 626 crashed off the coast of the southern African country of Comoros in June 2009. She had no life jacket and limited swimming ability.
•Ruben van Assouw, a 9-year-old Dutch boy, survived the May 2010 crash of Afriqiyah Airways Flight 771 bound to Libya, which killed 103 people, including his parents.・・・
https://www.newsweek.com/air-india-plane-crash-ahmedabad-one-survivor-list-2084606
私の、明日公表するところの、漢人文明起源論、並みの説得力ありと認める。↓
中共官民の日本礼賛（日本文明総体継受）記事群だ。↓
＜申し訳ないが、親切過ぎだったのでは？↓＞
「20歳の誕生日に日本旅行の中国人女性、大阪の喫茶店でサプライズ！「心奪われた」・・・中国のSNS・小紅書・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b954695-s25-c30-d0201.html
–映画評論350：トラップ–
今回の「『トラップ』（原題：Piégé、英題：Trapped）は、2014年のフランス映画
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%97_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
で、「砂漠をパトロールしていた兵士デニスは、誤って地雷を踏んでしまう。足を離せば地雷が爆発することはわかっているが、周囲は見わたす限り無人で助けを求めることもできない。絶体絶命の危機に陥ったデニスは、どうにかしてこの状況を切り抜けようと悪戦苦闘する。主人公デニス役に、「もうひとりの息子」のパスカル・エルベ。」
https://eiga.com/movie/81377/
というもの。
同じ局所サスペンス映画の『FALL/フォール』（コラム#14695）に比べると、『タイムボム 爆弾解除、ミスしたら即死。』（コラム#14767）同様、いささかオツる。
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太田述正コラム#15004（2025.6.13）
＜渡辺信一郎『中華の成立–唐代まで』を読む（その44）＞
→非公開